中国、驚異の情報革命
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戦後日本の名経営者たちを彷彿させる現代中国の起業家精神
中国、驚異の情報革命(7)中国の可能性と課題
島田晴雄(慶應義塾大学名誉教授/テンミニッツ・アカデミー副座長)
中国の現状を概観すると、日本との違いが浮き彫りになる。猛烈な起業家精神と激しい企業間戦争、膨大な人口がそのまま資源になるデジタル・トランスフォーメーション、さらに国家による強力な戦略樹立と、その推進。われわれは中国の優れた点を素直に学び、注視していく時期に入ったのではないだろうか。(全7話中第7話)
時間:5分17秒
収録日:2019年11月11日
追加日:2020年1月5日
カテゴリー:
≪全文≫

●中国の起業家精神と激しい企業間競争


 さて、6回にわたって中国の変化を勉強したところで、皆さんと一緒にいくつか考えてみたいと思います。

 一つは、中国の特徴である起業家精神と激しい企業間競争についてです。華為の創始者、任生非、アリババの馬雲(ジャック・マー), テンセントの馬化騰(ポニー・マー)。この人たちに共通するのは、自立心の強い起業家精神です。これは敗戦後、日本の焼け野原から立ち上がった松下電器の松下幸之助、Sonyの井深大、ホンダの本田宗一郎、そしてすでに確立していた織機を脱却して自動車をめざして命を落としていった豊田喜一郎らを彷彿させます。

 もう一つの企業間競争の激しさも、特に注目です。華為は、国家の支持と支援を受ける国有企業との熾烈な戦いのなかから生き残って浮上しました。アリババとテンセントをめぐるモバイル決済事業の激しい戦いは、どちらが死ぬかという戦いでした。また、滴滴出行とUberの戦いも大変です。これらは枚挙にいとまがありません。

 国家は、こうした民間活力を、規制するよりもむしろ横や後ろで見ていて、後で利用するということのようです。世界の一部では、よくこれらの企業について「国家主導で、国家の支援を受け、共産党の支援で成長したのではないか」という批判がありますが、今回の話をしっかり聞かれた皆さんには、それが全く的外れであることがお分かりになると思います。政府はむしろこうした民間活力を事後的に利用してきたと言えると思うのです。


●デジタル革命の潮流に乗る中国のデジタル・トランスフォーメーション


 もう一つは、中国のデジタル・トランスフォーメーションについてです。創造的な企業群を追って次のベンチャー企業群がどんどん生まれており、ユニコーン企業が陸続と成長しています。彼らは中国全体のデジタル革命の潮流に乗っています。

 中国にはおよそ14億人という巨大な人口があります。それは、超ビッグデータを生む基盤です。この点、中国は他の諸国を全く圧倒しています。ビッグデータはディープラーニングを可能にし、AIによるその分析から次のイノベーションや新産業が発芽するからです。

 そうしたビッグデータの有利性をあますところなく利用して、多くのプラットフォーム企業が多様なサービスを繰り広げ、それがデータ革命をさらに促進するという循環が起きているということを、...

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