世界のジョーク集で考える笑いの手法と精神
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
「人生で最も虚しかった日は?」…笑いは大事な文化
世界のジョーク集で考える笑いの手法と精神(4)文化としての笑いと寛容な社会
早坂隆(ノンフィクション作家)
「差別か、笑いか」――昨今、ポリコレなどの浸透によって、その線引きがだんだんと厳しい方向へ進んでいる。「笑いは人間にとって大事な文化だ」という早坂氏もそのことをとても危惧している。そこで最終話の今回は、シャンフォールというフランスの思想家の言葉を引用しながら、ジョークと笑いのセンスを磨ける寛容な社会の重要性を説く。(全4話中第4話)
時間:14分08秒
収録日:2024年3月14日
追加日:2024年7月5日
≪全文≫

●「差別か、笑いか」の線引きが厳しい方向へ進んでいる時代


―― 今、いろいろとお話を伺ってきて、世界でジョークがどう受け止められているのか、どう日々使われているのかですが、それはほんとうに、例えば諷刺の精神であったりとか、批判を表立ってできないからみんなで笑い飛ばして、どうせ独裁者などというのは、普通は自分の力で倒せるわけでもないので、それならばせめて笑わなければ、という感じなのかなというところもあります。

 例えば、先生は世界の各地に行かれていて、日本人としてはどのように、そういう世界にうまく入っていけばいいものですか。

早坂 ジョークということ自体は、日本人は前に笑いに厳しいという話もしましたが、ちょっと肩に力が入りすぎているところがあるので、アメリカに行ったら何かジョークを言わなければいけないとかあります。

―― そのようなプレッシャーを感じるケースもあるでしょうね。

早坂 ありますね。理解しなければいけないということは。ちょっと真面目に考えすぎているところもありますので、もっとそこは、変に力を入れずにというのが一番大事かなと思います。普通に、ある程度の英語が分かり、やりとりできるレベルであれば、普通の会話の中で笑いになるようなちょっとしたひと言でもいいですし。そのようなことは、本来、日本人は日本語でいつもやっていることなので、それをやればいいと思います。

 そのような笑いがあると、1つの潤滑油になるじゃないですか、会話の。「アイスブレーク」という言葉もありますが、会話とか演説の中で、冷たい、笑いがない時間ということが続いて、それを壊すというのは、すごく海外の人はうまいので、そういうものを学びながら日本人もやっていくと、日本人は本来笑いのセンスはすごくいい人が多いと思うので、ウケると思いますよ、日本人のジョークも。

―― そういうことでしょうね。その生真面目ぶりが、またそれはそれでというところになるのかもしれません。前の「不良品の設計図をよこせ」みたいなことですね。

早坂 日本人が真面目すぎるというのは1つのネタになっていますので、「日本人に金曜日にジョークをいうと、月曜日に笑う」などと言われたりするのです(笑)。

―― ありがちですね。

早坂 しかし、今の日本人、最近の子はそうでもないです。英語も上手ですし、そこまで欧米に対して、何かコン...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
百人一首の和歌(1)謎の多い『百人一首』
『百人一首』の歌が選ばれた理由とは?今も残る3つの謎
渡部泰明
ピアノでたどる西洋音楽史(1)ヴィヴァルディとバッハ
ピアノの歴史は江戸時代に始まった
野本由紀夫
なぜ働いていると本が読めなくなるのか問答(1)読書と教養からみた日本の近現代史
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』で追う近現代史
三宅香帆
クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教
音楽はなぜ時代を映し出すのか?…音楽と人の歴史の関係
片山杜秀
おみくじと和歌の歴史(1)おみくじは詩歌を読む
おみくじは「吉凶」だけでなく「和歌や漢詩」を読むのが本当
平野多恵

人気の講義ランキングTOP10
平和の追求~哲学者たちの構想(3)サン=ピエールとモンテスキュー
「国連」の発想の源は?…一方、小共和国連合=連邦構想も
川出良枝
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(1)北斎の画狂人生と名作への進化
葛飾北斎と応為…画狂の親娘はいかに傑作へと進化したか
堀口茉純
熟睡できる環境・習慣とは(4)起きているときを充実させるために
夜まとめて寝なくてもいい!?「分割睡眠」という方法とは
西野精治
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
お金の回し方…日本の死蔵マネー活用法(1)銀行がお金を生む仕組み
信用創造・預金創造とは?社会でお金が流通する仕組み
養田功一郎
禅とは何か~禅と仏教の心(2)仏典漢訳から日本仏教へ
「ブッダに帰れ」――禅とは己事究明の道
藤田一照
インテリジェンス・ヒストリー入門(1)情報収集と行動
日本の外交には「インテリジェンス」が足りない
中西輝政
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子