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科学的思考とは「なぜ?」を追求していくこと

科学的思考はなぜ大切か(1)「状態図」という概念

対談 | 岡部徹神藏孝之
情報・テキスト
松下幸之助は著書『道をひらく』の中で「なぜ」を繰り返し、科学的思考に着目することの重要性を説いている。そこで、岡部徹氏の用意した「水と塩を混ぜたらどうなるのか」「透明な氷を作るにはどうしたらよいか」などの問いに対して、科学的思考を働かせながら考えてみた。そこで大事なのは状態図などの科学的な概念だという。(全5話中第1話)
※インタビュアー:神藏孝之(10MTVオピニオン論説主幹)
時間:13:16
収録日:2019/08/30
追加日:2019/09/27
キーワード:
≪全文≫

●松下幸之助も着目した科学的思考


―― 先生、松下幸之助の『道をひらく』という本の中にこんな文章があります。

 これは、科学的思考といえるでしょうか。

岡部 まさにその通りです。「なぜ?」、その原理、その背景にあるものを追求していく。ただ、大人になるとやらなくなるのですよね。

―― はい。ではその次の文章に進みます。

 これって、科学的思考でいいですよね。

岡部 まさにそうです。今日は、「なぜ」ネタでいきましょう。

―― 是非。


●氷と塩を混ぜたらどうなる?


岡部 例えば、氷と塩を混ぜたらどうなるか。

―― 氷と塩を混ぜたらどうなるか。

岡部 考えられることはありますか。何が起こりますか。

―― 塩を混ぜると冷たさが少し持続すると思います。

岡部 なぜですか。

―― 全く分からないですね。氷枕に氷を入れて水を入れて塩を入れる、そうすると長持ちすると。

岡部 冷たくなりますね。まさにそれです。それはなぜでしょう。それを考えられたことはありますか。おそらく子どもは、氷と塩を混ぜたら、氷枕が冷たくなるとか、持続する、というのをお母さんに「なぜ」と聞くんですね。

―― なるほど。そうか、僕は「なぜ」と聞くことが全くなかったですね。


●透明な氷を作るにはどうしたらよいか


岡部 今日はそんな話をしようかなと思います。あともう一つ、用意しているものがあります。僕たちはお酒を飲む機会がありますね。透明な氷を作るにはどうしたらいいか。僕たちがバーで飲むときは、すごく綺麗な透明なロックアイスです。かたや僕は自宅で暑かったら、フリーザーから氷を取り出しますが、白くて濁った氷です。あれはなぜですか。

―― 不純物が入っていると白くなるのですか。

岡部 不純物とは何ですか。

―― 不純物って何なのかな。冷蔵庫の氷は白いですよね。バーで飲む氷は真っ白(透明)ですよね。軽井沢でとってきてもらった氷も真っ白(透明)ですよね。

岡部 なぜですか。これも今日、ネタとして持ってきました。


●高濃度のアルコールを作るためにはどうしたらよいか


岡部 あと、僕たちは、今日はワインでいくか、ブランデーでいくか、ビールでいくか、ウィスキーでいくか、と考えます。それぞれアルコール度数が違うじゃないですか。高濃度のアルコールを作るには、どうしたらいいか。これはどうですか。

―― 酵母が必要で、醸造しないとダメですよね。

岡部 醸造したら、まずは醸造酒ができますよね。それは、最大でも(アルコール濃度は)20パーセントほどです。でも、今日は濃い酒がほしい、と。ブランデーだ、泡盛だ、焼酎、いやウィスキーだとなったとき、どうしたらいいか。

―― 何回もこすんですかね。

岡部 こしますか。

―― どうやったらいいのですか。

岡部 茹でるんですね。蒸留酒です。では、なぜ茹でたら(アルコール濃度が)濃くなるのでしょうか。

―― 水分が飛ぶからですかね。それとも無駄なものが飛ぶからですかね。

岡部 無駄なものが飛ぶのか、アルコールが飛ぶのか、どっちかですね。そのあたりのことをお話をしようと思います。時間があれば、例えば塩水から純水を作るにはどうしたらいいか、ということを今日、お話のネタとして持ってきました。

―― ありがとうございます。


●水、塩、アルコール、油はどれくらい溶けるのかが異なる


岡部 まず基本的なことですが、ここに資料があります。

 水、塩、アルコール、ついでに油を用意しました。これらを混ぜるとどうなるかという話です。また、混ぜたものをどうやって分離させるか。そういうことを、今日サイエンスしようと思っています。その前にいろいろ質問して、理解度チェックもやりますけども、そんな失礼が許されるのでしょうか。

―― いえいえ。とんでもないです。先生、ありがとうございます。

岡部 あと、もう一つ、常に気にしなければならないのは、水、塩、アルコールは必ず空気と共存している、ということです。場合によっては、水蒸気とも共存しています。ここらへんが大事なポイントです。

 例えば、ご存じでしょうけど、水というのは、必ず空気と共存しているので、(水の)中に酸素が入っていますね。水槽の中の金魚が生きているのは、水を食べて生きているのではなく、(水に溶けた)酸素を吸って生きています。

―― そうか、水の中の酸素を吸っていますね。

岡部 水槽の中で金魚がずっと生きているというのは、水の中には酸素がありますから。そういう前提があります。あともう一つ、水の中に塩を入れると、...
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