危機下のリーダーシップ、その要諦とは
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
危機の時代に見習うべきリーダーは徳川家康である
危機下のリーダーシップ、その要諦とは(1)徳川家康のリーダーシップ
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
コロナ禍のような危機下のリーダーシップについて考察するシリーズ講義。今回は歴史上抜きんでたリーダーシップを発揮した徳川家康に焦点を当てる。家康は乱世に終止符を打ち、徳川幕府による政治システムを整えた国家戦略と、究極の人事システムと行財政機構をつくり上げた総合政治戦略を組み合わせた。さらに庶民の豊かな日常生活の基盤を確立する戦術にも長けていた。家康は政治家としての明快なメッセージ性で人々の信頼を得つつ、こうした戦略・戦術を見事に推進したのだ。(全3話中第1話)
時間:11分58秒
収録日:2020年7月17日
追加日:2020年8月23日
≪全文≫

●危機の時代、見習うべきリーダー・徳川家康


 皆さん、こんにちは。

 日本において、今コロナをめぐる禍というものが、国民各層においてさまざまな形で論じられています。全体として見ますと、国家あるいは国民にとって、戦略的にコロナの問題をどのように解決したらいいのか、というと、そういう意味での総合的な政治戦略、あるいは国家的な戦略、ひいては国民的な戦略が求められます。国民においては政治、生活、国家においては政治、経済、そして歴史的な進路という意味では、国と国民の一体化した進路というものが、国民の不安をいかに取り除き、そして、国民を幸福と安寧に導くのか。こういう積極的な意味でコロナ禍というべきものを危機として乗り越える、そのためのリーダーシップ、あるいは政治家の責任というものを問われるのだと思われます。

 この際、歴史上の人物で私たちが見習うべきリーダーというものを、かりそめに考える。そういう試みがあちらこちらで行なわれています。最近では後藤新平などが盛んに取り上げられていますし、私も彼を高く評価したいわけです。ただ、こうした近現代の人物ではなくて、もっと日本史を全体として長い射程で見た場合、やはり私は徳川家康という人物を推したいと思うのです。


●総合政治戦略と国家戦略の最適な組み合わせ


 家康は徳川政治体制を築き上げてから、250年以上の平和をもたらした、その実績もさることながら、各種の戦略や戦術、いろいろな総合的な政治や経済の戦略的な道筋を見事に組み合わせた点で、大変見習うべき点が多いかと思います。

 家康はまず、歴史的には応仁の乱以降の混沌、カオスにピリオドを打ち、天皇を中心とした国家体制を復元しながら、実際の政治は徳川幕府が担うという政治システムをつくりました。まさにそれは当時、日本にとって最適の国家戦略でした。

 総合的な政治戦略として申しますと、「水も余りに綺麗ならば魚は住まない」という言葉、これは『後漢書』における言葉であったわけですが、そういう言葉を引いたように、さまざまに果断な勇気ある人事を厭わなかったわけです。必要であれば豪商、あるいは彫金師、または猿楽師、下級武士、凋落、落魄(らくはく)した公家、そして名門の落伍した武家たちはもとより、ウィリアム・アダムズ(三浦按針)、あるいはオランダ人のヤン・ヨーステン、イギリス人のアダムズと並...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
古代中国の「日常史」(1)日常史研究とは何か
『古代中国の24時間』英雄だけでなく無名の民に注目!
柿沼陽平
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀

人気の講義ランキングTOP10
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子