●ローカルなビジネスにも有効なビジネスモデル
次にプラットフォームビジネスの活用の可能性について考えてみたいと思います。プラットフォームビジネスというと、どうしてもグーグルやアップル、アマゾンといった企業を思い浮かべるために、世界的な企業のビジネスモデルのように考えられがちです。しかも、そこで非常に大きな、あるいはさまざまなサービスを展開するという巨大企業のビジネスモデルのようにも思われがちです。
しかし、実はプラットフォームビジネスは、必ずしもこういう大きな企業、または世界的な企業だけが採用できるものではなく、実はもっとローカルな、あるいは小さなビジネスモデルにもとても有効なものだと思います。そこで、そのようなローカルな、もしくは小さなビジネスへのプラットフォームビジネス的な発想、ビジネスモデルの活用の可能性について、少し考えてみましょう。
●地域の小売店にみるサービスのあり方
プラットフォームビジネスの要点は、一つの市場だけではなく複数の市場を連携させ、その市場を結び付けて、一つ一つでは獲得できなかったような利益の機会、消費者への利便性を提供することにあります。そう考えていくと、実は巨大な企業でなくても、身近なところでも二つの市場、あるいは相互に関係した複数の市場を結び付けていくことにメリットがあるようなビジネス、サービスを、いろいろ思い付くことが分かります。
例えば、単純に物を売っているサービスであっても、その物を売るだけではなく、さまざまなアフターサービスなど付帯サービスによって利益を挙げているという事業は多々あると思います。または、一般の小売店を見ても、小売店がそのお店に来た人に単に製品を売るだけではなく、その人のさまざまな生活活動を把握・理解することによって、その人にとって利便性の高い商品を紹介してあげる。場合によっては、自分のお店にはないようなサービスを紹介してあげるということも、例えば地域の小売店などではよく行われていることだと思います。
これもよくよく考えてみると、広い意味でのプラットフォームビジネスといえなくもありません。自分がメインで提供している財やサービスだけでははく、それに付随した消費者、利用者にとって利便性の高いサービスを提供しているからです。通常、それは文字通りのサービスということで、ただで提供した...