プラットフォームビジネス
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Googleに代表されるビジネスモデルとは?
プラットフォームビジネス(1)ビジネスモデルを理解する
経営ビジネス
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
プラットフォームビジネスは、21世紀に入って最も注目を集めているビジネスモデルだろう。アマゾンやグーグル、アップルなど、世界を股に掛ける企業がその代表例だ。急速なその発展と自在な事業横断をもたらすビジネスモデルの特徴、今後の発展と考慮すべき問題について、東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授の柳川範之氏に解説いただく。(全3話中第1話)
時間:12分21秒
収録日:2017年11月6日
追加日:2017年12月21日
≪全文≫
 今日は、「プラットフォームビジネス」と呼ばれているものについて、少し解説をしていきたいと思います。プラットフォームビジネスは、最近ではかなりポピュラーに使われる言葉になってきました。典型的にはグーグルやアップル、アマゾンなど、世界的な大企業がとっているビジネスモデルを指すことが多いのです。

 グーグルなどが典型的ですが、自社のさまざまなネットワーク上に乗せて、消費者や利用者の利便性を高めていくビジネスモデルになっています。そこでは、地図の提供や電子メールのサービス、検索の利便性を高めるさまざまなサービスなどが、場合によっては無料で提供されます。こういうものを使ってもらうことでグーグル自体を使う人を増やす。それがビジネスを拡大させていくという形になっています。他の会社でも、こういうことを行っている企業はずいぶん出てきています。


●利用者が増えれば事業者が増える、「規模の経済性」


 このビジネスモデルの基本を整理すると、プラットフォームと呼ばれる大きな活動のベースをつくり、その上でさまざまなサービスや製品を、場合によってはかなり異なるように思われるものまで提供します。その結果、消費者の利便性が高まり、消費者はますますそのプラットフォームを利用するようになる。こういう形でビジネスを拡大させていくものを指します。

 場合によっては無料で提供されるので、消費者の方にとっては利便性が高い。したがって、そのプラットフォームをどんどん利用することになる。消費者がプラットフォームに集まってくると、正規なサービスを提供しようという人(事業者)たちも、そのプラットフォームを使って消費者にアクセスしようとする傾向が、かなり高まります。

 つまり、消費者が集まると企業者が集まる。会社が集まって、製品やサービスが提供されるようになると、ますます消費者がそこに集まってくる。経済学でいわれる「規模の経済性」が広がっていくところに、プラットフォームビジネスのサービスの特徴があります。もう少し詳しくいうと、消費者側の規模の経済性、それからサービスや製品を提供する事業者側の規模の経済性、この両方が相まっていくことで、プラットフォームがどんどん広がっていく。こういう特徴を持つことになります。

 もちろんプラットフォームを提供する会社の方も、消費者に集まってもらえるように、あるいは...

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