TOTOの北九州発グローバル戦略
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
論理に勝るのは空気?知っておくべき日本の特殊性
TOTOの北九州発グローバル戦略(2)実は海外でも稼ぐTOTOの「けじめ」
成清雄一(西日本工業大学常務理事・副学長/元TOTO株式会社取締役常務執行役員)
日本社会をコントロールしているのは、法律でも人でもない。では何か? 日本企業が海外へ進出するときに知っておくべき「日本の特殊性」とは? 実は海外でも稼いでいるTOTO株式会社の北九州発グローバル戦略。その根底にある「けじめ」の思想を、同社取締役常務執行役員・成清雄一氏が語る。(全5話中第2話目、インタビュアー:大上二三雄氏/エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役)
時間:19分31秒
収録日:2014年9月18日
追加日:2015年1月20日
≪全文≫

●実は海外で稼ぐTOTO


大上 先ほど国際部門の話がありましたが、TOTOのグローバル化は、外から見ると、他の企業に比べてややスローペースにも見えます。一方で、中国で非常に大きな利益を上げていたり、インドで工場をつくったり、タイでは合弁を解消して自らの経営になる新たなプロセスを歩むといったように、やるときにはそれなりに突っ込んでいっているような印象を受けます。そうしたTOTOのグローバル化には、一体どのような特徴があると思われますか。ご専門である人材や組織の面を中心にお聞かせください。

成清 そうですね。13年度の連結の売上を見ても、売上そのものは、海外の住宅設備はまだ全体の18パーセントくらいしかなく、国内が8割弱を占め、残りが新領域事業です。ですが、営業利益だけを見ると、海外住設が約3割を稼ぎ出しているので、海外事業はおかげさまで順調にいっているかなと自分たちとしては思っているところです。


●グローバルナンバーワンである前に、リージョンのナンバーワンになれ


成清 弊社の特徴ですが、たまたま私が人財の部署に戻ってきて、今の立場で、これから出向していくメンバーに、毎年の出向前研修で、一番最初に話すことがあります。弊社の第八代社長に黒河隼人という人がいて、彼が社長のときにインドネシアに工場を建てました。現地の工場を建てて進出する初めてのケースでした。それが1977年です。その時に、向こうに行くメンバーに彼が言った言葉が大きく二つあります。一つが、「自分の国の文化が正しいと信じて、それを現地で押しつけてはならない」ということ。もう一つが、「相手の国の風俗、習慣、宗教をできるだけ理解し、異なることが必ずしも悪くないということを見出す努力をしなさい」ということ。この二つを皆に伝えました。これがわれわれのベースになっています。

 いろいろな国、地域によって、文化や歴史が違いますから、単純に規模が大きいだとか、海外の売上比率が高いだとかいうことではなく、われわれはあくまでも、その国でその国の顧客に支持され、必要とされるブランド、会社になりたい。ですから、グローバルナンバーワンである前に、リージョンのナンバーワンになり、それが集まって、最終的にグローバルナンバーワンになれるのだろうということを、基本的な考え方にして進めてきているところです。

大上 そういっ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
ゴーン改革の反省とグローバル経営の教訓(1)ゴーン以前
カルロス・ゴーン氏が来る以前の日産の最大の問題とは?
西川廣人
イーロン・マスクの成功哲学(1)マスクが「世界一」になるまで
イーロン・マスクは何がすごい?生い立ちと経歴
桑原晃弥
東洋の叡智に学ぶ経営の真髄(1)経営とは何かをひと言で?
経営をひと言で?…松下幸之助曰く「2つじゃいけないか」
田口佳史
キャリア転換で人生を成功させる方法(1)2つの大きな潮流
なぜ40歳でキャリアについて一度考え直す必要があるのか
為末大
ストーリーとしての競争戦略(1)当たり前の重要さ
柳井正氏の年度方針「儲ける」は商売の本筋
楠木建

人気の講義ランキングTOP10
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(3)認知バイアスとの正しい向き合い方
知ってるつもり、過大評価…バイアス解決の鍵は「謙虚さ」
今井むつみ
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
内側から見たアメリカと日本(3)ビル・ゲイツの世界戦略
「50億人を救う」と宣言したゲイツとの粋なエピソード
島田晴雄
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(2)量子論と空海密教の本質
脳内の量子的効果――ペンローズ=ハメロフ仮説とは
鎌田東二
歴史の探り方、活かし方(2)図書館「レファレンス」の活用
図書館の便利な活用法…全国の図書館からの「お取り寄せ」
中村彰彦
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(7)不動産暴落と企業倒産の内実
不動産暴落、大企業倒産危機…中国経済の苦境の実態とは?
垂秀夫
伊能忠敬に学ぶ「第二の人生」の生き方(1)少年時代
伊能忠敬に学ぶ、人生を高めて充実させる「工夫と覚悟」
童門冬二
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
田口佳史
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(1)ソニー流の多角化経営の真髄
ソニー流「多角化経営」と「人的資本経営」の成功法とは?
水野道訓