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2050年の世界を考える―プラチナ条件
家の暖房で考える「無駄なエネルギー」
2050年の世界を考える―プラチナ条件(3)暖房の熱ってどこに行っているのだろう
科学と技術
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
2014年8月3日開催「プラチナ未来人財育成塾@会津」におけるプラチナ構想ネットワーク会長・小宮山宏氏講演「2050年の世界を考える」を収録。次の世代を担う中学生たちに向けて、小宮山氏が熱く語りかける。(全17話中第10話目)
時間:2分57秒
収録日:2014年8月3日
追加日:2014年10月4日
収録日:2014年8月3日
追加日:2014年10月4日
カテゴリー:
≪全文≫
●家の冷暖房は、なぜいつまでも止められないのか
エネルギーについての話を続けますが、今一番エネルギーを使っているのは自動車と家庭なのです。家庭のエネルギー消費で一番多いのは冷房や暖房、冷暖房です。これが一番エネルギー消費として大きいので、暖房の話を少し考えてみましょう。
部屋が寒いときに暖房をします。ですから、ここに熱を入れるわけです。やがて暖まり始め、10分もしたら家は暖まりますね。しかし、なぜその後もまだ熱を入れていくのでしょう。もう暖まっているのに、ゆでダコになると思いませんか? 石油ヒーターだったりエアコンだったりいろいろですが、なぜいつまでも熱を入れるのか。それは、熱が逃げていくからです。
でも、これが魔法瓶だったらどうでしょう。魔法瓶に熱を入れると、どんどん中の水の温度は上がっていくしかありません。ところが、今の家では熱を入れ続けているのに温度が上がらない。それは、同じだけ熱が逃げていくからなのです。
●室内から熱が逃げないように、2枚ガラスを採用する
ここで働いているのが「エネルギー保存則」です。熱が入ってくる。しかし、ここの温度は変わらない。そのときには、その分の熱が外に出ている。これが、今の住宅の場合で見たエネルギー保存則です。
ですから、「今、暖房をしている」「部屋の中を暖めている」と思っていますが、あれは外を暖めているのです。つまり全部無駄なわけで、無駄なエネルギーが、家庭での最大のエネルギー消費になっているわけです。
では、どうすればいいのかは、ひどく簡単です。要するに熱が逃げないようにしていくことです。一番大事なのは、窓を1枚ガラスではなく、ガラスを2枚にしていくことです。それから、他のいろいろな所の断熱をよくしていくことです。
日本ではまだ1枚ガラスの家に住んでいる人が95パーセントに上ります。この辺りでは多分もっと少ないのではないかと思いますが、1枚ガラスの家に住んでいる人は、家に帰ったらご両親に「これは、よくないこと」「変えよう」と言いましょう。
それが「教育」ということなのです。
●家の冷暖房は、なぜいつまでも止められないのか
エネルギーについての話を続けますが、今一番エネルギーを使っているのは自動車と家庭なのです。家庭のエネルギー消費で一番多いのは冷房や暖房、冷暖房です。これが一番エネルギー消費として大きいので、暖房の話を少し考えてみましょう。
部屋が寒いときに暖房をします。ですから、ここに熱を入れるわけです。やがて暖まり始め、10分もしたら家は暖まりますね。しかし、なぜその後もまだ熱を入れていくのでしょう。もう暖まっているのに、ゆでダコになると思いませんか? 石油ヒーターだったりエアコンだったりいろいろですが、なぜいつまでも熱を入れるのか。それは、熱が逃げていくからです。
でも、これが魔法瓶だったらどうでしょう。魔法瓶に熱を入れると、どんどん中の水の温度は上がっていくしかありません。ところが、今の家では熱を入れ続けているのに温度が上がらない。それは、同じだけ熱が逃げていくからなのです。
●室内から熱が逃げないように、2枚ガラスを採用する
ここで働いているのが「エネルギー保存則」です。熱が入ってくる。しかし、ここの温度は変わらない。そのときには、その分の熱が外に出ている。これが、今の住宅の場合で見たエネルギー保存則です。
ですから、「今、暖房をしている」「部屋の中を暖めている」と思っていますが、あれは外を暖めているのです。つまり全部無駄なわけで、無駄なエネルギーが、家庭での最大のエネルギー消費になっているわけです。
では、どうすればいいのかは、ひどく簡単です。要するに熱が逃げないようにしていくことです。一番大事なのは、窓を1枚ガラスではなく、ガラスを2枚にしていくことです。それから、他のいろいろな所の断熱をよくしていくことです。
日本ではまだ1枚ガラスの家に住んでいる人が95パーセントに上ります。この辺りでは多分もっと少ないのではないかと思いますが、1枚ガラスの家に住んでいる人は、家に帰ったらご両親に「これは、よくないこと」「変えよう」と言いましょう。
それが「教育」ということなのです。
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