2050年の世界を考える―プラチナ条件
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
君たちの時代、2050年にはどうなっているか
第2話へ進む
豊かな海山が循環する生態系へ!四日市市の成功事例に学ぶ
2050年の世界を考える―プラチナ条件(1)美しい生態系
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
2014年8月3日開催「プラチナ未来人財育成塾@会津」におけるプラチナ構想ネットワーク会長・小宮山宏氏講演「2050年の世界を考える」を収録。次の世代を担う中学生たちに向けて、小宮山氏が熱く語りかける。(全17話中第8話目)
時間:2分51秒
収録日:2014年8月3日
追加日:2014年10月2日
≪全文≫

●「量から質へ」のかけ声で、安易に思考を停止しない


 それでは、僕たちが今欲しい「質」とは何でしょうか。「量から質へ」という言葉は、結構言ったり聞いたりしますが、ほとんどの人はそこで思考を停止しています。「量から質だ」「あ、そうだ、そうだ」などと言っているわけです。

 ここは突き詰めて考えないと駄目でしょう。そこで、どのように突き詰めるのかについて、少しだけ言いましょう。

 これもやはり日本で、四日市の1950年代と現在です。回復できて本当によかったです。しかし、今の中国の人たちは、この左の写真のような所に住んでいるわけです。ですから、どうやって左のような状態から右のように持ってくることかできたのかが聞きたい。日本に対して非常に期待があるわけで、僕の所へも随分聞きに来る人がいます。


●土砂崩れが増えたのは、森林が密林に変貌したからだ


 しかし僕は、日本が環境問題を完全に解決したとは、思っていません。なぜならば、会津がどうかは分かりませんが、多分同じだろうと思うのが「土砂崩れ」の話題です。最近、ものすごく増えていませんか。雨が降ると、土砂崩れの災害が起こる。しかし昔は、こんなに土砂崩れは起きませんでした。

 どうしてそんなに起きるようになってきたかというと、山の手入れをしないからです。日本の林業はほとんど崩壊状態にあり、山に人が入らなくなりました。そのように山を放置して自然に任せると、森林は密林になってしまいます。木が密集すると、日光が地表まで届かなくなり、根が弱くなります。その結果、土壌はゆるみます。こうなると、大雨がバッと降ると、ドドッと土砂崩れが起こるのです。つまり、今の日本は森を維持していない国なのです。


●豊かな海山が循環する生態系へ、「質」上げを図ろう


 しかし、この森をきちんと維持するようにすると、山がよみがえって、林業が復活します。そして、山がよみがえると、実は海がよみがえります。「海は山の恋人、山は海の恋人」とも言われますが、それは、山から川が流れることで海の栄養分が供給されるという循環の話です。循環が復活すると、山もよくなり、海も豊かになるのです。

 日本の環境はきれいにはなりましたが、このような意味ではまだまだです。きれいにはなったけれども、もっと本当の意味で美しい生態系をつくりたいと思いませんか。これは非常に大きな...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
レアメタルの光と影(1)イントロ
イノベーションがレアメタルをコモンメタルにする
岡部徹
性はなぜあるのか~進化生物学から見たLGBT(1)有性生殖と無性生殖
なぜ雄と雌の2つの性別があるのか…「性」の謎とLGBT
長谷川眞理子
ブラックホールとは何か(1)私たちが住む銀河系
太陽系は銀河系の中で塵のように小さな存在でしかない
岡朋治
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
生成AI・大規模言語モデルのしくみ(1)生成AIとは何か
10年で劇的な進歩を遂げた生成AIと日本の開発事情
岡野原大輔

人気の講義ランキングTOP10
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
プロジェクトマネジメントの基本(10)大脳生理学によるモチベーション理論
論理的?計画的?社交的?冒険的?利き脳による4タイプ
大塚有希子
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(5)AIに記号接地は可能か
人間とAIの本質的な違いは?記号接地から迫る理解の本質
今井むつみ
これから必要な人材と人材教育とは?(2)AI時代に必要とされる能力
AI時代に必要なのは「問いを立てる能力」…いかに育成するか
柳川範之
平和の追求~哲学者たちの構想(4)ルソーが考える平和と自由
ルソーの「コスモポリタニズム批判」…分権的連邦国家構想
川出良枝
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
逆境に対峙する哲学(9)先人の知恵という友
本居宣長も白隠もハイデガーも友となる――大切なのは?
津崎良典
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
聖徳太子「十七条憲法」を読む(1)十七条憲法を学ぶ現代的意義
聖徳太子の「和」は議論の重視…中華帝国への独立の気概
賴住光子
こどもと学ぶ戦争と平和(2)「本当の平和」とは何か
「平和」には2つある…今の日本は本当に平和なのか?
小原雅博