テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2020.11.08

世界で最も「魅力的な大都市」ランキング

 国内、海外問わず、今行きたい都市を挙げるとすればどこでしょう。またこれまで訪れた都市で最も魅力的だったのはどこでしょう。ここでは「世界で最も魅力的な都市ランキング」をみながら、どのような都市にどのような魅力があるのかみてみましょう。

世界で最も「魅力的な大都市」は京都

 「世界で最も魅力的な都市ランキング」はアメリカの大手旅行雑誌コンデナスト・トラベラー誌が読者投票を行い、毎年秋に発表しているものです。今回は1988年から数えて今年で33回目となります。コンデナスト・トラベラー誌とは、アメリカの大手出版社コンデナストが出している旅行の専門誌です。主に世界の富裕層を中心にその読者数は世界各国におよそ330万人とも言われています。ということで、今回はこのCondé Nast Traveler “The Best Cities in the World:2020 Readers' Choice Awards” を元に、2020年のトップ10をみてみましょう。

1位 京都(日本)
2位 リヨン(フランス)
3位 シンガポール
4位 シドニー(オーストラリア)
5位 ウィーン(オーストリア)
6位 東京(日本)
7位 ポルト(ポルトガル)
8位 ヘルシンキ(フィンランド)
9位 コペンハーゲン(デンマーク)
10位 リスボン(ポルトガル)

 1位は日本の古都、京都でした。2019年のランキングでは1位の東京に次ぐ2位でしたが、2020年で初の1位です。記事によると京都の魅力は「古いものが保存されている一方で2011年の震災の影響ののち生まれ変わっている」としています。また「ミシュランの星付きレストランは100軒ほどある」としつつ「これとは別に本格的な食事を味わうには、200年の歴史をもつ旅館「金又」がおすすめ」とされています。

 また、今回6位の東京は、前回まで4年連続で1位でした。東京の魅力は「超近代的なネオンの先の高層ビルと静謐な寺院の対比は、目覚めたくない夢のようなもの」とされています。過去と現代が渾然一体となっている魅力ということのようです。京都も東京も基本的には、古さと現代が混在している面白さ、ということに魅力があるようです。住んでいると気づかない部分も多いですが、日本の都市はやはりエキゾチックなのかもしれません。また、2位のフランスの都市リヨンは美食の都として、3位のシンガポールは成長著しく勢いあふれる都市国家として、それぞれ紹介されています。

魅力的な小都市トップ10

 同誌では「世界で最も魅力的な小都市ランキング」も掲載されています。こちらは以下の通り。

1位 サン・ミゲル・デ・アジェンデ(メキシコ)
2位 チェンマイ(タイ)
3位 メリダ(メキシコ)
4位 モンテカルロ(モナコ)
5位 ヴァレッタ(マルタ)
6位 ザルツブルグ(オーストリア)
7位 シエナ(イタリア)
8位 ヴィクトリア(カナダ)
9位 フィレンツェ(イタリア)
10位 エディンバラ(イギリス)

 1位はメキシコのサン・ミゲル・デ・アジェンデという都市です。メキシコシティの北西にバスで4時間ほどの場所に位置し、スペイン植民地時代に手工業で栄えた都市とのこと。旅行サイトで調べてみると、中心地には華やかなサンミゲル教区教会があり、ギターやトランペット、バイオリンなどの楽器とともに歌うマリアッチでいつも賑やかとのこと。写真を見ていると赤い壁の教会や建物と青空との対比が美しいです。暖かくで穏やかな雰囲気は南米ならではといった感じのようです。実際に定年退職したアメリカ人も多く移住しているとのこと。

 ちなみに国別のランキングで見ると、1位イタリア、2位スリランカ、3位ポルトガル、4位日本、5位ギリシャとなっています。日本は前回12位だったことからすると、再評価されつつあるようです。

<参考サイト>
・The Best Cities in the World: 2020 Readers' Choice Awards│Condé Nast Traveler
https://www.cntraveler.com/galleries/2014-10-20/top-25-cities-in-the-world-readers-choice-awards-2014

~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

なぜアメリカはロシア、中国より圧倒的に地理的優位なのか

なぜアメリカはロシア、中国より圧倒的に地理的優位なのか

地政学入門 歴史と理論編(3)地政学でみたアメリカ・ロシア・中国

国や地域がどこに位置するかという普遍的な要素から、国際政治の歴史や情勢を分析する地政学。今回はアメリカ、ロシア、中国という3つの大国を例にとり、地図を俯瞰しながらどのような分析が可能になるかを具体的に見ていく。ラ...
収録日:2024/03/27
追加日:2024/05/14
小原雅博
東京大学名誉教授
2

なぜ「父祖の遺風」がローマと江戸に共通する価値観なのか

なぜ「父祖の遺風」がローマと江戸に共通する価値観なのか

ローマ史と江戸史で読み解く国家の盛衰(1)父祖の遺風

1200年に及ぶ古代ローマ史と、260年以上続いた江戸時代。この二つの歴史は、国家や組織について学ぼうとする者には宝の山である。本シリーズは、古代ローマ史がご専門の本村凌二氏と江戸時代を中心に執筆活動を行う中村彰彦氏の...
収録日:2019/08/06
追加日:2019/12/19
3

全てが悟りに至る道…日本は茶や花や野球にも「道」がある

全てが悟りに至る道…日本は茶や花や野球にも「道」がある

石田梅岩の心学に学ぶ(6)禅から茶道へ

道元の『辨道話』には「修証一等」の言葉がある。修行も悟りも同じことであり、修行は特別なことではないことを説く。坐禅だけでなく茶をふるまうのも花を活けるのも、生きることそのものが修行になる。ただし、ただ生きるのと...
収録日:2022/06/28
追加日:2024/05/13
田口佳史
東洋思想研究家
4

法曹界の『人間観』は間違い?脳の働きから考える「善悪」

法曹界の『人間観』は間違い?脳の働きから考える「善悪」

ヒトはなぜ罪を犯すのか(1)「善と悪の生物学」として

“ヒトの罪とは何か”――この問題について、法学や哲学的アプローチでなく、進化生物学・進化心理学的視点から考察するのが今回の講義の趣旨である。ヒトが社会的動物として集団生活を送る中で個人間に利害対立が生じ、これを調整...
収録日:2023/12/11
追加日:2024/02/25
長谷川眞理子
日本芸術文化振興会理事長
5

ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る

ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る

オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え

2016年ノーベル医学・生理学賞の受賞テーマである「オートファジー」とは何か。私たちの体は無数の細胞でできているが、それが日々、どのようなプロセスで新鮮な状態を保っているかを知る機会は少ない。今シリーズでは、細胞が...
収録日:2023/12/15
追加日:2024/03/17
水島昇
東京大学 大学院医学系研究科・医学部 教授