いま求められる「教養」とは
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「課題オリエンテッド」でつくり上げていく人材が大事
いま求められる「教養」とは(3)教育と人材登用
教養のためには、専門性という「土台」をつくり、他分野の人とコミュニケーションをとり「土台を耕す」ことが肝心である。そのためには、好奇心と「聞く力」が必要になる。では、そのような人材に育てる教育はどうあるべきなのだろうか。(全4話中第3話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:12分43秒
収録日:2019年7月10日
追加日:2019年9月23日
カテゴリー:
≪全文≫

●同じ型で育つ現代、型が多数あった江戸


―― 先生のすごさって、日本の経済学者で、ブラジルのハイパーインフレをまさにその場所にいらして見ていましたし、シンガポールに行った時にもほぼ独学でやった、ということで、通常日本で東大教授を作るロールモデルとはまるで別のモデルでやっているところです。そういう意味では、いろんな視点から、日本を見ているし、日本の教育を見ているから、貴重ですよね。

 それを、東大の伊藤(元重)先生のすごさって、当時もぐりの学生だった柳川先生が、一番前でいろいろと質問しに来るということで、この人はものすごく面白い人なんじゃないか、と思って、東大生じゃないけど、自分のゼミ生に混ぜてしまう、というところです。それはある種、伊藤元重先生の私塾ですよね。

柳川 本当にそうですよね。その時はある意味で学生でもなんでもなかったわけですので、ゼミに入れていただいたっていうのは、まさに私塾であって、他の学生もいたわけですけど、僕と伊藤先生の関係でいけば、プライベートにいろいろ教えていただいたというわけですね。

―― 今、中学受験から始まって同じ歯型で、優秀な人をつくっていく、エリートをつくっていく、という仕組みだけれども、その歯型で育っている限りは、上下10パーセントくらいであんまり変わらないと思うんですよね。歯型が一つだから。だけど江戸時代って、それぞれ私塾があったし、藩校もあったし、歯型がいっぱいあるから、260年ほど続いた徳川の江戸がなくなったときに、違う歯型で育った人がいたんで、リーダーってつくりやすいですよね。

柳川 そうですね。おっしゃる通りで、やっぱりそこのところは、「結果として」ですけど、かなり多様性のある人材が生まれてきていたんだろうな、と思います。だから、繰り返しなんですけど、日本は、結局のところ、ずっと「キャッチアップ型の教育」で、ある程度特定化された「こういう人材を育てるんだ」、「この型にはまった人材を大量生産をする」ということのためにシステムが作り上げられてきていて、それは「その型だけが必要だった」「大量にそういう人材が輩出されればいい」時代には、すごくフィットしたわけなんですけど。

 こういう時代になってくると、もっと多様性が必要だし、場合によっては、僕みたいに全然違う突拍子もないところで、というような人材もどっかで必要とさ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
北欧神話の基本を知る(1)世界でもっとも悲観的な神話
世界滅亡を予言!?人類史上もっとも悲観的な北欧神話とは
鎌田東二
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介

人気の講義ランキングTOP10
内側から見たアメリカと日本(5)ヒラリーの無念と日米の半導体問題
大統領選が10年早かったら…全盛期のヒラリーはすごすぎた
島田晴雄
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
日本の財政と金融問題の現状(1)財政赤字の何が問題か
日本の財政は本当に悪いのか?将来世代と金利の問題に迫る
木下康司
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二