TOTOの北九州発グローバル戦略
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
イノベーションが生まれやすい都市のサイズがある
TOTOの北九州発グローバル戦略(3)北九州市から本社を移さない理由
成清雄一(西日本工業大学常務理事・副学長/元TOTO株式会社取締役常務執行役員)
TOTO株式会社は、今も北九州市に本社を置き、そこから本社を移さないと公言している。それはなぜなのか。東京一極集中の時代に不便ではないのか。同社取締役常務執行役員・成清雄一氏が語る北九州市のメリットとは。(全5話中第3話目、インタビュアー:大上二三雄氏/エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役)
時間:9分12秒
収録日:2014年9月18日
追加日:2015年1月21日
≪全文≫

●TOTOは、本社を北九州市から移さない


大上 TOTOは、北九州市という西日本の人口100万人弱の都市に今も本社を置かれており、「本社を移さない」と公言されています。また大規模な投資をして、これから北九州に新たなショールームや研究開発施設をつくるとも聞いています。しかし、東京一極集中の世の中では不便なことも多々あるのではないかと思います。発祥の地に本社機能を維持し続けていることの意味を、TOTOとして、あるいは成清さん個人はどのようにお考えでしょうか。

成清 すでに日本国内の販売やマーケティング、広報といった機能は、実は都内にあります。あと、われわれが「システム系」と呼ぶ浴室、キッチン、洗面化粧台などの製品に関わる事業部は、千葉を中心とした首都圏に事業部の本体を置いています。

 一方で、海外での売上が大きいか、あるいは海外での製造比率が高い衛生陶器やウォシュレット(R)、水洗金具などの事業部、それから販売関連以外の本社機能と国際部門は、今も北九州にあります。欧米路線はあまりありませんが、アジアへはほとんど福岡空港からダイレクトで飛べるので、北九州にいてもそれほど不便はありません。

大上 そうですね。

成清 新北九州空港ができて以来、東京との行き来が便利になったこともありまして、今、本社を東京などに移動させることは特段考えていません。


●北九州市はイノベーションを起こしやすい土地柄


成清 それから、北九州という土地柄が実は良いのです。この間、大河ドラマを見ていたら、官兵衛さんが豊前に入るところでちょうど地図が出てきました。

大上 小倉城に入るシーンですね。

成清 そうです。その地図を見ると、今の北九州市のちょうど半分が豊前で、半分が筑前なのです。また、「五市合併」の五市そのものも、門司は港町で、小倉は陸軍の兵器工場があり、八幡には八幡製鐵所があるなど、それぞれ色合いの違う五市が合併しましたから、今でも「なかなかまとまりがないね」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、多様な人材が集まっていることは間違いありません。

 さらにさかのぼれば、明治維新の後、八幡製鐵所ができて日本中から人が集まってきています。南側の直方市、田川市、飯塚市などの筑豊地域も、やはり炭鉱で明治維新後に人が入ってきた所です。

 いろいろな人が集まると、同じ神話や文化的...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
オリエント 東西の戦略史と現代経営論に学ぶ(1)ビジネスのヒントは歴史にあり
『失敗の本質』、中国古典…ビジネスのヒントを歴史に学ぶ
三谷宏治
運と歴史~人は運で決まるか(1)ソクラテスが見舞われた「運」
歴史における「運」とは?ソクラテスの「運」から考える
山内昌之
認知バイアス~その仕組みと可能性(1)認知バイアス入門
誰もが陥る「認知バイアス」…その例とメカニズム
鈴木宏昭

人気の講義ランキングTOP10
平和の追求~哲学者たちの構想(1)強力な世界政府?ホッブズの思想
平和の実現を哲学的に追求する…どんな平和でもいいのか?
川出良枝
熟睡できる環境・習慣とは(3)睡眠にいい環境とお風呂の入り方
布団に入る何分前がいい?入眠しやすいお風呂の入り方
西野精治
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(2)『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏への道
『富嶽三十六景』神奈川沖浪裏のすごさ…波へのこだわり
堀口茉純
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
定年後の人生を設計する(1)定年後の不安と「黄金の15年」
不安な定年後を人生の「黄金の15年」に変えるポイント
楠木新
『貞観政要』を読む(1)長期政権を目指す者の必読書
北条政子も愛読した長期政権のバイブル『貞観政要』
田口佳史
生成AI「Round 2」への向き合い方(1)生成AI導入の現在地
生成AIの利活用に格差…世界の導入事情と日本の現状
渡辺宣彦
プロジェクトマネジメントの基本(2)プロジェクトの複雑性とマネジメント
コスパが鍵!? 顧客満足につながる品質マネジメントとは
大塚有希子