中国、驚異の情報革命
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
鄧小平の時代から中国のマクロ経済はどう変化してきたのか
中国、驚異の情報革命(2)新常態経済と国家戦略
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
中国における情報経済躍進の背景には、マクロ経済の変化がある。鄧小平の時代に高度成長を続けた中国は、経済成長率に陰りが見えるや否や「新常態経済」への移行とイノベーション重視を国策に掲げ、その促進を進めてきた。中国の強みは、国が強力に指針を示し、それに国民が一斉に従う点にあるだろう。(全7話中第2話)
時間:10分29秒
収録日:2019年11月11日
追加日:2019年12月1日
カテゴリー:
≪全文≫

●「改革解放」の成功と中国の高度成長


 中国における情報経済躍進の背景として、今回は皆さんと一緒に、中国のマクロ経済がどのように変化してきたかをかいつまんで振り返ってみたいと思います。

 中国経済は、鄧小平の時代から、平均年率経済成長率9.6パーセントという大変な高度成長を約30年続けました。鄧小平が「改革解放」を始めた頃、中国の世界経済におけるシェアは3パーセント程度だったのが、その完成時には15パーセントに達する勢いでした。

 2011年以降、経済成長率はだんだん下がっています。2011~14年は実質7.8パーセント、2015年は実質6.9パーセント、2019年には5.8パーセントになるとIMFは予測しています。これは米中貿易摩擦の影響があるわけですが、そうした特殊要因を別にしても成長率は低下趨勢で、2024年には5パーセント台になると予測されています。

 しかし、このように経済成長率が低下してくること自体は、たいした問題ではありません。なぜなら、中国は今、経済が歴史的大転換期にあるからです。そして、次の二つのチャレンジに同時に直面しているわけです。一つは中進国として「先進国になれるかどうか」のディレンマ、もう一つは先進国の現象として人口減少が進み社会が成熟化しつつあることに対するものです。


●「新常態経済」の提唱と移行


 鄧小平の時代、中国は低賃金労働、外資で技術を導入し、競争力を高めて輸出をして成長するという途上国の典型的な発展パターンを取りました。そのおかげで中国は30年間、10パーセント近い成長を続け、世界での存在を非常に大きくしたわけです。

 その後、賃金コストが上昇します。5~6年で倍増という、大変な上昇ぶりです。これを克服するには、産業構造を近代化させないと克服できない。しかも、それは借り物の技術ではなく、自前でイノベーションしなくてはいけない。イノベーションできるかどうかが、中国が今後成長していく上での非常に重要な課題になるわけです。

 そんななか、習近平主席は2014年に「新常態経済」への移行を呼びかけました。これを “New normal”と呼んだのは、アメリカのファンドマネジャーをやっている方ですが、中国では「新常態(シンチャンタイ)経済(ジンジ)」といいます。

 まず、経済成長が減速していることを認識し、受け入れよう。それに見合った経済戦略と政策を推進するのだ、ということで...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
戦争とディール~米露外交とロシア・ウクライナ戦争の行方
「武器商人」となったアメリカ…ディール至上主義は失敗!?
東秀敏
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博

人気の講義ランキングTOP10
「進化」への誤解…本当は何か?(1)進化の意味と生物学としての歴史
実は生物の「進化」とは「物事が良くなる」ことではない
長谷川眞理子
歌舞伎はスゴイ(2)市川團十郎の何がスゴイか(後編)
歌舞伎十八番を定めた七代目市川團十郎、一番モテた八代目
堀口茉純
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(6)秀吉との信頼関係と秀長の軍事能力
文武両道の名将…大大名たちを魅了した秀長の器量とは?
黒田基樹
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
「次世代地熱発電」の可能性~地熱革命が拓く未来
地熱革命が世界を変える――次世代地熱の可能性に迫る
片瀬裕文
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(6)習近平のレガシー
国力がピークアウトする中国…習近平のレガシーとは?
垂秀夫
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
「逆・タイムマシン経営論」で見抜く思考の罠(2)「400万台クラブ」という幻
「400万台クラブ」―負の歴史に学ぶ本質の見極め方
楠木建