宗教で読み解く世界
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ヒンドゥー教と密接不可分なカースト制の特徴と問題点とは
宗教で読み解く世界(3)ヒンドゥー教とカースト制
橋爪大三郎(社会学者/東京工業大学名誉教授/大学院大学至善館教授)
インド最大の特徴はヒンドゥー教と密接不可分な関係のカースト制にある。支配階級、被支配階級を明確に区別し、社会の基本単位としてジャーティという多数の職業集団を規定している。この一見閉鎖的なカースト制を、橋爪大三郎氏は「古代のイノベーション」と見なす。それはなぜか。ヒンドゥー教の意味とともに解説する。(全5話中第3話)
時間:12分14秒
収録日:2019年1月21日
追加日:2019年6月2日
カテゴリー:
≪全文≫

●バラモン教が生みだした先住民支配のための作戦


 橋爪大三郎です。今日はヒンドゥー教について、お話ししましょう。

 ヒンドゥー教は、インドにある宗教です。「ヒンドゥー」とは「インドの」というような意味なので、ヒンドゥー教は広い意味でいうとインドで生まれた宗教ということになり、インドにある宗教は全てヒンドゥー教です。一方、狭い意味でいうと、仏教は違います。ジャイナ教も違います。シク教も違います。イスラムは外から入ってきましたから、それももちろん違うのですが、そのようなものを除いて残ったのがヒンドゥー教、ということにはなります。ただ、ヒンドゥー教はどこまでを指すのかというのは、なかなか曖昧なのです。

 歴史的にいいますと、昔々にはバラモン教というものがありました。これは3000年から3500年ほど前にアーリア人という外国人がインドに入ってきて、自分たちの宗教を持ち込みました。それがバラモン教です。アーリア人はギリシャ人だと思ってください。ギリシャの宗教は多神教です。ですから、アーリア人の持ち込んだ宗教は多神教だったので、多神教が持ち込まれたということです。

 しかし、入ってきたアーリア人は人数が少なく、もとから住んでいた住民の方は多かったのです。そこでどうしたか。自分たち(アーリア人)は支配階級に居座ろう。そして、先住民をその下っ端、つまり身分が低い人たちにして、この身分の違いがひっくり返らないようにしよう。こういう作戦を立てたわけです。


●インドの本質を形づくるカースト制の特徴


 これがカースト制というものなのですが、そのうちの上の2つにバラモンとクシャトリヤがあり、これが支配階級です。それから支配される側には、ヴァイシャとシュードラがあります。そして、その下にアウトカースト、今はダリットというような名前ですが、そういう人々もいる。つまり、4つないし5つのグループ(階級)があるということです。

 普通、本にはこのように書いてあるのですが、インドの考え方をもう少し詳しくいうと、カースト制は2段階になっていて、今、言った4つのグループを「ヴァルナ」といいます。ヴァルナとは普通、「種姓(シュセイ)」といいます。これが4つあります。その下に「ジャーティ」があります。ジャーティとは「職業集団」とでも訳しておけばいいかと思いますが、社会の基本単位になるような特定の職業...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸
人の行動の「なぜ」を読み解く行動分析学(1)随伴性
三日坊主、部屋が片付かない…なぜできないか行動分析学で考える
島宗理
プラトンの哲学を読む(1)対話篇という形式の哲学
ヨーロッパ哲学の伝統はプラトン哲学の脚注だ
納富信留
「徳」から生まれる「感謝の人間関係」
「徳」の本質とは「自己の最善を他者に尽くしきる」こと
田口佳史
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
ラカンの精神分析~心の謎を解き明かす(5)否定神学とラカン理論の限界
暴いてはいけない!?心を理解する上で重要な「否定神学」とは
斎藤環
キケロ『老年について』を読む(1)キケロの評価と「老年の心構え」
幸福な老年への智恵をキケロに学ぶ…惨めな老年の4つの理由とは
本村凌二
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(7)自分の人生のために
AI時代こそAIでなく「生きた学び」で自分の人生を膨らませる
橋爪大三郎
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
編集部ラジオ2026(19)橋爪大三郎先生のリベラルアーツ論
【10min解説】橋爪大三郎先生:AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本神話の基本を知る~世界・人間・文化のはじまり
「国生み・国作り・国譲り・国治め」と「むすひ」の力
鎌田東二
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉