逆参勤交代が日本を変える
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
上士幌町が「SDGs未来都市」に!逆参勤交代の可能性と課題
逆参勤交代が日本を変える(2)実証実験の好事例と実装への課題
松田智生(三菱総合研究所 主席研究員)
逆参勤交代プロジェクトは今、その実証実験が北海道から九州まで全国に広がっており、なかでも北海道の上士幌町が「SDGs未来都市」に選定されるなど、好事例も生まれている。福沢諭吉の「半学半教」という言葉にもあるように、逆参勤交代は、参加した大人と地域の子どもたちが学び合い、教え合うというモデルになるという。一方、費用対効果や制度設計など課題もいろいろと見えてきた。今回はトライアルを踏まえて、逆参勤交代の可能性と実装に向けた課題について解説する。(全2話中第2話)
時間:12分10秒
収録日:2022年8月29日
追加日:2022年12月5日
≪全文≫

●北海道上士幌町など好事例も! 全国での実証実験を紹介


 第2回では、全国で動き始めた逆参勤交代についてと、その実装に向けて一体何をすべきかというお話をしたいと思います。

 前回お話ししたように、今、逆参勤交代は北海道から九州まで全国で広がっています。

 トライアル逆参勤交代という実証実験の動画を用意しておりますので、具体的なイメージとしてご覧いただきたいと思います。北海道の上士幌町で2019年に行った時の動画です。

 この通り、首都圏のビジネスパーソンが自腹を切って十数名、北海道の上士幌町に行きました。そして地域の魅力や課題を発見して、フィールドワークを行い、地元の方と交流して、最後に自ら何が貢献できるかというプレゼンを町長向けに行ったものです。

 具体的な好事例も生まれました。例えば、金融機関の方は「町はもっとSDGsをすべきだ」というプレゼンをしました。そうしたところ、町長から「じゃあ、あなたがやってください」ということになり、彼(金融機関の方)は町のSDGsアドバイザーに就任しました。彼の頑張りによって、上士幌町は国の「SDGs未来都市」に選定されました。

 また、ある製造業の社員は、全国の逆参勤交代に参加して、地域課題解決に目覚めました。そして今は、ある地方の中小企業の工場の現場改善を副業でやっています。2人とも、逆参勤交代がきっかけで、アドバイザーや副業といった新しい働き方、地域への貢献に進んだわけです。こうしたことをどのように実装するかということです。

 丸の内プラチナ大学は、三菱総研と三菱地所、エコッツェリア協会が主催する市民大学です。学長は元東京大学総長の小宮山宏氏で、私は副学長と逆参勤交代コースの講師を務めています。

 この通り、全国で北海道から九州まで広がった各地での事例を、動画やキーパーソンへのインタビューで紹介しております。


●トライアル逆参勤交代で分かったこと


 先ほどご覧いただいたトライアル逆参勤交代では、地域の魅力や課...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本人が知らないアメリカ政治のしくみ(1)アメリカの大統領権限
権限の少ないアメリカ大統領は政治をどう動かしているのか
曽根泰教
「中華民族の偉大な復興」と中国外交(1)外交姿勢・前編
四字熟語で見る中国外交の変化
小原雅博
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
グローバル環境の変化と日本の課題(1)世界の貿易・投資の構造変化
トランプ大統領を止められるのは?グローバル環境の現在地
石黒憲彦
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(1)史実としての豊臣兄弟と秀長の役割
豊臣兄弟の謎…明らかになった秀吉政権での秀長の役割
黒田基樹
編集部ラジオ2025(31)絵で語る葛飾北斎と応為
葛飾北斎と応為の見事な「画狂人生」を絵と解説で辿る
テンミニッツ・アカデミー編集部
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(4)葛飾応為の芸術と人生
親娘で進歩させた芸術…葛飾応為の絵の特徴と北斎との比較
堀口茉純
平和の追求~哲学者たちの構想(4)ルソーが考える平和と自由
ルソーの「コスモポリタニズム批判」…分権的連邦国家構想
川出良枝
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎