●未来への提案-資源自給国家の実現
これが僕の君たちに対する提案です。国にも提案していますよ。一生懸命しています。それは、「資源の自給国家を目指そう」ということです。
「エネルギー70パーセント」というのは今、お話しました。「鉱物資源70パーセント」というのは、「70パーセントぐらいはきちんとリサイクルしましょう」という意味です。
そして、食料は、今40パーセントの自給率ですが、70には上げられます。ちゃんとやろうということです。
それから、木材は、日本は今25パーセントしか自給していないのです。国土の65パーセントの森林があるのに、もう森林のうちの5分の1ぐらいしかちゃんと林業をやっていないのです。ですから、先ほど言ったように、山崩れもあちこちで起きる。ちゃんと林業をやっている所では、山崩れなど起きないですから。ですから、「日本でちゃんと林業を復活しよう」という提案です。これはできます。もう本当にできるのです。そうしたら、木材資源を100パーセント自給して、山崩れなど起きないような国をつくることができます。
水がある。これは日本にとって大きいことです。もしかすると、21世紀最大の資源になるかもしれません。もう世界中で、水争いが起きることは分かっています。もう水争いが起きているのです。水争いが戦争になる可能性は、もう10カ所ぐらいすぐに思い浮かびます。水が豊富だということは、もしかすると日本の最大の資源かもしれないのです。
●加工貿易という旧モデルから脱して21世紀の新しいモデルを創ろう!
ですから、加工貿易など君たちの時代には成り立たないでしょう。なぜか? もう論理も明確なのです。なぜかというと、20世紀、君たちのお父さん、お母さんの時代に加工貿易が成り立ったのは、資源が安くて工業製品が高かったからなのです。
なぜなのだろう? それは、10パーセントの先進国が工業を独占していたからです。9割の国は工業をやっていないから、工業製品を買うために、一次資源、資源を売る以外なかったのです。
ですから、ソニーが一番元気だった頃、トランジスタラジオという小さなラジオ一つが、コーヒー豆の大きな3袋と等価交換されたのです。あれが、典型的な工業製品と一次資源との交換、工業製品が高くて一次資源が安かった時代ですね。
しかし、もう違いま...