日本人が知らないアメリカ政治のしくみ
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
トランプ氏が共和党を乗っ取るか?移民問題や格差での分極化
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(5)分極化と米中関係への影響
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
トランプ政権誕生以前からアメリカやヨーロッパの政治を見守ってきた人びとにとって、ポピュリズムの蔓延と分極化の進行は世界的な課題である。アイデンティティ・ポリティクスや移民問題、アメリカの対中国外交は、今後どのような筋道をたどるのだろう。アメリカの覇権、世界秩序への影響を考えていく。(全5話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:9分42秒
収録日:2020年8月27日
追加日:2020年10月28日
≪全文≫

●「プロライフ・プロチョイス」から「マスクをする・しない」へ


曽根 (エリートとポピュリズムの対立だけではなく)トランプ氏が乗ったのは、もう10年ぐらい前から分極化しているアメリカ政治です。

―― アメリカは分かれたわけですか。

曽根 はい。「ポラライズ(polarize:分極化する)」という言葉が正しいと思う。ポラライズしているのです。

 昔は、保守と革新でポラライズするものでした。ところがアメリカのポラライズの代表は、昔から「プロライフとプロチョイス」です。プロライフとプロチョイスとは何のことかというと、プロライフは堕胎してはいけないという生命尊重勢力、プロチョイスは堕胎してもいいという選択尊重勢力です。これは人権問題のことです。

―― なるほど。

曽根 これによるいがみ合いなどがあったわけです。それから、「鉄砲規制(銃規制、gun control)」もあります。鉄砲規制に根強く賛成する派と根強く反対する派。こういうものは昔からありました。

 ところが最近は、あらゆる政策争点でポラライズが起こります。それはちょうど経済的な格差などと同じように、ポラライズしています。トランプ氏は、そのポラライズにうまく乗ったということも言えるわけです。

―― なるほど。

曽根 昔は妥協が成立したので、両院協議会で成立する法案があったことをお話ししました。今では議会の中がポラライズしているので、共和党と民主党の妥協はほとんど不可能になり、党派的な投票をするのが議会になってきました。

 最近でいえば、「マスクをする・しない」というのは、アメリカ人にとってはもうまったく党派性の問題です。トランプ支持者はマスクをしたがらない。

 そういうポラライズしたアメリカが背景にある。その分極化に乗ってトランプ氏が当選したことで、傷口に塩を塗ったように、トランプ時代にさらに分極化が進んだとはいえると思います。


●分極化が進んだアメリカ、これまでの政治の常識は通じなくなっている


―― 今回の講義シリーズで、アメリカの政治は「チェック、チェック、チェック」で進んでおり、そうは言いながらも実はオバマケアのようなものは、アンダーグラウンドでチーム的に行われたというお話がありました。こうしたアメリカの政治過程といったものは、今回のトランプ時代を経験した以降、さらに変わっていく可能性があるということです...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
半導体から見る明日の世界(1)世界的な半導体不足と日本の可能性
なぜ世界の半導体不足は起きた?台湾TSMCと日本復活への鍵
島田晴雄
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
徳川将軍と江戸幕府~井伊直弼編(1)桜田門外の変と井伊直弼の人物像
「桜田門外の変」の謎…井伊直弼の警護に問題はなかったのか
山内昌之
編集部ラジオ2026(28)自由喪失の危機に考えるハイエク-1
斎藤幸平氏に物申す…自由喪失の危機に読みたい自由主義の近現代史
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
生成AI「Round 2」への向き合い方(8)「責任あるAI」への課題と覚悟
責任あるAI――マイクロソフトが掲げるコンセプトと覚悟
渡辺宣彦
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介