危機下のリーダーシップ、その要諦とは
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
国家のリーダーが肝に銘ずるべき鉄則には3つの次元がある
危機下のリーダーシップ、その要諦とは(3)変化に応じたリーダーシップ
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
「自国ファースト」でない主権独立国家などはあり得ない。日本もその例外ではないが、日本には日本の自国ファーストとグローバル・イシューのバランスの取り方があるはずで、それはアメリカの戦略とは異なるものだ。重要なのは、リーダーは国家戦略、総合政治戦略、戦術という3つの次元で考えるべきということ、その際に本質・実体・現象をらせん構造で結びつけていくべきだということである。(全3話中第3話)
時間:11分34秒
収録日:2020年7月17日
追加日:2020年9月7日
≪全文≫

●日本としての自国ファーストとグローバル・イシューのバランス


 皆さん、こんにちは。

 前回は、日本もせんじ詰めれば自国ファーストの国だと、ややショッキングな表現をいたしましたが、要するに私の言いたいところは、自国ファーストでない国というのは、主権独立国家としてはあり得ない。ただ、それが極端かどうか、あるいはグローバル・イシューとのバランスを失しているかどうかという違いであります。

 この点において、日本はどの政権であっても、これは民主党政権下の首相であっても、基本的には野田佳彦元総理や、あるいは現在の安倍晋三総理にしても、この2人が自国ファーストでない、または自国ファーストであるというようなことに関して2人とも、つまり日本の総理大臣は基本的にそういう普通の良識的な首相であるならば、この自国ファーストとグローバル・イシューのバランスを取っているということを言いたかったのです。


●WHO拠出金に見る日米の国家戦略の違い


 これとドナルド・トランプや習近平両氏のような立場を比較しても、それは違うというのはまったくその通りであります。日本はそれでもこのバランスの中でWHOへの拠出金というのは拒否しないし、代わりに実際日本は、そこが日本のある意味では巧みなところだと思いますが、日本はただの善人、ただの善意あふれる国家ではない。それはやはり日本もまたこの厳しい国際関係に生きている以上、WHOに拠出金は拒否しない。それは国連分担金を拒否しないのと同じである。代わりに日本は発言権を持つ。発言権をできるだけ大きく確保する。こういう道を選んでいるということです。

 WHOが中国の影響下にあることはほとんど明白でありますが、アメリカが考えたのは現状のままWHOと関係を続けるのは、アメリカにとってデメリットが大きいと判断したからなのでしょう。日本にとっては、これは留まる方が自国にとってトータルメリットがあると判断したから残るということです。日米同盟関係といっても、日本とアメリカはそこにおいてグローバル・イシューに関して、判断が違う部分が出てくるのは当然のことです。日本はリスクやコストを比較して、自国の利益が大きい道はどれかを判断した。そのとき、アメリカと違ってWHOに留まる道を選んでいる。これが国家戦略というものなのです。


●国家戦略・総合政治戦略・戦術を組み合わせ、らせん構造で捉...


スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
戦国合戦の真実(1)兵の動員はこうして行なわれた
戦国時代の兵の動員とは?…無視できない農民の事情
中村彰彦
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
豊臣政権に学ぶ「リーダーと補佐役」の関係(1)話し上手な天下人
織田信長と豊臣秀吉の関係…信長が評価した二つの才覚とは
小和田哲男
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
戦国武将の経済学(1)織田信長の経済政策
織田信長の経済政策…楽市楽座だけではない資金源とは?
小和田哲男

人気の講義ランキングTOP10
これからの社会・経済の構造変化(2)経済的利益と社会課題解決の両立へ
利益か社会課題解決か…かつての日本企業の美点を取り戻せ
柳川範之
和歌のレトリック~技法と鑑賞(1)枕詞:その1
ぬばたまの、あしひきの……不思議な「枕詞」の意味は?
渡部泰明
「進化」への誤解…本当は何か?(9)AI時代の人間と科学の関係
科学は嫌われる!? なぜ「物語」のほうが重要視されるのか
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(8)秀長の死の影響と秀吉政権の瓦解
「家康対奉行」の構図は真っ赤な嘘!? 秀吉政権瓦解の真相
黒田基樹
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIは間違いが分からない…思考で大事なのは訂正可能性
中島隆博
独裁の世界史~未来への提言編(1)国家の三つの要素
未来を洞察するために「独裁・共和政・民主政」の循環を学べ
本村凌二
歌舞伎はスゴイ(4)歌舞伎のサバイバル術(後編)
江戸時代の歌舞伎にも大波乱が…どうやって生き残ったか
堀口茉純
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(1)米国の過激化とそのプロセス
トランプ政権と過激化した米国…MAGA内戦、DSAの台頭
東秀敏
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
野口緑
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎