中国、驚異の情報革命
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
アリババがネット通販で世界最大手の企業へ成長した理由
中国、驚異の情報革命(5)アリババ創業の苦闘と馬雲
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
アリババは、ウォルマートが半世紀かけて到達した売上にわずか10年ちょっとで達した驚異のEC事業者であり、マルチ・プラットフォーム企業である。創業者の馬雲(ジャック・マー)氏は苦闘の連続から「タオバオ」「アリペイ」を中国全土に普及させ、今「ユエバオ」でさらなる発展に拍車をかけている。(全7話中第5話)
時間:6分19秒
収録日:2019年11月11日
追加日:2019年12月22日
カテゴリー:
≪全文≫

●わずか10年ほどでネット通販の取引総額が50兆円超えに


 前回と前々回ではファーウェイにだいぶ時間を費やしましたが、今回は有名なアリババ(阿里巴巴)について申し上げたいと思います。アリババは世界最大級のマルチ・プラットフォーム企業として、あらゆるサービスを提供しています。

 アリババのネット通販の取引総額は、2016年で3兆元(約51兆円)。ウォルマートが半世紀かかった道のりを、アリババはわずか13年で成し遂げています。とはいえ、スタートから大変な苦労の連続だったようです。

 アリババ集団を興したのは馬雲(ジャック・マー)という人で、かつては浙江省杭州市の高校教師でした。当初は企業間電子商取引(eコマース)をスタートさせたのですが、2000年にネットバブルが崩壊したので倒産の危機に陥っています。この時に彼はタオバオ(淘宝)・アリペイ(支付宝、ALIPAY)の仕組みを開発し、命脈を保ったと言われています。

 当時は、eBayとたいへんな勝負を戦いました。その頃の中国はクレジットカードの普及率が低く、決済の成功率も低い、相当厳しい市場でした。馬氏は、ネット決済には中国独自の課題があると見て、eBayのようなわけにはいかないことに、早くから気づきました。

 彼は、アメリカでPayPalが行っていた「エスクロー(第三者預託サービス)」を中国で最初に導入します。買い手が代金をアリペイの口座に預託する。送付商品を確認して問題がなければアリペイに支払いが指示される。そこで初めて売り手に代金が支払われる。こういう流れで、売り手も買い手も不安がなくなるシステムです。

 しかし、金融サービスの許認可のない民間企業が決済サービスを行うのは前例がなく、法律にも規定がありません。だから、いつ逮捕されるか分からない。馬氏は「問題が起きれば、僕が刑務所に行くから、開発を進めろ」と言ったらしい。相当な度胸です。


●eBayとの激闘を超えて前例のない決済サービスを普及


 2004年にアリペイ・アカウントシステムが杭州で初めて誕生します。これを促進させるために「全額補償キャンペーン」などを実施して、利用者の不安をなくします。全てのリスクは全部アリペイが負うということで、タオバオの利用者、アリペイによる決済は急激に増えます。また、手数料を無料化し、eBayとの差別化にも成功します。

 こうしてアリペイはeBayとの激しい競争...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
東秀敏
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎
緊急提言・社会保障改革(1)国民負担の軽減は実現するか
国民医療費の膨張と現役世代の巨額の「負担」
猪瀬直樹
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(7)ポグロムとホロコースト
歴史の中のユダヤ人大量虐殺…ポグロムとホロコーストの違い
鶴見太郎
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(3)稲作社会と頑張る日本人
ダメなのは「頑張りが足らない」から…うつを招く稲作的発想
與那覇潤
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
明治維新から学ぶもの~改革への道(3)明治天皇と五箇条の御誓文
国是として現在も生きる明治天皇「五箇条の御誓文」の影響
島田晴雄
こどもと学ぶ戦争と平和(6)平和な社会を守るために
チャーチルの名著『第二次世界大戦』に学ぶ真の平和への道
小原雅博
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将