人の資本主義~モノ、コトの次は何か?
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
次の動画も登録不要で無料視聴できます!
私たちはどんな社会を望むのか?鍵は「希望のレッスン」
第2話へ進む
人の資本主義とは――新しい人間像と現代資本主義への警鐘
人の資本主義~モノ、コトの次は何か?(1)「人の資本主義」とは何か
中島隆博(東京大学東洋文化研究所教授)
「人間とは何か」「資本主義とは何か」、この二つの問い、その概念は歴史の上で常に変化し続けているという中島氏。「人の資本主義」は人と資本主義の合成語だが、両者を結合するとどのような反応がもたらされるか。今よりもよい世界を望む人々の力が、その到来を後押ししてやまない。今回は「人の資本主義」とは何かについて、古代中国『孟子』の一節を例に挙げながら現代の資本主義への警鐘とともに考えていく。(全6話中第1話)
時間:8分59秒
収録日:2024年4月11日
追加日:2024年7月27日
≪全文≫

●人間を再定義し、資本主義を変えていく「人の資本主義」


 東京大学の中島隆博と申します。今日は「人の資本主義」についての話で、副題を「新しい共生と倫理的資本主義」と付けています。

 まずは、「人の資本主義」ということをご説明申し上げたいと思います。

 2021年、すなわちコロナ(禍)の頃に、(私は)『人の資本主義』(東京大学出版会)という本を編集しました。私以外にも多くの先生方に貢献していただき、その議論を載せた本です。

 「人」という以上は、やはり人間を再定義しないといけない。それを再定義した上で、資本主義の今のあり方を変えていく。そして、新しい人間像に寄与するような資本主義とはいったいいかなるものであるのかということを構想いたしました。

 英語のタイトルをご覧いただければと思うのですが、 “Capitalism for Human Co-becoming”というふうに名付けました。また後で詳しく申し上げますが、人間をこれまでの"human being"(人間存在)ではなく、“human co-becoming”としています。“co-”というのは「誰かと一緒に」という意味ですから、他の人あるいは人間ではない(non-humanな)ものも、そこに入るのではないかと私は思っているのですが、他者とともに人間的になっていくプロセスとして人間をつかまえていく。こういったことを提案いたしました。

 その後にも議論を続けていて、これから『人の資本主義Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ』として、「感染症を考える」や「貨幣を考える」、あるいは「ポスト資本主義を考える」等々の準備もしていますので、また刊行の暁にはお手にとっていただけると幸いです。


●人間の内でも外でも起こっている「分断」


 では、早速「人の資本主義」の内容に入っていきましょう。

 「人」と「資本主義」を合成していったものが、「人の資本主義」というわけです。

 私たちは、「人間とは何か」「資本主義とは何か」ということを問うわけですが、実はなかなか難しい概念だろうと思います。と言いますのも、歴史の上でこの二つの概念はともにどんどん変化をしてきました。そのように変化し続けている二つの概念を結合することによって、今よりもましな世界を開くことができないだろうか。そのこ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「アフォーダンス」心理学~環境に意味がある(1)アフォーダンスとは何か-1
トップアスリートが語る究極の「アフォーダンス」とは
佐々木正人
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(1)米を食べる日本人と『分裂病と人類』
日本人の生きづらさの特徴は?~中井久夫著『分裂病と人類』
與那覇潤
法隆寺は聖徳太子と共にあり(1)無条件の「和」の精神
聖徳太子が提唱した「和」と中国の「和」の大きな違いとは
大野玄妙

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓