佐久間象山に学ぶ
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佐久間象山から学ぶべき最重要キーワードは「先憂後楽」
佐久間象山に学ぶ(4)「先憂後楽」と人材育成
吉田松陰をはじめ多くの人材を育てた佐久間象山。彼から学ばなければいけない一番のキーワードは「先憂後楽」で、政治に携わる者や国家を運営する者にとって大切な資質はそこにあると、田口佳史氏は言う。なぜ「先憂後楽」が重要なのか。(全5話中第4話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツTV論説主幹)
時間:10分20秒
収録日:2020年1月24日
追加日:2020年3月25日
≪全文≫

●『海防八策』を書いた佐久間象山の危機感


―― 佐久間象山はものすごい弟子を育てたし、感化力もあったのですね。

田口 そうなんです。彼は本質を非常によく心得ていたので、短期間で一番重要なこと、つまり核となるべきものを教えることができたのでしょう。

 そして、彼はなんでも自分でやりました。そこから、「これはこうやって教えた方が良い」といった教え方を学びました。自分が習得することで、習得の方法が分かったのです。自分でやっているからです。

―― そこは苦労して見つけたからでしょう。

田口 だから非常に生きた教育をやっていたのです。そういうところがすごいのです。その根本には、このままでは日本が西洋列強に利用されてしまい、悲惨な状況になってしまうという危機感があったということです。そのため、1840~1842年のアヘン戦争の時に、彼は『海防八策』という意見書を建白しました。ペリーが来る10年ほど前のことです。彼はそのことを予測して、「このように(黒船が)来る。だから、こうしたことをしなければダメなんだ」と言って建策をしたのです。

 さらに彼は、その後も相変わらず続く危機感について、川路聖謨などに「ここはこうやらなきゃいけない」などと言って、『急務十条』などをどんどん建策していきました。これらは、明治近代国家が範として求めたものでした。

 1904年に日露戦争があり、1905年にはポーツマス条約が結ばれましたが、日露戦争はなぜ勝ったのかといえば、海軍です。海軍がどうあるべきなのかということについては、日露戦争よりもかなり前、佐久間が「こうあるべきだ」というものを建策していたのです。


●「先憂後楽」の資質を持っている人間がもっと出てこないと駄目だ


田口 私が考えている佐久間から学ばなければいけない一番のキーワードは、「先憂後楽」です。

 「先憂」とは、「民に先んじて憂う」ということです。政治に携わる人間や、国家を運営する人間にとっての一番大切な資質は、「先憂」にある、と。要するに、誰もがまだ心配しないことを心配し、ちゃんと手を打っておくことが重要だというのです。さらに「後楽」ですが、後楽園の「後楽」です。これは、民が「良かった、良かった、もう安心だ」といっても安心せず、その後もしばらく注意深く見て、「もう、これで大丈夫だな」と思ってから、1人楽しむべきだという考え方です。...

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