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ドローンが拓く「空の産業革命」
ドローンを安全に運用するために必要なこと
ドローンが拓く「空の産業革命」(5)自動化から自律化へ
科学と技術
鈴木真二(東京大学名誉教授/東京大学未来ビジョン研究センター特任教授/福島ロボットテストフィールド所長)
東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻教授の鈴木真二氏が、ドローンに関して緊急に取り組むべきこと、そして長期的課題としての自律化について解説する。JUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)では、操縦技術や航空知識の普及のため、ドローンのライセンス認定を行っている。ドローンの自動飛行から自律飛行に向けて、課題は多い。(全6話中第5話)
時間:9分45秒
収録日:2017年7月10日
追加日:2017年9月3日
収録日:2017年7月10日
追加日:2017年9月3日
カテゴリー:
≪全文≫
●ルール作りの前に、緊急に整備しなければならないこと
ドローンの飛行のためのルール作りについて、説明します。有人の航空機に関しては、国連の専門機関である国際民間航空機関(ICAO)が、ルールを定めています。以下のように、附属書の1~19条の中で、詳細なルールが決められており、これを各国が批准しています。
Annex1:飛行の免許
Annex2:航空規則
Annex3:国際航空のための気象業務
Annex4:航空図
Annex5:単位
Annex6:運航
Annex7:国籍、登録
Annex8:航空機の耐空性
Annex9:出入国簡易化
Annex10:通信
Annex11: 運航管理
Annex12:事故の際の捜索、および救難
Annex13:事故調査
Annex14:空港施設
Annex15:航空情報
Annex16:環境保護(騒音、大気汚染など)
Annex17:セキュリティー
Annex18:危険物輸送
Annex19:安全管理(セーフティー・マネジメント・システム)
無人の航空機についても、同様のルールをこれから作っていく必要があります。しかし、すでにドローンの利用は始まっています。安全のために、とりわけ緊急に検討・整備しなければならないことがあります。第1に、ドローンの操縦技術や、航空に関する知識、安全管理の知識を、広く普及させなければならないでしょう。私たちが作ったJUIDA(日本UAS産業振興協議会)という団体では、無人航空機のライセンスを発行しています。
第2に、ドローンでは無線が利用されるため、無線の利用者間で、調整が必要になります。遠くまで飛ばすためには、より出力の高い無線が必要になり、2016年8月には、総務省によって新たな無線の利用が認められることになりました。JUTM(日本無人機運行管理コンソーシアム)という組織が、利用者間の調整を担うことになっています。
第3に、有人機と無人機の衝突防止が緊急の課題です。日本では有人のヘリコプターが、さまざまな業務で使われています。ヘリは低い高度を飛ぶ場合があるため、有人機と無人機の衝突防止が課題です。最後に第4の課題として、ドローンの基準作りも求められるでしょう。ドローンの基本的な性能がすぐに分かるような、標準を作る必要があります。
●JUIDAはドローンのライセンス認定を行っている
JUIDA(日本UAS産業振興協議会)は、ドローン産業を振興させるための非営利団体として、2014年7月に発足しました。私が理事長を務めています。2017年5月には、会員数が2,200...
●ルール作りの前に、緊急に整備しなければならないこと
ドローンの飛行のためのルール作りについて、説明します。有人の航空機に関しては、国連の専門機関である国際民間航空機関(ICAO)が、ルールを定めています。以下のように、附属書の1~19条の中で、詳細なルールが決められており、これを各国が批准しています。
Annex1:飛行の免許
Annex2:航空規則
Annex3:国際航空のための気象業務
Annex4:航空図
Annex5:単位
Annex6:運航
Annex7:国籍、登録
Annex8:航空機の耐空性
Annex9:出入国簡易化
Annex10:通信
Annex11: 運航管理
Annex12:事故の際の捜索、および救難
Annex13:事故調査
Annex14:空港施設
Annex15:航空情報
Annex16:環境保護(騒音、大気汚染など)
Annex17:セキュリティー
Annex18:危険物輸送
Annex19:安全管理(セーフティー・マネジメント・システム)
無人の航空機についても、同様のルールをこれから作っていく必要があります。しかし、すでにドローンの利用は始まっています。安全のために、とりわけ緊急に検討・整備しなければならないことがあります。第1に、ドローンの操縦技術や、航空に関する知識、安全管理の知識を、広く普及させなければならないでしょう。私たちが作ったJUIDA(日本UAS産業振興協議会)という団体では、無人航空機のライセンスを発行しています。
第2に、ドローンでは無線が利用されるため、無線の利用者間で、調整が必要になります。遠くまで飛ばすためには、より出力の高い無線が必要になり、2016年8月には、総務省によって新たな無線の利用が認められることになりました。JUTM(日本無人機運行管理コンソーシアム)という組織が、利用者間の調整を担うことになっています。
第3に、有人機と無人機の衝突防止が緊急の課題です。日本では有人のヘリコプターが、さまざまな業務で使われています。ヘリは低い高度を飛ぶ場合があるため、有人機と無人機の衝突防止が課題です。最後に第4の課題として、ドローンの基準作りも求められるでしょう。ドローンの基本的な性能がすぐに分かるような、標準を作る必要があります。
●JUIDAはドローンのライセンス認定を行っている
JUIDA(日本UAS産業振興協議会)は、ドローン産業を振興させるための非営利団体として、2014年7月に発足しました。私が理事長を務めています。2017年5月には、会員数が2,200...
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