2050年の世界を考える―プラチナ条件
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
これからは「エネルギーを生み出す家」の時代
2050年の世界を考える―プラチナ条件(4)できる!小宮山エコハウス
小宮山宏(東京大学第28代総長/株式会社三菱総合研究所 理事長/テンミニッツ・アカデミー座長)
2014年8月3日開催「プラチナ未来人財育成塾@会津」におけるプラチナ構想ネットワーク会長・小宮山宏氏講演「2050年の世界を考える」を収録。次の世代を担う中学生たちに向けて、小宮山氏が熱く語りかける。(全17話中第11話目)
時間:2分58秒
収録日:2014年8月3日
追加日:2014年10月5日
≪全文≫

●皆に知ってもらいたい、エネルギー消費削減の重要性


 世界で一番たくさん使っているエネルギーは、暖房です。その次に自動車。今までお話ししてきたように両方ともエネルギーの理論値はゼロです。そのために最大のエネルギーを使っているわけですから、これらのエネルギー消費を減らすということは、もう極めてポテンシャルが大きくて、その効果も大きい、ということです。

 それを実践したのが、僕のエコハウスなのです。僕は研究者としてエネルギーのことをずっとやってきました。それで、今、話したようなことは前から言っているのです。「エネルギー自給国家を目指そう」「そのためにやれることはいくらでもある」と、いろいろなこと言っているのだけれど、論文なんて皆、読んでくれないのです。

 それで、岩波新書で本を書いたのです。そうしたら少しは効果があるかと思って。皆、結構読んでくれたようです。10万部近く売れましたから。

 でも、10万人ぐらいが読んでくれても仕方がないのです。人口1億人強で10万人なので、100人に1人ですから。しかも、その人たちは読んでも行動はしない。読むだけです。


●これからは「エネルギーを生み出す家」の時代


 それで、僕はまず家をつくったのです。僕たちのときは、「一度は家をつくりたい」という世代です。これは君たちと違いますね。そうして、そのときに今までできなかったことをやろうと思い、こうしたことをやれば少しは世の中にも効くかと思ったのですね。このエコハウスではエネルギー消費が81パーセント減っているのです。僕はデータをずっと取っていて、エネルギー消費が81パーセントも減るということが分かりました。

 これはもう11年前に僕がつくった家だけれども、今、ハウスメーカーがつくっている家は、太陽電池で発電するエネルギーの方が、消費するエネルギーよりも大きいのです。ですから、家がエネルギーを消費するのではなくて、エネルギーを生み出す家をつくっているのです。

 ですから、こういう話をどんどん加速しなくてはいけないのです。そうすると、先ほど言ったように、エネルギー消費を55パーセントから本当は60パーセントぐらい減ると思いますが、そのぐらい減らして、エネルギーを7割以上自給する。しかも太陽電池や風力というのは、安心です。基本的に太陽エネルギーは枯渇しないエネルギーで、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
断熱から考える一年中快適で健康な住環境(1)日本の住宅の実態と問題点
なぜ日本は夏暑く、冬寒いのか…断熱から考える住宅の問題
前真之
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
海底の仕組みと地球のメカニズム(1)海底の生まれるところ
地球上の火山活動の8割を占める「中央海嶺」とは何か
沖野郷子
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
都市木造の可能性~木造ビルへの挑戦(1)木造建築の歴史と現在
伝統木造建築はいま都市で必要な建物ではない
腰原幹雄

人気の講義ランキングTOP10
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
内側から見たアメリカと日本(4)アメリカ労働史とトランプ支持層
ギャングの代わりに弁護士!? 壮絶なアメリカ労働史の変遷
島田晴雄
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(2)言葉を理解するプロセスとスキーマ
なぜ子どもは教えられても理解できないのか?鍵はスキーマ
今井むつみ
編集部ラジオ2025(28)内側から見た日米社会の実状とは
島田晴雄先生の体験談から浮かびあがるアメリカと日本
テンミニッツ・アカデミー編集部
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
徳と仏教の人生論(3)無分別知と全人格的思惟
般若とは何か――秋月龍珉からの命題を探求し到達した境地
田口佳史