科学的思考はなぜ大切か
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科学的思考はなぜ大切か(2)サイエンスの見方
科学と技術
対談 | 岡部徹神藏孝之
一般家庭の冷蔵庫で作られる「白い氷」と、氷屋などで売られている「透明な氷」。この2つの違いは何か。また、「透明な氷」はどのような手法で作ることができるのか。その方法を解説しながら、サイエンスの見方、すなわち科学的思考の重要性、について説く。(全5話中第2話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:12分49秒
収録日:2019年8月30日
追加日:2019年9月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●透明な氷の作り方を科学してみる


岡部 ここからは、理解度、科学的教養が試される本番になっています。

―― すごく得した気分です。先生に教えてもらうと。

岡部 次のネタです。今度は、「透明な氷の作り方を科学する」。これ、いきましょう。

 一般的な、家庭の氷は濁って白い。神藏家の氷は、おそらく大きくて透明で、お酒をロックで飲みたくなる。事実ですか。

―― いや、それは事実じゃないですね。透明な氷は買ってきますね。

岡部 神藏家にある氷は買ってきた透明な氷で、それでロックを飲めると。僕はロックでも、白くて不透明な氷でしょっちゅう飲んでいるのですが。それでは、透明な氷を作るには、どうしたらいいのか。今日はネタとして考えてきました。

 ここからが質問です。透明な氷を作るには?いろんな方法が考えられます。

1番、一度水を沸騰させてから凍らせる。
2番、超高純度の水を凍らせる。
3番、一方からゆっくり冷やす。
4番、その他。

 コンビニで買ってくるのはその他に入ります。

―― 軽井沢の氷を切り出して、カキ氷を作る氷は、最初から透明ですよね。

岡部 あれはそうですよね。氷屋のは本当に塊の氷ですよね。

―― あれを取り出してきますよね。それからすると、3番ですかね。

岡部 正解です。まさに3番です。しかも、おそらく不純物がまったくない氷、超高純度の水を凍らせても透明になります。ただ、ガス成分がなければ、おいしくないですよね。ミネラルが入っていない。

―― ミネラルが入っていないとおいしくないのですね。

岡部 では、1番はどうですか。一度水を沸騰させてから凍らせる。これは、効きますかね。

―― これも、あることはあるとは思いますけど、軽井沢の氷屋はこれはやっていないかと。

岡部 エネルギーがかかりますしね。まさに、それです。だから一番、経済的な合理性があるのは、3番です。ただ、この場合、透明なだけで、他の不純物が入っているかもしれない。逆にいうと、溶けたときにおいしい水かもしれない。

―― 不純物が入っているかもしれないし、おいしいかもしれない。


●水と空気の「状態図」を理解すれば透明な氷は作れる


岡部 そのあたりの差ですね。今、僕が僭越ながら神蔵さんに問うた質問は、一度水を沸騰させるのも正解だし、超高純度の水を使うの...

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