●夜型の生活と「社会的時差ボケ」の関係
―― 西多先生、引き続きまして、今まで社会的時差ボケの話を伺ってきましたが、どうしてなるのかというメカニズムの部分ですね。
西多 そうですね。どうしてなるのかです。
しつこくこの図を載せますけれど、これを見ても分かる通り、もう少し平日に早く寝ておけば、そんなに寝不足にもならないのです。ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)というのは、慢性の睡眠不足、いわゆる睡眠負債と関わってきていますので、平日にもっと早く寝て、睡眠時間を十分取れば、土日にそんなにずれることはないでしょうというのが理想論なのです。
寝つくのが遅くなってしまうのはなぜかということなのです。ゲームをしているせいか、ネットをしているせいかとか、それもあるのですけれど、それを考えていきたいと思います。
―― 分かりました。
―― 夜型とソーシャル・ジェットラグ、いわゆる社会的時差ボケの関連が大きいのですね。
西多 そうなのです。体内時計で、ここではいわゆる夜型人間です。これがSJL(ソーシャル・ジェットラグ:社会的時差ボケ)との関連が大きいといわれています。夜型なので、寝つくのが遅いのです。このソーシャル・ジェットラグは、いわゆる自分の体内時計と社会のスケジュールがずれているからです。時差ボケに似た症状が起きますよということです。
この体内時計の夜型化ですが、夜型の人は睡眠不足気味なのです。結論をいうと、夜型ほどソーシャル・ジェットラグ、いわゆる社会的時差ボケは大きいことが示されています。
―― なるほど。
西多 なぜかというと、特に夜に(例えば)ネットを見たり、コンビニに行ったり、あれこれ遊びに行ったりして、夜間の活動性が上がってくると光を浴びますよね。蛍光灯なり、ブルーライトとか、スマホ、パソコンです。夜に光を浴びると体内リズムが後ろにずれて、要は寝づらくなるのです。最初の講義で出たメラトニンが出づらくなるからです。そうすると、ただでさえ夜型なのがますます夜型になっていきます。
―― なるほど。
西多 つまるところ、休みの日はますます起きるのが遅くなってきてしまうのです。平日はますます夜更かしになってき...