現在の宇宙の姿
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
宇宙は、数多くの銀河からできている
現在の宇宙の姿(4)銀河からなる宇宙
岡村定矩(東京大学名誉教授/東京大学EMP(エグゼクティブ マネジメント プログラム)エグゼクティブ・ディレクター)
第4回では、銀河系の外の宇宙を見ていく。宇宙には、われわれの銀河系だけではなく、アンドロメダ銀河をはじめ、多くの銀河が存在する。このような銀河は、渦巻きがあるものやないもの、渦巻きの中心が棒状になっているものといないものなどさまざまな形態がある。星は銀河の中にあるので、宇宙は星からできているというよりも、銀河からできていると考えるのが良い。われわれは「銀河からなる宇宙」に住んでいる。(全6話中第4話)
時間:9分28秒
収録日:2018年12月26日
追加日:2019年6月10日
カテゴリー:
≪全文≫

●銀河系の外の宇宙を見る


 「現在の宇宙の姿」をテーマにした講義の第4回です。今回は、「銀河からなる宇宙」というお話をします。

 第3回の講義では、上の写真における青い楕円状の点線の中、つまり銀河系の中にある天体の姿を望遠鏡で見てきました。今回は、楕円から離れた方向、天の川から離れた方向の星と星の隙間からどのような天体が見えるのか、つまり銀河系の外の宇宙を見てみたいと思っています。


●宇宙にはさまざまな銀河が存在する


 1枚目のスライド写真では少し見えにくいのですが、天の川が上の方に斜めにあって、そこから左下に離れたところにぼんやりとした天体(白矢印)があります。これは一見すると、前回見たガス星雲のようにぼんやりしたものにも見えますが、これを大きな望遠鏡で撮影したのが2枚目のスライドの写真です。

 2枚目のスライドの左側の写真が全体像になりますが、前回に銀河系の想像図で見たような渦巻きの姿が見えます。実はこの天体も、銀河系と同じように、1000億から2000億個の恒星と星間物質とからなる大集団であることが分かってきました。このような天体が銀河系の他にもたくさんあることが分かったので、一般的に「銀河」という名前が付けられることになりました。特にこの天体は、アンドロメダ座の方向にあるので「アンドロメダ銀河」と呼ばれています。

 実は銀河系も一つの銀河なのですが、われわれの太陽が属しているということで、特別に「銀河系」あるいは「天の川銀河」と呼ばれているわけです。このアンドロメダ銀河は、非常に遠くにあり、230万光年の距離にあります。つまり、光の速さで行っても、230万年かかります。しかしながら、たくさんある銀河の中では近い方で、いわばわれわれのいる銀河系のお隣さんの銀河です。この周囲にパラパラと見えている星は、われわれの銀河系の星々です。これらの星々の隙間から、230万光年かなたのアンドロメダ銀河が見えています。

 このアンドロメダ銀河の一部をすばる望遠鏡の広視野カメラである、シュプリームカム(Suprime-Cam)で撮影した写真が、2つ目のスライドの右側のものです。明るい星は、われわれの銀河系の星です。渦巻き腕の中に、左の写真では見えな...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(1)日本の住宅の実態と問題点
なぜ日本は夏暑く、冬寒いのか…断熱から考える住宅の問題
前真之
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治

人気の講義ランキングTOP10
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
プロジェクトマネジメントの基本(2)プロジェクトの複雑性とマネジメント
コスパが鍵!? 顧客満足につながる品質マネジメントとは
大塚有希子
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦