危機下のリーダーシップ、その要諦とは
この講義シリーズの第1話は
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「自国ファースト」は悪いかどうか、改めて考える必要がある
危機下のリーダーシップ、その要諦とは(2)「自国ファースト」とバランス感覚
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
危機の時代を突破するために、独裁制的リーダーシップを評価する向きがあるのは事実である。しかし、反対者を権力で抑圧し情報操作で事実をねじ曲げるようなやり方は、国民を幸せにできない。リーダーは法の支配を尊重したうえで、危機に対処しなければならないのだ。一方、新型コロナのようなグローバル・イシューでは各国の連携や協力が必要であると同時に、主権独立国家である以上、自国の利益も無視できないという問題がある。重要なのはグローバル・イシューと「自国ファースト」のバランスだと山内昌之氏は説く。(全3話中第2話)
時間:10分55秒
収録日:2020年7月17日
追加日:2020年8月30日
≪全文≫

●平和主義者・徳川家康がつくりあげた「パックス・トクガワーナ」


 皆さん、こんにちは。

 前回は織田信長、豊臣秀吉の国家的な指導者としての問題点、国民を平和裏に統合していくといった点で、非常に残酷、かつ殺りくを事とするような負の面をもっと見なければいけないというのが、私の考えだということを述べました。

 それと比べて平和主義者としての徳川家康、250年から270年の平和をつくりあげ、「パックス・トクガワーナ」という世界史屈指の時代をつくりあげた家康を評価したわけですが、そうした信長と比較し、そういう一種の独裁制がこういう危機の時代を突破するにはふさわしいのではないかという考えとして、習近平国家主席を評価する向きがあることについて、やや疑問を呈したところで終わりました。

 私はそうした残虐、殺りく、あるいは国家的な独裁者でなくても、家康のようにパックス・トクガワーナという平和の時代を実現できるのだということを、これからも考えていきたいと思っています。


●独裁制では危機を突破できない


 こうした独裁者がある意味では危機の時代を突破できるというのは、手段というものを問わず、そして不平不満を抑えつけ、異議申し立てをする人たちをいわば消去していく、といったようなことをすれば、例えば現代の香港における自由と民主主義の抑圧のプロセスなどを見ていけば、そこで反対論者たちがいなくなる、というのはもちろん容易なことです。

 しかし、こうしたある意味では当たり前の結果、独裁者であれば当たり前の結果に関して、それをそのまま認めてよろしいのか、という問題にもなります。情報を統制して、時には基本的な事実、ファクトをねじまげて否定することさえ辞さない、そして、誤った情報を操作することによって国民を、長い射程で見るならば不幸な形で誘導していくというような、こうした個性というものは、危険であるのみならず危機そのものもなかったかのように演出することさえしてしまう。

 武漢のウィルス、武漢発生の新型コロナウィルスのようなものも、一体どこから出たのかということさえも、総体化し記憶から消し去ろうとする試みさえ、一部では行われているということの危険性を見なければなりません。


●リーダーは法の支配を尊重し、危機に対処すべき


 しかし、われわれはリベラルな民主主義を標榜する国に生きている...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(1)危機の台湾への密航
「国共内戦」危機の台湾…根本博の密航と涙で迎えた中国人将軍
門田隆将
「三国志」の世界とその魅力(1)二つの三国志
三国志の舞台、三国時代はいつの・どんな時代だったのか?
渡邉義浩
『昭和16年夏の敗戦』と『昭和23年冬の暗号』
『昭和16年夏の敗戦』『昭和23年冬の暗号』が映す未来とは
猪瀬直樹
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
編集部ラジオ2026(34)『オデュッセイア』の秘密と愉しみ
【10min解説】大ヒット映画『オデュッセイア』がもっと楽しくなる神話講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
「満洲」から考える日本とアジア(7)シベリア出兵と張作霖爆殺事件
軍閥割拠の中国は魑魅魍魎の世界…列強やコミンテルンの思惑も絡む中で翻弄される日本と張作霖爆殺事件の謎
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
ギリシア悲劇への誘い(3)悲劇をめぐる哲学論争
プラトン対アリストテレス、模倣の是非をめぐる悲劇論争
納富信留
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
クラシック音楽の歴史をピアノ演奏で辿る~ヴィヴァルディ四季
野本由紀夫