「アカデメイア」から考える学びの意義
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
アカデメイアからアカデミーへ…自由なる学びの府の原型
「アカデメイア」から考える学びの意義(3)受け継がれる学園の理念
納富信留(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
プラトンが創設した学問アカデメイア。そこでは性別や身分を問わず多種多様な人々が議論を展開し、学問に励んだ。では創設者のプラトンは、その学園でどのように振る舞っていたのか。実は、アカデメイアにおいて、プラトンは自らの学説「イデア論」を弟子たちが積極的に批判するよう推奨(エンカレッジ)していたと考えられるという。そのような伝統があってこそ、自由闊達な議論が展開され、知が一か所に集積され、最先端の知が生まれ、次世代へと伝えていく役割を担っていく。(全4話中第3話)
時間:10分47秒
収録日:2025年6月19日
追加日:2025年8月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●多様な人々が出入りした学問アカデメイア


 古代ギリシアで哲学者プラトンが創った学園アカデメイアについてお話をしています。

 紀元前387年頃にプラトンが40歳で設立したと始めたといわれています。学園はプラトンが亡くなるまで40年間、非常に多くの優秀な人々を集めて、まずは栄えましたが、その後、プラトンの死後も代々受け継がれて900年ぐらい続いたというお話をしました。

 では、どういう学校だったのか。これについても資料が多いわけではないのですけれど、残された証言から少し想像も含んで再現すると、こんな感じになるのです。

 学園アカデメイアという場所、これは神域、神社の境内みたいな所の一角と、プラトンの私邸だと思いますが、場所があって、学校があって、施設があったということです。みんなが生活する場所です。その中には構成員といって、短い時期、あるいは長い時期、さまざまあったようですけれど、そこに所属する人々がいて、これは男女、身分、国籍を問わずというか、基本的には勉強したい人が来る。授業料は取っていなかったので、さまざまな人たちがやって来て、そこで一定期間一緒に議論をしたりしたということです。

 アリストテレスは若い頃にやってきて、20年間プラトンが死ぬまでそこで研究していました。今でいったら大学に入って大学院生、助教ぐらいでしょうか。そのぐらいまでずっと長くいたという人もいますし、おそらく数カ月ぐらいの滞在だった人もいたようです。

 女性はそれほど多くはなかったかもしれませんが、他の国からやってきた女性の優れた人が一緒に哲学を議論したという証言もあります。多くは高い身分ないしは王侯貴族の子弟が来ることが多かったようですけれど、特に制限をしていたわけではなく、またプラトンの学園を見習って、その後いくつか学園ができるのです。

 アカデメイアの後、アリストテレスの学園リュケイオンだとか、あるいはエピクロスの庭園というところなのですが、エピクロスの学校だと、奴隷もみんな一緒に学んでいたということがあるので、この時代の学校は開かれたものだったようです。そのプラトンの学園アカデメイアは自立した組織で、国(ポリス)から独立していました。

 経済的にもおそらく参加者が持ち寄ったお金で、寄付...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(1)「断絶」を乗り越えるという主題
小林秀雄と吉本隆明の営為とプラグマティズムの格率
浜崎洋介
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎
西郷南洲のリーダーシップ(1)薩長同盟と江戸城無血開城
江戸城無血開城で日本の危機を救った西郷隆盛の問題解決力
田口佳史
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ

人気の講義ランキングTOP10
老子の神髄(9)ウェルビーイングと東洋思想
ウェルビーイングを東洋思想でどう考えるか?…大事な二つの教え
田口佳史
日本の財政の真実を検証する(4)日本の台所事情と財政の本義
「1秒間に41万円?」…この数字はいったい何を意味するか?
宮本弘曉
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(3)戦国時代初期――戦国七雄と合従連衡
戦国七雄とは?合従連衡とは?…各国の勢力拡大と小国家の運命
鶴間和幸
天皇のあり方と近代日本(1)「人間宣言」から始まった戦後の皇室
皇室像の転換…戦後日本的な象徴天皇はいかに形成されたか
片山杜秀
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
『還暦からの底力』に学ぶ人生100年時代の生き方(1)定年制は要らない
仕事をするのに「年齢」は関係ない…不幸を招く定年型思考
出口治明
編集部ラジオ2026(23)上半期人気ランキングBest30
【編集部ラジオ】令和8年上半期人気ランキングBest30
テンミニッツ・アカデミー編集部
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(3)全皇帝の4分の3は「非漢族」
6000万人の漢人が、三国志の戦乱後に400万人台に…衝撃の人口変動
宮脇淳子