技術と民生から見た明治維新
この講義は登録不要で無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
山尾庸三―工部大学校を設立した「工学の父」
技術と民生から見た明治維新(2)山尾庸三
山内昌之(東京大学名誉教授/歴史学者/武蔵野大学国際総合研究所客員教授)
本編シリーズ講話第2回は、「工学の父」、山尾庸三。現在の東京大学工学部である工部大学校を設立し、近代国家の土台を技術で支える人材を輩出した教育者。明治の文明開化を「生きた機械」として助力した男は、もともと「尊王攘夷の志士」でもあった。
時間:17分48秒
収録日:2014年2月12日
追加日:2014年3月6日
≪全文≫

●「歴史にifはない」と言われるけれど

皆さん、こんにちは。
前回は、「長州ファイブ」と呼ばれる幕末の長州藩の若き侍たちがイギリスに渡り、主にロンドンを中心に活動した話にふれました。その中で日本の「造幣の父」とも言うべき遠藤謹助を取り上げましたが、一緒に出かけた他の人たちはどうなったのでしょうか。今日は、その一人、山尾庸三について話してみたいと思います。
歴史を見るときに、「もし・・・でなかったら、どうだったか」と考えることは、皆さんにもしばしばあると思います。「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら、世界史は変わったかもしれない」というパスカルの有名な言葉を思い浮かべたり、さまざまな仮定をしたくなることがあります。
H・G・ウェルズのタイムマシン、時間航空機は人類の夢です。これに乗って世界を遡及してみたい、歴史の違うあり方を見てみたい。そういう気持ちに襲われる人も少なくないと思います。

●もし「長州ファイブ」が渡英していなければ、明治の日本は?

私なども、職業柄本当はよくないのですが、やはりそういう仮定をしてみたくなることはあります。
古代の白村江の戦いで、唐と新羅の連合軍にもし日本が勝利を収めていたら、東アジアの秩序はどうなっていたか。あるいは第二次大戦中のミッドウェー海戦において、もし帝国海軍の連合艦隊がアメリカ航空艦隊の索敵に成功し、先にその場所を見つけていたらどうなっていたか。さまざまな形で歴史は変わったかと思われます。
しかしながら、そうした仮定には実際に根拠がある場合もあります。例えば、クレオパトラの鼻であれば、現代の整形手術で低くすることができますので、仮定として意味を持たないかもしれません。しかし、幕末の「長州ファイブ」と呼ばれる若者たちが、もしイギリスに行っていなかったとすれば、その後の日本の明治という時代のあり方は、ずいぶん変わっていたに違いありません。
このように、歴史においては、因果関係として十分に成り立つ仮定があるのです。ただ、われわれは歴史上の既成事実について、当たり前のものとしてとらえることに慣れているせいか、そのことが持つ大事な意味について、ともすれば忘れがちになることもあります。

●ロンドンで下関戦争の報に接する。帰る者と残る者

「長州ファイブ」の若者たちは、元治元年(1864年)、ロンドンの地において、イギリス、フラン...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「歴史と社会」でまず見るべき講義シリーズ
徳川家康の果断と深謀~指導者論と組織論(1)率先し陣頭指揮する
徳川家康の「天下泰平」デザインとは?…陣頭指揮とカリスマ性
片山杜秀
概説・縄文時代~その最新常識(1)縄文時代のイメージと新たな発見
高校日本史で学んだ縄文時代のイメージが最新の研究で変化
山田康弘
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
本当のことがわかる昭和史《5》満洲事変と石原莞爾の蹉跌(1)なぜ満洲が重要だったのか
放っておけば朝鮮はロシア領になりかねなかった
渡部昇一
『江戸名所図会』で歩く東京~日本橋 (1)日本橋に見る徳川家康の手腕
徳川家康と江戸の町づくりー江戸時代の「日本橋」の姿とは
堀口茉純
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
織田家中一の武略者…『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の知られざる実像
黒田基樹

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
「良き対話」とは?――哲学から考える(2)良き対話のための「問い方」の技法
良き対話のための「問い方」の技法とは?…ソクラテス流に「YES、NO」で答えさせ、お互いの考えを確認して進む
納富信留
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
「満洲」から考える日本とアジア(1)「満洲」を知る意義とは
「満洲史」はなぜ現代日本でタブー視されるのか?…王道楽土の夢とアヘンなどの裏面から見えてくる現代への教訓
宮脇淳子
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
チームパフォーマンスを高める心理的安全性(1)心理的安全性が注目される理由
なぜ今「心理的安全性」なのか、注目を集める背景に迫る
青島未佳
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
編集部ラジオ2026(38)アメリカ中間選挙と民主主義
【10min解説】第2期のトランプ大統領と中間選挙を考える
テンミニッツ・アカデミー編集部
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将