プラットフォームビジネス
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
Googleに代表されるビジネスモデルとは?
プラットフォームビジネス(1)ビジネスモデルを理解する
柳川範之(東京大学大学院経済学研究科・経済学部 教授)
プラットフォームビジネスは、21世紀に入って最も注目を集めているビジネスモデルだろう。アマゾンやグーグル、アップルなど、世界を股に掛ける企業がその代表例だ。急速なその発展と自在な事業横断をもたらすビジネスモデルの特徴、今後の発展と考慮すべき問題について、東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授の柳川範之氏に解説いただく。(全3話中第1話)
時間:12分21秒
収録日:2017年11月6日
追加日:2017年12月21日
≪全文≫
 今日は、「プラットフォームビジネス」と呼ばれているものについて、少し解説をしていきたいと思います。プラットフォームビジネスは、最近ではかなりポピュラーに使われる言葉になってきました。典型的にはグーグルやアップル、アマゾンなど、世界的な大企業がとっているビジネスモデルを指すことが多いのです。

 グーグルなどが典型的ですが、自社のさまざまなネットワーク上に乗せて、消費者や利用者の利便性を高めていくビジネスモデルになっています。そこでは、地図の提供や電子メールのサービス、検索の利便性を高めるさまざまなサービスなどが、場合によっては無料で提供されます。こういうものを使ってもらうことでグーグル自体を使う人を増やす。それがビジネスを拡大させていくという形になっています。他の会社でも、こういうことを行っている企業はずいぶん出てきています。


●利用者が増えれば事業者が増える、「規模の経済性」


 このビジネスモデルの基本を整理すると、プラットフォームと呼ばれる大きな活動のベースをつくり、その上でさまざまなサービスや製品を、場合によってはかなり異なるように思われるものまで提供します。その結果、消費者の利便性が高まり、消費者はますますそのプラットフォームを利用するようになる。こういう形でビジネスを拡大させていくものを指します。

 場合によっては無料で提供されるので、消費者の方にとっては利便性が高い。したがって、そのプラットフォームをどんどん利用することになる。消費者がプラットフォームに集まってくると、正規なサービスを提供しようという人(事業者)たちも、そのプラットフォームを使って消費者にアクセスしようとする傾向が、かなり高まります。

 つまり、消費者が集まると企業者が集まる。会社が集まって、製品やサービスが提供されるようになると、ますます消費者がそこに集まってくる。経済学でいわれる「規模の経済性」が広がっていくところに、プラットフォームビジネスのサービスの特徴があります。もう少し詳しくいうと、消費者側の規模の経済性、それからサービスや製品を提供する事業者側の規模の経済性、この両方が相まっていくことで、プラットフォームがどんどん広がっていく。こういう特徴を持つことになります。

 もちろんプラットフォームを提供する会社の方も、消費者に集まってもらえるように、あるいは...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
田口佳史
バブル世代の現実とこれからの生き方
バブル世代は「バブル崩壊世代」、苦労の先に見えるものがある
江上剛
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓
ハラスメント防止に向けた風土づくり(1)ハラスメントの概要
増え続けるハラスメント…その背景としての職場の特徴
青島未佳

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓