知られざるロシアの情と理
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ロシアの経済と国際戦略、日本との関係を整理する
知られざるロシアの情と理(1)日本との歴史的関係
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
ロシアは歴史的には日本と深い関係にありながら、知られていないことがたくさんある。そう述べるのは、今年(2018年)ロシアを訪れた公立大学法人首都大学東京理事長の島田晴雄氏。ロシアとはいったいどんな国なのか。島田氏の解説を聴こう。(全6話中第1話)
時間:8分56秒
収録日:2018年8月22日
追加日:2018年10月18日
カテゴリー:
≪全文≫

●重要な国なのに、ロシアの実情はあまり知られていない


 先だって、私は若い事業家を20人ほど連れてロシアを訪問しました。サンクトペテルブルグとモスクワで一緒にさまざまなことをしましたが、ロシアの人々は大変オープンで、フレンドリーで、親切だったという印象です。

 それから、街が予想外にきれいでした。多分、建物の壁は洗った後ではないかと思いますが、道路にちりとかごみが全然ありません。サッカーのワールドカップの直後だったので、おそらく街をきれいにしたのでしょう。ロシアでは上月豊久大使に大変お世話になりましたが、上月大使も「ワールドカップの影響は相当ありました」と話していました。

 また、モスクワ大学で親日派随一のオレーグ・ヴィハンスキー教授のチームにいろいろレクチャーをいただいて、ディスカッションをして、大変参考になりました。

 日本の場合、専門家はロシアの情報をたくさん持っていますが、一般の人々はロシアの情報が非常に少ないため、知識も理解も乏しいのではないかと思います。しかし、考えてみるとロシアはそれなりの大国です。日本としては今のロシアの実情についてもっと知るべきであると思います。

 ロシアが重要な国だというのは、例えば冷戦時代にはアメリカの対極であったことに加え、軍事力は今もなおアメリカにかなり比肩するからです。また、科学技術、特に軍事や宇宙技術は非常に高いものを持っています。よって、GDPは小さくとも外交的な影響力は非常に大きいのです。今は米中が2大強国ですが、ロシアも非常に重要なところでいろいろな働きをしています。特に日本にとっては、北方領土問題と経済協力が課題になっているので、私たちはよく知っておいた方がいいでしょう。


●日本とロシアは、歴史的に深い関係にある


 実は、日本とロシアは歴史的にかなり深い関係があります。ペリー提督が黒船に乗って日本を訪ねてきたのは1854年ですが、その1カ月後にエフィム・プチャーチンというロシアを代表する海軍軍人が開港を求めて日本に来ています。

 それから、日本とロシアは大変な戦争を1904年から1905年に行いました。日露戦争です。これは黄色人種が白人を破ったという世界史で初めての大事件なので、アジア諸国、中東諸国は大変なお祝いをしてくれたということがあったわけです。第二次世界大戦に入ると、満州の利権を日本とロシアで争い...

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