中国、驚異の情報革命
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ファーウェイとはどんな会社?なぜ短期間で世界トップに?
中国、驚異の情報革命(3)ファーウェイ発展の歴史
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
強力な国家戦略があるなか、実質的に中国の情報革命を推進してきたのは、意欲的な企業の数々である。その最も顕著な例として、今回から2話に分けて「ファーウェイ」(華為技術社)を取り上げる。任正非氏がほとんど「裸一貫」と呼んでもいい状況のなか1987年に創業して以来、今日までのファーウェイをどのように成長・発展させてきたのか。その発展史を概略することは、21世紀の道標になろう。(全7話中第3話)
時間:13分04秒
収録日:2019年11月11日
追加日:2019年12月8日
カテゴリー:
≪全文≫

●「わが国のために頑張る」という世界最大手の通信機器メーカー


 前回お話ししたような政府の方針があるとはいえ、実はそれ以前から中国には、たいへん意欲的な企業がたくさん出始めていて、経済を引っ張っています。政府は、それらの企業の発展を横や後ろから見ながら応援するというスタンスです。

 今回は、それらの企業のなかでも最も重要な企業として、世界最強ともいえる最大手で通信機器メーカーとして知られる「華為」について、皆さんと一緒に学べるよう、語りたいと思います。日本ではカタカナで「ファーウェイ」と記されていますが、中国読みでは「ファーウェイ」ではなく「ホワウェイ」です。「ホワ」が中華の「華」、「ウェイ」が「為」の字。つまり「わが国のために頑張る」という意味の名前を付けた会社です。

 この会社は、歴史的にはわずか30年ほどですが、世界のトップに立ちました。情報化のためのインフラである通信機器から、基地局、端末に至るまで、世界最強の企業です。19万人の従業員を擁し、うち8万人までが開発研究者です。売上は11兆円を超え、まさに「世界最強のイノベーション・カンパニー」といわれています。

 私はたまたまこの企業を訪ね、中身をじっくり見学させていただいたことがあります。また、企業の幹部の方と何回も話をして、ある程度の理解に至りました。その体験も踏まえて、皆さんにご紹介していきたいと思います。


●創業者任正非氏のプレ・ヒストリー


 まずは1987年に創業して、今日まで32年の歴史をざっと振り返ってみたいと思います。

 創業者は任正非(にんせいひ、レンツェンフェイ)氏です。1944年に貴州省安順市に生まれました。とても貧しい地域です。両親は学校教師でしたが、7人の子どもを学校に通わせるため、食事も満足にできない状態でした。そんな少年時代を過ごしたようですが、1963年に高校を卒業して、重慶建築工程学院(現・重慶大学)に進みました。

 ところが1966年に、皆さんご存じの文化大革命が起きます。文化大革命では、教育者が最初の標的だったようです。真面目な教師だった両親は、インテリということで「牛小屋」(反革命派を収容する牢獄)に投獄されます。両親は革命を支持していたにもかかわらず、教師だという経歴だけで理解されず、思想改造追及に遭います。三角帽を被せられて牢獄で吊し上げられ、10年間、悲惨な生活を...

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