日本人が知らないアメリカ政治のしくみ
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
定年のないアメリカの最高裁判事、大統領が選ぶ時に大論争
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(2)最高裁判所と連邦制
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
アメリカの議員は党議拘束に縛られないが、「院内総務」と呼ばれる人びとに尻を叩かれて投票を行っている。最高裁の判事は終身制で、大統領よりもその任期は長くなることが多い。さらに連邦制を取るアメリカでは、州が強い権限を持つ場面もしばしば見られる。それぞれについて、日本と丁寧に比較した。(全5話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分33秒
収録日:2020年8月27日
追加日:2020年10月7日
≪全文≫

●「院内総務」と「小委員会」は日本の何に当たるのか


―― 議会について一つご質問したいのは、党議拘束がないという点です。また、前回のお話では5000本も法案が出るということでしたが、以前テンミニッツTVの講義で、日本の国会には国会対策委員会があり、法案を通す・通さないについて独特の動きをしているとうかがいました。アメリカの場合、そのあたりはどういうことになるのですか。

曽根 よく「院内総務」(「院内幹事」ともいう)と訳される"Whip"という存在がおり、「投票させるために鞭を打つ」というような役割を担います。いざ法案を通したいというときには、こういう人たちが議場に行って、「賛成してくれ」ということを行うわけです。

 国会対策に関する部分、日本でいう「議院運営委員会(議運)」の役割は院内総務(Whip)が担います。しかし、実際、本当に通したいときに、党の幹部は実質的にどうやって人びとを動かすのか。実はこの点が重要なのですが、それほどよく分からないということです。

―― なるほど。そのあたりがまた、日本とはちょっと感覚が違うところですね。

曽根 そうですね。特に党議拘束がある日本のような場合には、自民党の総務会で決まると、自民党議員はそれに反することはできないわけです。ところが、アメリカは党議拘束がありません。では、自民党の「部会」に相当する議論はどこでやっているのか。アメリカでいうと議会の「小委員会」が、たぶんそれに相当すると思います。

 そういう意味でいうと、日本の知識というか、日本で獲得された過去の経験則をもってアメリカを見ると、アメリカの議会が違うように見えるということです。

―― そうですね。むしろ日本におけるパーツが、アメリカではどこに当たるかという点が、見ていかなければいけないところですね。

曽根 そういうことです。


●アメリカ最高裁の強い権限、長い任期と独立判断


―― 続いて、今度は最高裁判所(最高裁)のほうを見ていきたいのですが、アメリカの最高裁というのはどういう位置づけでございましょうか。

曽根 アメリカの最高裁は9名の判事から構成され、三権の中でも強い権限を持っています。大統領が相手でも、議会が法案を通して通過したものでも、違憲立法審査によって憲法違反の判断ができるからです。第1回で、大統領には拒否権があると言いましたが、最高裁にも「違憲立...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
台湾有事を考える(1)中国の核心的利益と太平洋覇権構想
習近平政権の野望とそのカギを握る台湾の地理的条件
島田晴雄
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(3)Human Co-becomingと存在神学への対抗
耳障りな言葉がポイント!?新しい概念を生み出すチャンス
中島隆博
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
衰退途上国ニッポン~その急所と勝機(1)安いニッポンと急性インフレ
世界で一人負け…「安い国」日本と急性インフレの現実
宮本弘曉
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
平和の追求~哲学者たちの構想(6)EU批判とアメリカの現状
理想を具現化した国連やEUへの批判がなぜ高まっているのか
川出良枝
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
地政学入門 ヨーロッパ編(10)グリーンランドと北極海
グリーンランドに米国の軍事拠点…北極圏の地政学的意味
小原雅博
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典