第一次世界大戦100年と日本
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
石油における安全性と確実性は多様性と多元性に潜む
第一次世界大戦100年と日本(2)石油と安全保障
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
中東の紛争、「イスラム国」(IS)、ウクライナ。現在の国際秩序を揺るがす混乱のどれもが、まさか100年前に五つの大帝国が崩壊した余波だとは。歴史学者・山内昌之氏が“石油エネルギー”の視点からこの一世紀の近代史を読み解き、紛争の構造を説く。シリーズ「第一次世界大戦100年と日本」第2回(全5回)。
時間:11分34秒
収録日:2015年4月15日
追加日:2015年5月21日
カテゴリー:
≪全文≫

●100年前に崩壊した五つの大帝国


 皆さん、こんにちは。前回に引き続き、第一次世界大戦から100年というテーマでお話しします。最初に、孔子の言葉をもう一度おさらいしておきましょう。

 「我欲載之空言、不如見之於行事之深切著名也」

 「抽象的な言葉に依拠しようとするよりも、具体的な出来事で説明することの方が、極めてねんごろで明快にすぎるものはない」という意味です。

 本日は、崩壊した帝国と石油エネルギーというテーマで、第一次大戦後100年がたっても、中東から黒海に至る地域で国際秩序を揺るがす事件が起こっている背景について探っていきたいと思います。それは、歴史的に多民族国家として形成された帝国が崩壊した余波、そして、帝国の領土が分解しても、そのかけらをめぐる争いがまだ消えていないからです。

 今、ご覧いただいているように、そこには、ホーエンツォレルン朝ドイツ帝国、ロマノフ朝ロシア帝国、そしてオスマン朝トルコ帝国、さらに、ハプスブルク朝オーストリア=ハンガリー帝国、この四つの大きな帝国をヨーロッパから中東にかけて指摘することができます。ここに、大戦勃発の直前、1911年に辛亥革命で解体した清朝の中華帝国を加えることもできます。


●米露発のイデオロギーが国際秩序を変えた


 ところで、第一次世界大戦に当たって、戦争の遂行と終結に大きなインパクトを与えたものの一つに、イデオロギーの強さがありました。中でも、国際平和主義の提唱者であるアメリカ合衆国大統領ウッドロウ・ウィルソン、そして、ボリシェヴィズムの提唱者でロシアの革命家・政治家であったウラジーミル・レーニン、この二人のイデオロギーの強烈さを指摘しなければなりません。

 その中心にあったのは、植民地として支配されていた国々や住民・民族が、自らの運命を自らが定めることができるという民族自決権、そして彼らが主権独立国家・自治国家を持つことができるという原理でした。これが、それぞれニュアンス、あるいはイデオロギーが根本的に違いながらも、ウィルソンとレーニンの主張として共通していた面です。

 こうした新しいダイナミズムは、近代ヨーロッパ各国の従来の秘密外交、あるいは旧外交と呼ばれた国際秩序間に、大変大きな修正と転換を余儀なくさせました。

 イギリス、フランス、ドイツ、ロシアといったヨーロッパの古典的な...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
織田信長と足利義昭~検証・本能寺の変(1)はじめに
新史料の発見で見直される「本能寺の変」
藤田達生
戦史に見る意思決定プロセス~日本海軍の決断(1)日本海海戦・東郷平八郎
なぜ東郷平八郎はバルチック艦隊を対馬で迎え撃ったのか?
山下万喜
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
歌舞伎の魅力とサバイバル術…市川團十郎の歴史から考える
堀口茉純
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
最初の日本列島人~3万年前の航海(1)日本への移住 3つのルート
最初の日本列島人はいつ、どうやって日本に渡ってきたのか
海部陽介

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・樋口季一郎…キスカ・占守島編(1)キスカ島撤退作戦
5200人の将兵を救え…米軍も称賛した「キスカ島撤退作戦」の奇跡
門田隆将
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
ウェルビーイングを高めるDE&I(2)人と組織を取り巻く環境変化:後編
なぜ日本の幸福度は低すぎるのか?会社任せで失われる自律性
青島未佳
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
昭和の名将・樋口季一郎…ユダヤ人救出編(1)決断と信念のユダヤ人救出
毅然として人道を貫き、命を救う…樋口季一郎のユダヤ人救出
門田隆将
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹
百姓からみた戦国大名~国家の本質(1)戦国時代の過酷な生存環境
戦国大名と民衆の過酷な課題…飢饉の常態化をどう生き延びるか
黒田基樹
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
Microsoft Copilot~AIで仕事はどう変わるか(1)「生成AI」の画期性
「生成AI」実装の衝撃…人工知能の歴史と特長
渡辺宣彦
天下人・織田信長の実像に迫る(1)戦国時代の日本のすがた
織田信長の「天下」とは…最新研究で激変する人物像・時代像
柴裕之