高市早苗総理は、派閥や利権といった従来の政治的貸し借りに依存せずに頂点に立った。その高市総理は、内閣発足時に全閣僚に「指示書」を渡した。これでは各大臣はサボれない。まさに高市総理が「働いて働いて働いて」と繰り返したとおりであった。この驚くべき変革の土台には、彼女の出身母体である松下政経塾の存在がある。松下幸之助の本質を掴み、その精神を体現する高市総理の台頭は、戦後レジームの終焉と日本の再生を予感させるものである。これまで戦後の日本政治を忌み嫌い、語ることのなかった執行氏がなぜこれほどまでに心動かされたのか。その真意に迫る。(全7話中第5話)
※インタビュアー:神藏孝之(テンミニッツ・アカデミー論説主幹)
≪全文≫
●歴史の分水嶺を超え始めている
―― だって先生は政治が大嫌いでしょう。(政治家は)ろくでもない人たちだと。
執行 私は政治が大嫌いですよ。政治ぐらい嫌いなものはない。これはもう戦後一貫している。私が政治家の話をするとしたら戦前の人だけです。(戦後)民主主義になってからは、一切触れるのも嫌です、汚らわしいと思っているので。だから高市早苗さんになってから初めてなのです、こうして動画を撮っているのは。
私はなんだかんだいってもやっぱり人格中心主義だよね。なんだかんだ言っても戦後あれほどの正直な人が総理大臣になるなんて、私は信じられないですよ。あんな正直な人がなれることそのものが。
一番重要なことはよく「明治の偉大さ」ということで取り上げるのですが、これは本にも書いているのだけれど、明治がなぜ偉大かと。全ての日本人が「明治はやっぱり偉大だ」と思っているじゃないですか。なぜか。あれは一言でいうと「乃木希典」。乃木希典のような愚直な人が陸軍の最高位の大将になって軍司令官にもなっているわけです。それ自体が明治の偉大さだと思います。
乃木が今いたら、どんな大企業でも係長がいいところです、絶対に。でも、明治はああいう人が組織のトップに上がれる世界だったのです。有名な話ですが、二百三高地(での戦い)の時、乃木を首にしようと陸軍で集まって決まったけれど、明治天皇が直接「乃木を首にしてはならん」という聖断が下ったじゃないですか。ああいうところが、やっぱりわれわれが明治に感動するところなのです。あのことに今近いものが高市さんです、要は。
―― なるほど。
執行 高市さんが総理大臣になれたということは、相当見直しているし、その目がありますね、本当に。
―― そういう意味で歴史の分水嶺を超え始めているのです。自民党の中で、あれだけ派閥があってボスがいっぱいいて、あの世界の中で、少なくとも彼女は20年以上、その世界と付き合っていないわけです。「飯会」に行かないのですから。たまに行っても、30分くらいで自分の食べた分だけ封筒に(代金を)置いて帰ってきてしまうのだから。
だから、3回目の総裁選も、立候補する時に15人くらいしか集まらないわけです。推薦人も確保できないくらい仲間がいなかったのです。けれど、(それで)総裁選に勝ったという感じなのです。
執行 でも反対をいうと、高...