渡部昇一に学ぶ教養と明朗
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本を買って書棚に並べれば、読まなくても知性は高まる
渡部昇一に学ぶ教養と明朗(9)本は自分で所有する
渡部昇一先生の書籍に対する根本的態度は、「本は自分で所有する」ということだった。電子書籍よりも、紙の本がいい。自分が必要だと思ったら、自分の本なのだから、赤線を引いたり、書き込んだりすることをためらわない。そうやって読み込んだ本を自分の書棚に入れておけば、それが「自分の頭の外部化」になる。つまり、そうすることで、もう一回読み返したときに、「あのとき自分はこんなことを考えてたのだ」と思い出せるのである。さらにいえば、本は、たとえ読まなくても、書棚に並べておくだけで知性を身につけることができる。それは、なぜなのか。(全10話中第9話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:15分40秒
収録日:2020年9月9日
追加日:2020年12月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●電子書籍よりも、やはり「紙の本」のほうがいい


―― 教養に話を戻すと、まさに本ですね。書籍にどう親しむかも今回のテーマで、まさにこの空間で話すにふさわしいテーマです。

執行 書物を読まないとダメです。今、電子化されたり、いろいろしていますが、やはり根本は書物です。

―― 「紙のもの」ということですか。

執行 活字というか、文字です。電子化は、エネルギー的にいうと「与えられるもの」で、だからダメなのです。電子がダメなのではなく、与えられるのがダメ。一方、活字は向かわないとダメです。この違いが一番大きい。
 道具としては、やはり本です。電子書籍で読んでみたことがあるのですが、電子書籍で見ると、送信されるというか、与えられてしまうのです。そうすると、生体内に入ったとき、化学反応が違う。本は自分から行かなければダメで、この違いは文明的にいうと決定的だと思います。
 映像をはじめ電子的なメディアも、自分から行かなければならないメディアになると、知性的にできるのだと思います。そういうところでは、「テンミニッツTV」は良いのではないでしょうか。自分から「見よう」と決意しないかぎりわかりませんから。これはすごく重要で、スイッチを押したらついてたというのが、一番悪いです。

―― ご著書(『明朗であれ』)の中に、昇一先生が電子書籍について言われた話もありました。

渡部 父は(電子書籍には)ほとんど親しまなかったのですが、最初のきっかけは、腕の骨を折ったときです。本が読めないので、iPadで読める環境を私が整えて、『ゴルゴ13』などをけっこう読んでいました。しばらく本を読めなかったから、飢えたように1冊の本を、わずかひと晩ぐらいで読んだりもしました。しかし、少し腕が動かせるようになったら本に戻りました。
 父の場合は、本を読むことは生きることとほとんど同じで、まったく違う手順で読むことに、あまりピンと来なかった。積極的に向かう感じではありませんでした。ただ、「便利だな」とか「これがあると場所には苦労しないな」とは言っていました。本の場所にずっと苦労してきた人生でもあるので。全否定はまったくしませんでしたが、自分としては、そんなに使っていませんでした。
 ただこれからの時代、間違いなく、紙の本より電子書籍になっていく流れは止められないのではないかと思う節もあります。電子書籍は場所...

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