2018アメリカ中間選挙の評価と今後の見通し
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
2018年11月のアメリカ中間選挙の結果をどう評価するか
2018アメリカ中間選挙の評価と今後の見通し
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
上下両院の「ねじれ」が注目されがちな今回のアメリカ中間選挙だが、実はそれ自体は想定の範囲内だという。では、見るべきポイントはどこなのか。今回の結果は何を暗示しているのか。そして2020年に行われる次期アメリカ大統領選挙はどうなるのか? 政治学者で慶應義塾大学名誉教授の曽根泰教氏が、2018年11月のアメリカ中間選挙結果を概観、解説する。
時間:11分31秒
収録日:2018年11月21日
追加日:2018年12月28日
カテゴリー:
≪全文≫

●上下両院の「ねじれ」は、想定の範囲内


 2018年11月のアメリカ中間選挙の結果をどう評価するかという話をします。

 まず、この選挙結果は非常に評価が難しいということです。上下両院がねじれていると同じように、上院と下院の結果が違うので異なる評価が出てきています。また、選挙直後と現時点との間では、少し評価が変化しています。それからやはり、この中間選挙だけを見るのではなく、アメリカ政治の長期のトレンドで何が変わったのか、何が変わらなかったのか、そして今後どうなるのかという問題を議論しなければいけません。

 評価が難しい理由の一つは、上院と下院の結果が異なったことです。

 上院は共和党が過半数を占めました。

 下院は民主党が票を伸ばして半数以上の議席を取りました。今まで上下両院ともに共和党が多数を持っていたわけですから、それが変わったということです。

 しかしながら、アメリカの中間選挙が、そもそもこれまでどのように票が動いていたのかといえば、政権を取った党、つまり大統領側が議席を減らすというのが一般的な傾向です。そういう意味では、中間選挙で議席を減らすのは何もドナルド・トランプ氏だけではありません。こうした経験則の話はいくつもあります。例えば、イギリスの場合、総選挙の間に行われる地方選挙では政権党が議席を減らします。日本の場合、統一地方選挙と参議院選挙があるときには、参議院選挙の方の投票率が減ってしまいます。こうした経験則はいくつかあるわけで、その通りに動くとは限りませんけれども、今回のアメリカの中間選挙は、下院で議席を減らしたからといって、そう驚くことではありません。

 民主党の青いビッグウェーブが全体を席巻して上院まで及んだかというと、そうではありません。共和党が多数を占めた上院の結果が全体に及んでいるかというと、そうでもありません。この他、知事選挙その他の選挙を勘案すると、民主党も次の大統領選挙までの手がかり・足がかりがそこそこついたのではないか、という状況です。


●投票傾向が読みやすいアメリカ政治


 アメリカの政治や選挙を分析するときに、いろいろな手法があります。例えば、地域特性から見ていくことができます。

 ラストベルト(米国中西部から北東部にあたるかつての工業地...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
経済社会と「隠れた価値」の行方(1)経済の中の価値
人間の幸福と「価値」…お金以外の「隠れた価値」をどう考えるか
吉川洋
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子

人気の講義ランキングTOP10
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子