10MTVオピニオン|有識者による1話10分のオンライン講義 ログイン 会員登録
DATE/ 2018.03.07

定年後に支払う必要のある「3つの税金」とは?

 65歳以上人口約3460万人。日本の高齢化率(65歳以上人口/総人口)は平成28年10月に27.3%に達し、その半分近い13.3%を75歳以上が占めるようになりました。政府が提唱する「人生100年時代」は刻々と迫りつつあります。ここ数年は、老後と呼べる年齢が何歳になるのか、変化の瀬戸際にありますが、気になるのはやはり家計の状況。定年後の暮らしに関して、直近の動向を調べてみました。

意外にも「心配がない」高齢者の暮らし向き

 まず国際比較を見てみましょう。平成27年度、日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデンで同時に行われた調査によると、「現在の老後の生活に満足している」高齢者の割合は、スウェーデン97.1%、アメリカ95.2%、ドイツ91.9%、日本88.3%となっています。

 次に、平成29年度版「高齢社会白書」をのぞいてみると、経済的な暮らし向きについて「心配ない」と答えている60歳以上の割合は64.6%に上ります。65歳以上の者だけ、あるいは18歳未満の未婚者が加わった高齢者世帯の平均所得は、297.3万円。うち公的年金や恩給以外に収入がない世帯も55%。

 一見すると決して豊かとは言えませんが、「万一のため」、退職金をもらった時点で貯蓄を抜かりなく行っている人が多数。世帯主が60歳以上の世帯の貯蓄は平均2,000万円以上と、60歳以下の世代を完全に引き離しています。

 ただ、65歳以上の生活保護受給者の数も人口当たり2.86%と微増を続けています(全年齢平均は1.67%)。この一部を取り上げてメディアでは「老後破産」をクローズアップしていますが、大多数の高齢者は、過去最高の社会保障給付(平成26年度112兆1,020億円)のもと、充実した老後を満喫しているように見えます。

夫婦で月22万円、ゆとり資金を合わせた35万円を確保できるか

 では、実際に退職後、夫婦二人の暮らしにはどのぐらいの金額が必要なのかを調べたのが、生命保険文化センターによる「生活保障に関する調査」です。以下は平成28年度版を参照した数字になります。

 調査では、老後生活に不安を感じる人の割合は85.7%。何が不安なのかというと、「公的年金だけでは不十分」80.9%を占め、「日常生活に支障が出る」57.2%、「自助努力による準備が不足する」38.1%の順になります。

 回答者が望んでいる老後の生活水準は、「つつましい生活」が70.1%。現役時代と同程度やそれ以上を望む割合は平成5年をピークに平成22年で底を打ち、老後の最低日常生活費として具体的には「20~25万円未満」を望む声が最多。老後のゆとりのための上乗せ額も「10~15万円未満」が多く、10万円未満でよいとする層を足すと6割近くを占めます。

 夫婦二人で月22万円、ゆとりある老後の暮らしには月34.9万円。そのために公的年金以外に個人年金も…という流れになるようですが、厚生労働省のモデル年金は40年間会社勤めの夫と同じ年月専業主婦の夫婦を想定して、夫婦で月額238,125円となっています。仮に現状の年金制度がこの先ずっと続けば、それほど心配する必要はないのかもしれませんが、さて今後どうなるのでしょう。

退職後も同様に払う税金

 退職後も続く経済的負担として、支払わなければならない税金があります。大きく分けて所得税、住民税、固定資産税の3種類を順番に見ていきましょう。

 まず、所得税は、所得に応じてその都度支払うものですが、サラリーマンはあらかじめ1年の総収入を月割りにして源泉徴収されています。退職後、1か月以上ブランクがあると、納め過ぎということになります。もちろん納め過ぎ分は還付されますが、手続きの方法は同年に再就職したかしなかったかで変わってきます。年内に再就職した場合は、再就職先で年末調整を、再就職しなかった場合は、翌年の確定申告を行う必要があります。

 住民税は6月が期のはじまりとなるため、退職時期が1月から5月の人と6月以降の人で支払い方法が異なります。前者では退職時に一括徴収され、6月以降に退職の場合は一括か分割かを選べます。なお、住民税は「前年度の収入」に対してかかるものなので、退職した翌年も支払いの必要があります。忘れないようにしましょう。

 なお、住居や土地にかかる固定資産税は、収入の有無にかかわらず、退職後も地価評価に応じて支払っていく必要があります。相続税も同様です。これらの税金が回りまわって公的年金になっていくのですから、あまり渋い顔はできませんね。

<参考サイト>
・内閣府:平成27年度 第8回高齢者の生活と意識に関する国際比較調査結果
http://www8.cao.go.jp/kourei/ishiki/h27/zentai/index.html
・内閣府:平成29年版高齢社会白書
http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/index.html
(10MTV編集部)