睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ
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10年以上世界最低だった日本人の睡眠時間と寝だめの問題
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(2)現代人の睡眠不足と社会的時差ボケ
西多昌規(早稲田大学スポーツ科学学術院教授/早稲田大学睡眠研究所所長)
世界的に睡眠時間の短さが指摘されてきた日本人だが、その傾向は今も続いている。最新の集計データをもとに、世界との比較や世代別の睡眠傾向を見ていく。夜型化による現代人の睡眠不足やリズムの乱れが社会的時差ボケとどのように関係してくるのか。そのことが与えるメンタルヘルスへの影響、寝だめの問題と合わせて解説する。(全6話中第2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:11分57秒
収録日:2025年1月17日
追加日:2025年8月9日
カテゴリー:
≪全文≫

●世界的に見ても睡眠不足な日本人


―― 続きまして西多先生、現代人における「社会的時差ボケ」の状況ですね。そこを詳しくお話しいただきます。

 まず最初が、よく言われますけれど、日本人の睡眠時間が短いというところですよね。

西多 そうですね。社会的時差ボケは睡眠不足と密接に関わっていて、最初は睡眠不足の話をせざるを得ないのです。左は2013年に発表されたデータなので、もう実は10何年前の話なのですけれど、7時間未満の人の割合を主要国で比較したところ、日本の6割以上が7時間未満であったのです。他の国はもっと寝ていたということで、これはかなり昔です。

 睡眠が大事だということはこの1、2年どころか、もうだいぶ前からいわれているわけで、改善したかというとあまり改善していなくて、この右がOECDのデータです。この睡眠時間を見ても分かる通り、日本はいちばん左のいちばん短いところにあります。

―― 圧倒的に低いですよね。

西多 低いのですよね。

―― ええ。

西多 これが今に始まったことではなくて、10何年たってもこのありさまであるということで、やはりまだまだ睡眠不足は問題であるということなのです。

―― 日本人でも、例えば大谷翔平さんなどはパフォーマンスを上げるためということで、10時間(以上)ですかね。

西多 12時間ですね。

―― かなり長く寝ておられるということですが、実際なかなかそれだけ寝られない人が多いということですよね。

西多 実際はそうなってしまっているということですね。

―― そうですね。さらにまた状況を見てまいります。

西多 これは研究データで、アカデミックなペーパーなのですけれども、年代別に各エリア、ヨーロッパ、アメリカ、アフリカ、東アジアとかの睡眠時間を調査した『Nature』の研究です。上にあるように、赤い点々で囲っているイーストアジアは、左19歳から33歳はまだそこまで少ないというわけではないのですけれど、東アジアの特徴は中高年層の睡眠時間が短いことです。特にいちばん右のように、54歳から74歳が圧倒的に低いのです。

―― 圧倒的に低いですね。

西多 他のアフリカヨーロッパはよく寝ています。東アジアもいろいろな国があるということ...

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