科学的思考はなぜ大切か
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
高純度のレアメタル精製の基礎を作ったのは錬金術師
科学的思考はなぜ大切か(5)錬金術師と現代科学
岡部徹氏は自らを「錬金術師の末裔」と呼ぶ。また、万有引力で知られるアイザック・ニュートンも錬金術師だったという。自然科学の巨匠と錬金術との関係は何なのか。古今東西、人間が魅了されている「金」はどのようなプロセスで作られているのか。学問としての錬金術について解説する。(全5話中第5話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:13分25秒
収録日:2019年8月30日
追加日:2019年10月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●蒸留などの基礎科学を完成させた錬金術師


岡部 面白いことに、昔の錬金術師は、熱力学的な知識はありませんでした。錬金術師はそういった知識がまったくなかったのに、こういうこと(前回までお話してきたこと)を知っているのですね。蒸留などは、紀元前じゃないですか。

 いろんな状態図とか、蒸気圧とか、熱力学の知識がなくても、お酒を温めたあとで冷やしたら、おいしいお酒ができるとか、しかもそれは日持ちするとか、そういうことをみんな知っていたのですね。

―― 熱意だけでやっていたわけですか。原理原則は分かっていないけど…。

岡部 経験とトライ&エラーです。蒸留という手法を、お酒を含め完全に完成させたのは、おそらく中世の錬金術師でしょうね。


●レアメタル精製の研究者は錬金術師の末裔


岡部 もちろん太古の昔から手法としてはやっていますけど。僕たちは錬金術師の末裔として、工業用に使われる高純度のレアメタルの精製などをやっています。

―― 先生は錬金術師の末裔なのですね。

岡部 そうです。チタンの錬金術師です。

―― それは面白い話ですね。錬金術師がいなければ、ブランデーはできなかったわけですね。

岡部 できなかったわけです。そういう学問も、どうしてこうなるのか、ということも分からなかった。

―― やっぱり熱意って大事ですね。濃いウィスキーを作りたい、ブランデーを飲みたい、と。

岡部 他にも、飲むだけでなく、日持ちについても、ですね。保存食になります(長期保存できる)から。

―― 確かにそうですね。濁酒(どぶろく)じゃダメだけど、蒸留酒は保存食になる(長期保存できる)のですね。

岡部 これは大きいです。

―― それはすごいですね。錬金術師って大事な仕事をする人たちですね。

岡部 大事です。面白いのは、ヨーロッパとかに旅行していたら、チーズとか、ワインとか、パンとか、ハムとか、ベーコンとかいろいろあるじゃないですか。あれはどの組み合わせも全部おいしいですよね。あれはある意味では、おいしいものを作っているというだけではなくて、いざとなったら籠城できるように城の中に蓄えておける保存食なのです。

―― なるほど、面白いですね。

岡部 見事ですよね。そういうものを学問が完成する前から、みんな作ってやっています。それこそ、塩をまわりにふっておいたら、細菌が中に入ってこな...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
知能と進化(1)知性と身体性
AI、ディープラーニングとは…知能と身体性は不可分か?
長谷川眞理子
水から考える「持続可能」な未来(1)気候変動の現在地
最悪10メートル以上海面上昇…将来に禍根残す温暖化の影響
沖大幹
心と感情の進化(1)そもそも「心と感情」とは何なのか
「心と感情」とは何か、行動生態学から考える大事な問題
長谷川眞理子
社会はAIでいかに読み解けるのか(1)経済学理論の役割
AIやディープラーニングによって社会分析の方法が変わる
柳川範之
巨大地震予知の現在地と私たちにできること(1)地震予知研究と前兆すべり
地震予知に挑む!確かな前兆現象を捉える画期的手法とは
梅野健

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(34)『オデュッセイア』の秘密と愉しみ
【10min解説】大ヒット映画『オデュッセイア』がもっと楽しくなる神話講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(2)高齢者総合機能評価とフレイル
“マッチョな老衰”はいない!?若い頃からいかに骨格筋肉量を蓄えるかが健康長寿の鍵
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(5)東洋的リーダーシップ
『貞観政要』が人気…日本の経営幹部研修で好まれる理由
三谷宏治
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
日本の財政の真実を検証する(1)膨らむ借金の知られざる実態
日本の財政の「真実」をデータで徹底検証…国際機関の分析は?
宮本弘曉
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
「怒り」の仕組みと感情のコントロール(1)「キレる高齢者」の正体
「キレやすい」の正体とは?…ヒトの「怒り」の本質に迫る
川合伸幸