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怒りのストレスにサヨナラする7つの方法
ストレスが多い生活のなかで怒らない日はないのではないかと思うほど、「怒り」とは私たちに身近な感情といえます。しかし同じ人間でありながらもお坊さんは怒らない、という印象はありませんか。
冒頭でも述べた通り、仏教では「怒りとは最低で無知であること、人間性を捨てること」とまで言われるほど、遠ざけるべき感情だとされています。しかし私たちは日々の生活のなかで、どうしても怒りに負けてしまうことは少なくありません。できるところから実践して、少しずつ怒りと距離を置くための練習をしてみてはいかがでしょうか。
なぜお坊さんは怒らないのか
仏教の教えでは喜びの状態ではない「怒り」とは手放すべき感情だといわれています。そのためお坊さんは修行を積んだ上で、怒りから解放されて心安らかな状態を手に入れているのです。今回はスリランカ上座仏教長老のアルボムッレ・スマナサーラ氏の『怒らない練習』を参考に、私たちが日々の生活で実践できる怒らないための7つの方法を紹介しましょう。方法1:怒りに気づく練習をする
少しでも心の中で「嫌だな」と思う瞬間がきたらそれは怒りの火種、放っておくと怒りへと成長してしまいます。それを怒りだと自覚してしっかり観察していると、いつのまにか冷静になって火種は消えるはずです。こうして怒りに気づき、未然に怒りを防ぐ練習をしていきましょう。方法2:怒りの色眼鏡を外してみる
怒っている時は色眼鏡をかけているようなものだと思いましょう。正しい色が見えていない状況での言動や行動で良いことは起こりません。そうした時は一度落ち着いて、休憩をとることも大切です。一呼吸おけば色眼鏡を外すことができて、冷静に物事を見ることができるようになるでしょう。方法3:多角的に見るクセをつける
物事に対して好き嫌い問わず、多角的に見るクセをつけましょう。嫌だなと感じるものに対してその一面だけ見ていると「嫌だ」という感情は改善しません。しかし一歩ひいて、そうでない面を見てみると、意外と嫌いじゃない一面や好意的に思える一面が見つかるかもしれません。そうした部分を認めて、「嫌だ」と思うことを減らしていきましょう。方法4:「怒りは効果的」は間違いだと知る
「部下は怒って育てる」という人がいますが、そんなことはありません。怒るよりも理性的に冷静に説明をし、間違いを指摘した方がよっぽど効果があります。逆に怒ると職場の雰囲気が悪くなったり、怒られた側も萎縮する可能性があります。悪い空気は簡単に伝染してしまいますので、そうならないように心がけましょう。方法5:幸福や楽しみは自分から作り出す
「毎日良いことがない」と嘆いている人もいるかもしれませんが、ただ誰かを頼るのではなくて自分で自分を幸せにしてあげることが大切です。そのためにはできるのはまず「笑うこと」。無理やりにでも笑うように心がけていれば、いつのまにか自然に笑顔が出るようになって、周りの空気も変わっていくことでしょう。方法6:周りに期待しすぎない
相手に期待して失敗すると、誰でも怒ってしまいますね。しかし世間も他人も、自分さえも不完全なので、あなたの期待に完璧に応えられないものはたくさんあります。他人や世間には期待しすぎないで、すべてが不完全であることを受け入れるようにしましょう。方法7:感謝を伝える習慣をつける
表面上の言葉ではなく、心からの「ありがとう」を人に伝えるようにしましょう。自分のためにしてくれた、時間を割いてくれた、それを当たり前のことと思わず、ひとつひとつのことに感謝する気持ちを持ちましょう。人に対する感謝の気持ちを持つようになると、心に余裕が生まれますし、怒ることは減っていくことでしょう。冒頭でも述べた通り、仏教では「怒りとは最低で無知であること、人間性を捨てること」とまで言われるほど、遠ざけるべき感情だとされています。しかし私たちは日々の生活のなかで、どうしても怒りに負けてしまうことは少なくありません。できるところから実践して、少しずつ怒りと距離を置くための練習をしてみてはいかがでしょうか。
<参考文献>
『怒らない練習』(アルボムッレ・スマナサーラ著・サンガ出版社)
『怒らない練習』(アルボムッレ・スマナサーラ著・サンガ出版社)
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