ウクライナ侵略で一変した国際政治
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ウクライナ問題で欧米が頭を抱えるジレンマとは
ウクライナ侵略で一変した国際政治(3)欧州の安全保障とエネルギー依存
小原雅博(東京大学名誉教授)
ウクライナ侵略の勃発により、地続きのヨーロッパは大きな方針変更を迫られた。ことはユーラシア全体の安全保障問題に関わるため、中国やアメリカにも波紋が広がっている。さらに問題は経済やエネルギー転換の領域にも及ぶ。当然日本も無傷ではいられない。(全5話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分03秒
収録日:2022年5月10日
追加日:2022年6月10日
カテゴリー:
≪全文≫

●個人の考えも国際秩序も変えさせる重みある戦争


―― 今回は、国際政治や国際秩序がウクライナ侵略によってどのように変わってしまったのかというお話をお聞きしたいです。今回のウクライナ侵略の前と後ではどう違いがあるのか。特にこの後どうなっていくかということについて、先生はどのように見ておられますか。

小原 今回の戦争は、ありとあらゆる面に影響を与えています。戦争の前と後で(といっても戦争がいつ終わるかは分かりませんが)、われわれは考え方も変えないといけない。それから、中長期的には国際秩序の変化ということにまで影響してくる。大変な重みのある戦争になってしまったという気がします。

 もう少し具体的にいうと、まず安全保障という分野があります。安全保障というのは、(第1話で)お話ししたように、冷戦時代のソ連から、冷戦後はどういった秩序づくりをしてきたかということです。

 NATOが拡大していく中、一方でロシアも含めた形での安全保障システムにより新しい秩序ができていればよかったのですが、それができないまま、結果的にこういったことになってしまったということがある。

 そうなると、どうしても気になるのはロシアと今の拡大されたNATOとの関係をどう捉えるのかということです。NATOとロシアの関係をどうすれば本当に安定させていけるのか。この部分が、非常に難しい課題として今回残ったわけです。


●欧州における危機感はドイツをどう変えたか


小原 例えばドイツではどういう変化が起きたかを見ましょう。ドイツでは基本的に第二次大戦の反省なども踏まえて、ヨーロッパを経済大国として支えてきました。これは日本も同様です。一方、軍事的にはできるだけ小さいドイツとして振る舞い、武器輸出も含めて周辺に脅威を与えないような政策を維持してきました。

 今回ウクライナに戦争の危機が迫り、支援を求められたドイツが送ったのはヘルメットでした。「ヘルメットを5000個送りましょう」と言われたゼレンスキー大統領からすると、「あの大国のドイツが? 何かの間違いではないか」と考えるわけですが、それは第二次大戦後の生きざまとしてドイツが行ってきたことを象徴しています。

 ただ、実際にロシアが侵略を行い、戦争が起きてしまった今、ウクライナで起きていることは、それ以外の西側欧州諸国にとっては、自分たち自身の脅威であり、自分...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
政治思想史の古典『法の精神』と『社会契約論』を学ぶ(1)二人の思想家
モンテスキューとルソー…二人の思想家の共通の敵とは?
川出良枝
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(3)ヴァイキング招致説とキエフ・ルーシ
ロシアの起源はヴァイキング?…キエフ・ルーシの興亡と、ロシアとウクライナの決定的な「歴史的溝」
上月豊久
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(4)認知症と共生社会の実現に向けた対策
その物忘れ、認知症かも…加齢による物忘れとの違いと一番大事なこと
小川純人
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(4)郡家の発掘と新田山を詠んだ東歌
「東歌」に刻印された奈良時代の真実とは?…地方に気をつかい地方のパワーを取り込んで中央政権はできていた
上野誠
文明語としての日本語の登場(1)古代日本語の復元
なぜ「てふてふ」が蝶々?日本語の変遷を追う…まずは万葉仮名から
釘貫亨
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾