睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ
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なぜ社会的時差ボケになる?若者の夜型傾向とうつの関係
睡眠から考える健康リスクと社会的時差ボケ(3)夜型人間と社会的時差ボケの関係
健康と医療
西多昌規(早稲田大学スポーツ科学学術院教授/早稲田大学睡眠研究所所長)
「夜型人間ほど社会的時差ボケは大きい」――つまり社会的時差ボケには、いわゆる夜型の生活習慣が大きく関わっているということだ。また、実はそうした睡眠のリズムは、持って生まれた遺伝子の影響も無視できないという。クロノタイプといわれる個人の活動時間帯、その特性に注目しながら、なぜ社会的時差ボケになるのか、その要因について考える。(全6話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:9分24秒
収録日:2025年1月17日
追加日:2025年8月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●夜型の生活と「社会的時差ボケ」の関係


―― 西多先生、引き続きまして、今まで社会的時差ボケの話を伺ってきましたが、どうしてなるのかというメカニズムの部分ですね。

西多 そうですね。どうしてなるのかです。

 しつこくこの図を載せますけれど、これを見ても分かる通り、もう少し平日に早く寝ておけば、そんなに寝不足にもならないのです。ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)というのは、慢性の睡眠不足、いわゆる睡眠負債と関わってきていますので、平日にもっと早く寝て、睡眠時間を十分取れば、土日にそんなにずれることはないでしょうというのが理想論なのです。

 寝つくのが遅くなってしまうのはなぜかということなのです。ゲームをしているせいか、ネットをしているせいかとか、それもあるのですけれど、それを考えていきたいと思います。

―― 分かりました。

―― 夜型とソーシャル・ジェットラグ、いわゆる社会的時差ボケの関連が大きいのですね。

西多 そうなのです。体内時計で、ここではいわゆる夜型人間です。これがSJL(ソーシャル・ジェットラグ:社会的時差ボケ)との関連が大きいといわれています。夜型なので、寝つくのが遅いのです。このソーシャル・ジェットラグは、いわゆる自分の体内時計と社会のスケジュールがずれているからです。時差ボケに似た症状が起きますよということです。

 この体内時計の夜型化ですが、夜型の人は睡眠不足気味なのです。結論をいうと、夜型ほどソーシャル・ジェットラグ、いわゆる社会的時差ボケは大きいことが示されています。

―― なるほど。

西多 なぜかというと、特に夜に(例えば)ネットを見たり、コンビニに行ったり、あれこれ遊びに行ったりして、夜間の活動性が上がってくると光を浴びますよね。蛍光灯なり、ブルーライトとか、スマホ、パソコンです。夜に光を浴びると体内リズムが後ろにずれて、要は寝づらくなるのです。最初の講義で出たメラトニンが出づらくなるからです。そうすると、ただでさえ夜型なのがますます夜型になっていきます。

―― なるほど。

西多 つまるところ、休みの日はますます起きるのが遅くなってきてしまうのです。平日はますます夜更かしになってき...

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