「アカデメイア」から考える学びの意義
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
納富信留(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
私たちにとって「学び」はどんな意義を持つのか。学びについて考えるべき要素は3つあると納富氏はいう。さらに、「学びは生きる場所」でもある。今生きている人と対話をする。先人たちと書物を通じて対話する。そのことで、自分自身がなしうる「限られた人生」は大きく拡張していく。さらに、全然違う世界を見たり、全然違う時代を知ったり、全然違う考え方の人と議論することで、自分が「より良いもの」へと変容していく。そしてそのような「学び」そのものが、「人間として充実して生きる目的」にもなっていくのである。(全4話中第4話)
時間:12分27秒
収録日:2025年6月19日
追加日:2025年9月3日
カテゴリー:
≪全文≫

●「開かれた知」の重要性


 これまでプラトンの学園アカデメイアというものを通じて、私たちが受け継いできた学問や学びというものを考えてきました。ここでもう一度現代に戻って、私たちにとってその学びというものがどういう意義を持つのかということを考えておきたいと思います。

 学問というのは人類の知的な営みですが、公共福祉に資するということは、ある意味で疑い得ないことだと思います。ただし、その場合、どのような学問のあり方がいいのか、より良いあり方、ないしは現在不十分なところは何かということを反省するということは大事です。その意味で、常に批判的な目を持って教育や学問のあり方を考えていくということはまず必要だと思います。

 私は大きなキーワードとして、3つ考えるべき要素があると思います。

 一つは開かれた知、オープンな知です。知識とか情報というものはとかく独占されてしまうというか、知を持っている者は権力を持ち、かつお金を手に入れるという構造からしたら、知というのは偏在、(つまり)偏って持たれてしまう、ないしは不均衡不平等が生じるというのが常です。

 大学や学問というものは、それにできるだけ対抗し、一部の人々のため、あるいは独占されるような知ではなく、それは万人のために開かれたものである共有のものであるという理念です。これには国家の独占ということも問題になりますし、あるいは一部の階級や一部の特定の人々というものに留まるということをなるべく排除するということもありますが、学問あるいは哲学というものが持っている普遍性、ユニバーサルな性格ということです。

 誰それだけが哲学をすればいい、学問をすればいい、誰それだけがそれによって恩恵をというのではなくて、人間、あるいは地球、あるいは宇宙全体ができるだけ良くなるようにあるのが学問、知識というものだと思います。開かれた知というのが1つ目です。


●「批判の精神」が学問の基礎


 2つ目のキーワードは「批判の精神」ということです。批判、クリティシズムです。これはプラトン以来の学問、あるいはものを考えるときの基本中の基本で、人の考え、今まで受け継いできたさまざまな考えを批判的に扱うことです。つまり、これは間違っているのではないか、ここはおか...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
神話の「世界観」~日本と世界(1)踊りと物語
世界の神話の中で異彩を放つ日本神話の世界観
鎌田東二
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として
ヒトが罪を犯す理由…脳の働きから考える「善と悪」
長谷川眞理子
学びとは何か、教養とは何か
教養の基本は「世界史」と「古典」
本村凌二
「心から幸せになるためのメカニズム」を学ぶ(1)心理学研究と日本の幸福度
実は今、「幸せにも気をつける」べき時代になっている
前野隆司
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
インフレの行方…歴史から将来を予測する(6)高市政権誕生の影響
ポイントは財政悪化よりインフレ?…高市政権でどうなるか
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(4)ベントの死闘とプロの責任感
「これからベントをやる。メンバーを決める!」…決死の現場
門田隆将
こどもと学ぶ戦争と平和(4)人間はなぜ戦争をするのか
人間はなぜ戦争をするのか?2つの要因から問う平和の条件
小原雅博
高市政権の進むべき道…可能性と課題(1)高市首相の特長と政治リスク
歴史的圧勝で仕事人・高市首相にのしかかるリスク要因
島田晴雄
明治維新から学ぶもの~改革への道(1)五つの歴史観を踏まえて
明治維新…官軍史観、占領軍史観、司馬史観、過誤論の超克
島田晴雄
編集部ラジオ2026(3)高市政権の行方と「明治維新」
高市政権の今後は「明治維新」の歴史から見えてくる!?
テンミニッツ・アカデミー編集部
プロジェクトマネジメントの基本(1)国際標準とプロジェクトの定義
プロジェクトマネジメントとは?国際標準から考える特性
大塚有希子
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎
ハラスメント防止に向けた風土づくり(2)ハラスメントと心理的安全性の関係性
ハラスメントを助長する全体主義、無関心、属人思考、圧力…
青島未佳