TOTOの北九州発グローバル戦略
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イノベーションが生まれやすい都市のサイズがある
TOTOの北九州発グローバル戦略(3)北九州市から本社を移さない理由
成清雄一(北九州商工会議所 専務理事/元TOTO株式会社取締役常務執行役員)
TOTO株式会社は、今も北九州市に本社を置き、そこから本社を移さないと公言している。それはなぜなのか。東京一極集中の時代に不便ではないのか。同社取締役常務執行役員・成清雄一氏が語る北九州市のメリットとは。(全5話中第3話目、インタビュアー:大上二三雄氏/エム・アイ・コンサルティンググループ株式会社代表取締役)
時間:9分12秒
収録日:2014年9月18日
追加日:2015年1月21日
≪全文≫

●TOTOは、本社を北九州市から移さない


大上 TOTOは、北九州市という西日本の人口100万人弱の都市に今も本社を置かれており、「本社を移さない」と公言されています。また大規模な投資をして、これから北九州に新たなショールームや研究開発施設をつくるとも聞いています。しかし、東京一極集中の世の中では不便なことも多々あるのではないかと思います。発祥の地に本社機能を維持し続けていることの意味を、TOTOとして、あるいは成清さん個人はどのようにお考えでしょうか。

成清 すでに日本国内の販売やマーケティング、広報といった機能は、実は都内にあります。あと、われわれが「システム系」と呼ぶ浴室、キッチン、洗面化粧台などの製品に関わる事業部は、千葉を中心とした首都圏に事業部の本体を置いています。

 一方で、海外での売上が大きいか、あるいは海外での製造比率が高い衛生陶器やウォシュレット(R)、水洗金具などの事業部、それから販売関連以外の本社機能と国際部門は、今も北九州にあります。欧米路線はあまりありませんが、アジアへはほとんど福岡空港からダイレクトで飛べるので、北九州にいてもそれほど不便はありません。

大上 そうですね。

成清 新北九州空港ができて以来、東京との行き来が便利になったこともありまして、今、本社を東京などに移動させることは特段考えていません。


●北九州市はイノベーションを起こしやすい土地柄


成清 それから、北九州という土地柄が実は良いのです。この間、大河ドラマを見ていたら、官兵衛さんが豊前に入るところでちょうど地図が出てきました。

大上 小倉城に入るシーンですね。

成清 そうです。その地図を見ると、今の北九州市のちょうど半分が豊前で、半分が筑前なのです。また、「五市合併」の五市そのものも、門司は港町で、小倉は陸軍の兵器工場があり、八幡には八幡製鐵所があるなど、それぞれ色合いの違う五市が合併しましたから、今でも「なかなかまとまりがないね」とおっしゃる方もいらっしゃいますが、多様な人材が集まっていることは間違いありません。

 さらにさかのぼれば、明治維新の後、八幡製鐵所ができて日本中から人が集まってきています。南側の直方市、田川市、飯塚市などの筑豊地域も、やはり炭鉱で明治維新後に人が入ってきた所です。

 いろいろな人が集まると、同じ神話や文化的...

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