知られざるロシアの情と理
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歴史的な長期政権が続くプーチンの経済戦略
知られざるロシアの情と理(3)第4期プーチン政権
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
2018年に第4期目に突入したプーチン政権は、歴史的にも非常に長期的な政権ということになる。なぜ彼はこれほど長期間にわたって政権の座にあり続けているのか。第4政権の成長戦略とはいかなるものか。公立大学法人首都大学東京理事長の島田晴雄氏が論じる。(全6話中第3話)
時間:8分37秒
収録日:2018年8月22日
追加日:2018年10月20日
カテゴリー:
≪全文≫

●リーマンショックとプーチン大統領の復帰


 2008年9月にリーマンショックがありました。この年、ロシアの大統領の任期は当時、まだ4年で2期重ねて8年を過ぎており、3期はできないということで、ウラジーミル・プーチン氏は部下であったドミトリー・メドベージェフ氏を大統領にして自らは首相になりました。

 ところが、メドベージェフ氏に代わった途端に先述のリーマンショックが起こったので、この年の経済成長率はマイナス7.9パーセントと相当ひどかったです。しかし、その後、かなり頑張って挽回し、メドベージェフ時代は平均4パーセントの成長率を確保したのです。このメドベージェフ時代にプーチン氏は手を回して憲法改正を行い、大統領の任期を6年にしました。

 そして、プーチン氏は、メドベージェフ氏の任期4年が終わると「首相で4年過ぎたから自分が大統領になることができる」ということで進めたのですが、これには全国から批判が噴出しました。モスクワだけではなく、全国で大規模デモが行われたのです。オバマ政権の国務大臣だったヒラリー・クリントン氏が、「これは民主主義的な動きなので支持する」と公言しました。プーチン氏はこのことを非常に根に持っており、ヒラリー氏だけは許さないそうで、要するに、私の地位を脅かすそのような運動を後ろで先導したに違いないと、おそらく本気で信じているのでしょう。

 私たちはよく知っていると思いますが、2014年3月にクリミア併合を行いました。これは、武力を持って国境を変えるということですから、1928年に結んだ不戦条約の違反行為です。(不戦条約を結んだ)当時であれば、それに反対する諸国は当然、ロシアに攻撃を加えたでしょうが、その時はそうしたことは行われず、アメリカ主導で一斉に経済制裁を行いました。

 おそらくこの時の制裁が非常に強く効いて、2015年、2016年とロシアはマイナス成長となり、経済は縮小しました。2017年になってようやく落ち着きを見せはじめ、経済成長率は1.5パーセントです。

 ですから、プーチン政権が第1期、第2期の頃、7パーセントも経済成長を続けた時代に比べると、天国と地獄ほどの差があります。そして2018年3月、プーチン氏は大統領に当選し、第4期のプーチン政権が始まったのです。


●第4期政権の経済戦略~3つの目玉政策~


 第3期政権は2012年から2018年の6年間です。これは、つまり憲法改正...

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