「中国の大問題」について
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
権力構造を清掃中! 第2次習近平体制に残るのは誰?
「中国の大問題」について(3)第2次習近平体制に向けて
丹羽宇一郎(元中華人民共和国駐箚特命全権大使)
国家主席としての習近平の実力は、一体どのようなものか。今後、習近平体制は何を実施し、どのように変化していくのか。習近平に直接何度も会っている丹羽氏が、習近平および習近平体制の現在と将来の見通しについて明かす。(全4話中第3話目)
時間:9分35秒
収録日:2014年7月28日
追加日:2014年9月17日
カテゴリー:
≪全文≫

●習近平には国を治めるだけの良識や指導力がある


―― 丹羽前中国大使は、伊藤忠商事の時代も含めて、習近平に何度も直接会われ、「両国は住所変更できない間柄です」と言い交されている仲です。日本人で、習近平に直接会われた方は他にほとんどいません。習近平について、先生はどのようなイメージをお持ちでしょうか。

丹羽 習近平さんはまっとうな人です。国を治めるには、中国14億人の中で頭の出来がナンバーワンでなければならないわけではありません。習近平より頭の良い人は他にもいるでしょう。ですが、彼は国を治めるだけの良識や指導力を持っています。だから、その下に、李克強をはじめとした、非常に頭の良い有能な人材を置けばよいのではないでしょうか。

―― 習近平は、文革で下放されています。また、お父さんは毛沢東の4大将軍の一人・習仲勲で、毛沢東の怖さもすごさも知っていた人です。自分も父親も苦しい目に遭っていて、父親からも当時の話を聞いてないはずがありません。ですから、ただの太子党の人とは違います。さらに、福建省長の時代に出世の遅れた習近平を2000人くらいの華僑が助けに来ました。それは祖父が華僑だったからかどうかは分かりませんけれども、国を治めるという意味では、類まれなる逸材が出たのではないかと思うのですが。

丹羽 偉くなると、皆そのように言うけれど、失敗すれば「あれは大したことない」と言うでしょう。運良く偉くなれば、その人の全部が良くなってしまう。しかし、人間なんてものはそうではないのです。皆同じようなものです。妬み、やっかみ、ひがみもあるし、寒いときは暖房が欲しいし、暑くなれば冷房が欲しい、お腹が空いたら食べたい。習近平も一緒です。

 問題は、国を思う気持ちがどれだけあるか。そして、自分の部下、下で働いている人たちのことをどれだけ考えられるか。また、部下たちがどれだけアイデアを吸収し、それを実行に移していけるか。人をまとめて動かしていく力をどれだけ持っているかが勝負です。

 習近平一人では何もできません。だから、彼がいろいろなアイデアを吸収して、それを部下に適切に表していき、また部下を要所要所に配置しなくてはならない。そのような力は多分あるのではないでしょうか。そこが彼の強みでしょう。


●第2次習近平体制までに、少しきれいにしなくては


―― 2017年に、今のチャイナ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
中国の「なぜ」(1)なぜ「中国は一つの国なのか」
武力で負けても文化で勝つ? 恐るべし「中原」の同化力
石川好
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2025(30)西野精治先生に学ぶ「熟睡の習慣」
熟睡できる習慣や環境は?西野精治先生に学ぶ眠りの本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
プロジェクトマネジメントの基本(4)スケジュール・マネジメント
スケジュール管理で重要な「クリティカル・パス法」とは
大塚有希子
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
西野精治
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫