日本人が知らないアメリカ政治のしくみ
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定年のないアメリカの最高裁判事、大統領が選ぶ時に大論争
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(2)最高裁判所と連邦制
曽根泰教(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
アメリカの議員は党議拘束に縛られないが、「院内総務」と呼ばれる人びとに尻を叩かれて投票を行っている。最高裁の判事は終身制で、大統領よりもその任期は長くなることが多い。さらに連邦制を取るアメリカでは、州が強い権限を持つ場面もしばしば見られる。それぞれについて、日本と丁寧に比較した。(全5話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:7分33秒
収録日:2020年8月27日
追加日:2020年10月7日
≪全文≫

●「院内総務」と「小委員会」は日本の何に当たるのか


―― 議会について一つご質問したいのは、党議拘束がないという点です。また、前回のお話では5000本も法案が出るということでしたが、以前テンミニッツTVの講義で、日本の国会には国会対策委員会があり、法案を通す・通さないについて独特の動きをしているとうかがいました。アメリカの場合、そのあたりはどういうことになるのですか。

曽根 よく「院内総務」(「院内幹事」ともいう)と訳される"Whip"という存在がおり、「投票させるために鞭を打つ」というような役割を担います。いざ法案を通したいというときには、こういう人たちが議場に行って、「賛成してくれ」ということを行うわけです。

 国会対策に関する部分、日本でいう「議院運営委員会(議運)」の役割は院内総務(Whip)が担います。しかし、実際、本当に通したいときに、党の幹部は実質的にどうやって人びとを動かすのか。実はこの点が重要なのですが、それほどよく分からないということです。

―― なるほど。そのあたりがまた、日本とはちょっと感覚が違うところですね。

曽根 そうですね。特に党議拘束がある日本のような場合には、自民党の総務会で決まると、自民党議員はそれに反することはできないわけです。ところが、アメリカは党議拘束がありません。では、自民党の「部会」に相当する議論はどこでやっているのか。アメリカでいうと議会の「小委員会」が、たぶんそれに相当すると思います。

 そういう意味でいうと、日本の知識というか、日本で獲得された過去の経験則をもってアメリカを見ると、アメリカの議会が違うように見えるということです。

―― そうですね。むしろ日本におけるパーツが、アメリカではどこに当たるかという点が、見ていかなければいけないところですね。

曽根 そういうことです。


●アメリカ最高裁の強い権限、長い任期と独立判断


―― 続いて、今度は最高裁判所(最高裁)のほうを見ていきたいのですが、アメリカの最高裁というのはどういう位置づけでございましょうか。

曽根 アメリカの最高裁は9名の判事から構成され、三権の中でも強い権限を持っています。大統領が相手でも、議会が法案を通して通過したものでも、違憲立法審査によって憲法違反の判断ができるからです。第1回で、大統領には拒否権があると言いましたが、最高裁にも「違憲立...

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