現在の宇宙の姿
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
宇宙の大きさを実感…太陽をピンポン玉だとすると地球は?
現在の宇宙の姿(5)宇宙のスケールモデル
岡村定矩(東京大学名誉教授/東京大学EMP(エグゼクティブ マネジメント プログラム)エグゼクティブ・ディレクター)
今回は、スケールモデルを使って、宇宙の大きさを実感する。太陽を直径4 センチメートルのピンポン球としてスケールモデルを作ると、地球は砂粒くらいの大きさになり、それらの距離は4メートルになる。太陽に一番近い恒星まで距離は1200キロメートルで、ピンポン球3000万個分にもなる。一つの銀河の中で星同士の間はスカスカだが、宇宙の中では銀河同士は混み合っている。実際に銀河同士が衝突して1つの銀河になることもある。(全6話中第5話)
時間:14分43秒
収録日:2018年12月26日
追加日:2019年6月17日
カテゴリー:
≪全文≫

●宇宙ステーションは、天文学の宇宙からすれば、ほんの入り口にすぎない


 「現在の宇宙の姿」の第5回です。今回は、「宇宙のスケールモデル」というお話です。

 これまでの講義から、宇宙というのは相当大きいなと、皆さんに思ってもらえたと思います。今回の講義の目的は、スケールモデルを使って、それを実感していただくことにあります。

 その前に、最も身近に感じられる宇宙を見てみましょう。しばらく前までは、「宇宙といえばスペースシャトル」でした。しかし、スペースシャトルは、2011年7月に30年間の活躍の幕を閉じました。今では、「宇宙といえば国際宇宙ステーション」です。これが一番身近な宇宙だと思います。

 この国際宇宙ステーションは、地球からどのくらい離れた所を飛行しているのでしょうか。

A:約40キロメートル
B:約100キロメートル
C:約400キロメートル
D:約1000キロメートル

 この4択から選んでください。ジェット機はだいたい、高度10キロメートルのところを飛んでいます。

 正解は、Cの地上から約400キロメートルの上空です。この高さを地球というスケールと比較すると、リンゴの皮くらいのところであることが分かります。この高度でも大気はきわめて薄く「宇宙環境」ですが、天文学でいう宇宙からすれば、ほんの入口でしかありません。


●太陽系のスケールモデル


 まず、太陽系のスケールモデルから始めたいと思います。太陽を直径4センチメートルのピンポン球とするスケールモデルを考えます。このモデルの縮尺は350億分の1です。世界地図の縮尺でも1億分の1程度ですから、桁違いの縮尺で縮めていることに注意してください。

 このスケールモデルで、地球の大きさはどれぐらいになるとお思いでしょうか。地球は太陽のだいたい100分の1なので、0.4ミリメートルになります。0.4ミリメートルというと、見えるか見えないかくらいの砂粒程度です。

 それでは次に、その砂粒(地球)がピンポン球(太陽)からどれだけの距離のところを回っているでしょうか。つまり、地球の軌道半径である1天文単位はどれぐらいになるとお思いでしょうか。

 それは4メートルなのです。ですから、正しいスケールモデルでは、直径4センチメートルのピンポン球(太陽)がある...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(1)日本の住宅の実態と問題点
なぜ日本は夏暑く、冬寒いのか…断熱から考える住宅の問題
前真之
五島列島沖合の海没処分潜水艦群調査(1)目的と潜水艦史
海底に突き刺さる旧日本海軍の潜水艦「伊58」を特定!
浦環
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治

人気の講義ランキングTOP10
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?
小和田哲男
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
日本の財政と金融問題の現状(1)財政赤字の何が問題か
日本の財政は本当に悪いのか?将来世代と金利の問題に迫る
木下康司
心と感情の進化(1)そもそも「心と感情」とは何なのか
「心と感情」とは何か、行動生態学から考える大事な問題
長谷川眞理子