「アカデメイア」から考える学びの意義
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アカデメイアからアカデミーへ…自由なる学びの府の原型
「アカデメイア」から考える学びの意義(3)受け継がれる学園の理念
納富信留(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
プラトンが創設した学問アカデメイア。そこでは性別や身分を問わず多種多様な人々が議論を展開し、学問に励んだ。では創設者のプラトンは、その学園でどのように振る舞っていたのか。実は、アカデメイアにおいて、プラトンは自らの学説「イデア論」を弟子たちが積極的に批判するよう推奨(エンカレッジ)していたと考えられるという。そのような伝統があってこそ、自由闊達な議論が展開され、知が一か所に集積され、最先端の知が生まれ、次世代へと伝えていく役割を担っていく。(全4話中第3話)
時間:10分47秒
収録日:2025年6月19日
追加日:2025年8月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●多様な人々が出入りした学問アカデメイア


 古代ギリシアで哲学者プラトンが創った学園アカデメイアについてお話をしています。

 紀元前387年頃にプラトンが40歳で設立したと始めたといわれています。学園はプラトンが亡くなるまで40年間、非常に多くの優秀な人々を集めて、まずは栄えましたが、その後、プラトンの死後も代々受け継がれて900年ぐらい続いたというお話をしました。

 では、どういう学校だったのか。これについても資料が多いわけではないのですけれど、残された証言から少し想像も含んで再現すると、こんな感じになるのです。

 学園アカデメイアという場所、これは神域、神社の境内みたいな所の一角と、プラトンの私邸だと思いますが、場所があって、学校があって、施設があったということです。みんなが生活する場所です。その中には構成員といって、短い時期、あるいは長い時期、さまざまあったようですけれど、そこに所属する人々がいて、これは男女、身分、国籍を問わずというか、基本的には勉強したい人が来る。授業料は取っていなかったので、さまざまな人たちがやって来て、そこで一定期間一緒に議論をしたりしたということです。

 アリストテレスは若い頃にやってきて、20年間プラトンが死ぬまでそこで研究していました。今でいったら大学に入って大学院生、助教ぐらいでしょうか。そのぐらいまでずっと長くいたという人もいますし、おそらく数カ月ぐらいの滞在だった人もいたようです。

 女性はそれほど多くはなかったかもしれませんが、他の国からやってきた女性の優れた人が一緒に哲学を議論したという証言もあります。多くは高い身分ないしは王侯貴族の子弟が来ることが多かったようですけれど、特に制限をしていたわけではなく、またプラトンの学園を見習って、その後いくつか学園ができるのです。

 アカデメイアの後、アリストテレスの学園リュケイオンだとか、あるいはエピクロスの庭園というところなのですが、エピクロスの学校だと、奴隷もみんな一緒に学んでいたということがあるので、この時代の学校は開かれたものだったようです。そのプラトンの学園アカデメイアは自立した組織で、国(ポリス)から独立していました。

 経済的にもおそらく参加者が持ち寄ったお金で、寄付...

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