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狩りガール?女性ハンターを増やす取り組みとは
「狩りガール」と呼ばれる狩猟をする女性たちが注目されているのをご存知でしょうか。狩猟者のための公益団体「大日本猟友会」のHPでも『目指せ! 狩りガール』というコンテンツが展開されています。新米女性ハンターの視点で情報やレポートなどを紹介する充実した内容からも、女性ハンターを歓迎するムードと盛り上がりを感じます。
鳥獣による被害は農作物被害だけでなく、生活環境や生態系など広範囲に関わっています。つまり特定の地域で生活する人たちだけの問題ではなく、すべての人の暮らしと未来に関わる重要な問題だからです。
この鳥獣被害対策の担い手となるのがハンターの方々。狩猟は免許を取得している人にしかおこなえません。しかし、昭和50年には51.8万人いた狩猟免許保持者は全体的に減少し、平成26年には19.4万人にまで減りました。このようなハンターの高齢化と人手不足が問題視されていましたが、明るい兆しがないわけではありません。近年は、罠猟を中心に新規で狩猟免許を取得する人たちが増加する傾向にあり、特に39歳未満の若い世代の取得者が増えているそうです。女性ハンターも注目されているとあって、期待が寄せられています。
その成果もあってか、最近では、貴重な地域資源として食肉利活用に取り組む自治体も増えてきています。和歌山県の日高町では平成22年から「ジビエ工房紀州」として有害捕獲したイノシシ、シカを解体処理して食肉に加工する施設を稼働させました。地元のハンターや農業者が捕獲したイノシシなどを食肉として加工し商品化。町内の産品所などで購入可能です。
高タンパクで低カロリーなジビエは女性だけでなくアスリートにも人気が高いとのこと。もし、まだご賞味されたことのない方は、ぜひ一度味わってみてください。お店で本格的な味を体験してみるのもオススメですし、手軽なお取り寄せから始めてみるのもいいと思います。ジビエをいただくことは家族や仲間と環境や自然について一緒に考えるきっかけになるかもしれません。そしてもし、ジビエの魅力に取りつかれたならば、ぜひ次のステップである狩猟免許の取得も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
女性たちを魅了するジビエ料理
女性たちが狩猟に興味を持ち始めた理由には、ジビエ料理の人気とも関係があるようです。ジビエ料理とは、一般社団法人日本ジビエ振興協会によると「狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味する言葉(フランス語)で、ヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから発展してきた食文化」とのこと。たしかに自然界のものを餌とし、自由に駆け回るシカやイノシシの野性味あふれる味わいは、牛や豚とはまた違ったおいしさがあります。とはいえ、食はきっかけのひとつ。狩猟に興味を持つ方は、もともと動物が好きだったり、自然や環境保護、農業などに対する意識の高い方が多いようです。野生鳥獣による被害とハンター確保の必要性
ニュースでご存知の方も多いと思いますが、全国での野生鳥獣による農作物の被害などが深刻化しています。平成29年7月に農林水産省が公表した資料によると、近年におけるその被害額は200億円前後で推移し、全体の7割がシカ、イノシシ、サルによるもので、そのうちの8割がシカによるものとのこと。シカの頭数(北海道を除く)は平成元年からの25年間で約10倍、イノシシは約3倍へ増加したと見られています。頭数でいうと、平成23年度の全国のシカが328万頭、イノシシが97万頭。国はそれを平成35年度には半減させることを目標に掲げています。鳥獣による被害は農作物被害だけでなく、生活環境や生態系など広範囲に関わっています。つまり特定の地域で生活する人たちだけの問題ではなく、すべての人の暮らしと未来に関わる重要な問題だからです。
この鳥獣被害対策の担い手となるのがハンターの方々。狩猟は免許を取得している人にしかおこなえません。しかし、昭和50年には51.8万人いた狩猟免許保持者は全体的に減少し、平成26年には19.4万人にまで減りました。このようなハンターの高齢化と人手不足が問題視されていましたが、明るい兆しがないわけではありません。近年は、罠猟を中心に新規で狩猟免許を取得する人たちが増加する傾向にあり、特に39歳未満の若い世代の取得者が増えているそうです。女性ハンターも注目されているとあって、期待が寄せられています。
食肉利活用に向けた環境づくり
国の調査によると、捕獲された野生鳥獣のほとんどが、埋設や焼却によって捨てられており、食肉にされるのは1割程度だそう。食べたい人と食べさせたい人がいるのに、廃棄されているというのはなんとももったいないことです。これは牛肉や豚肉のように流通させるための共通のルールがなく、衛生管理や消費者が安心して買える環境が整っていなかったことに起因しています。しかし国もジビエの消費や需要の拡大に向けてそのスキームづくりに取り組み始めました。その成果もあってか、最近では、貴重な地域資源として食肉利活用に取り組む自治体も増えてきています。和歌山県の日高町では平成22年から「ジビエ工房紀州」として有害捕獲したイノシシ、シカを解体処理して食肉に加工する施設を稼働させました。地元のハンターや農業者が捕獲したイノシシなどを食肉として加工し商品化。町内の産品所などで購入可能です。
高タンパクで低カロリーなジビエは女性だけでなくアスリートにも人気が高いとのこと。もし、まだご賞味されたことのない方は、ぜひ一度味わってみてください。お店で本格的な味を体験してみるのもオススメですし、手軽なお取り寄せから始めてみるのもいいと思います。ジビエをいただくことは家族や仲間と環境や自然について一緒に考えるきっかけになるかもしれません。そしてもし、ジビエの魅力に取りつかれたならば、ぜひ次のステップである狩猟免許の取得も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
<参考サイト>
・大日本猟友会
http://www.moriniikou.jp/index.php?catid=21&blogid=12
・はじめよう! 狩りガール
http://kari-girl.com/hajime/
・日本ジビエ振興協会
http://www.gibier.or.jp/gibier/
・農林水産省 鳥獣被害の現状と対策
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/attach/pdf/index-72.pdf
・農林水産省 鳥獣被害防止に向けた取組事例
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/pdf/h271001_meguji_jirei.pdf
・大日本猟友会
http://www.moriniikou.jp/index.php?catid=21&blogid=12
・はじめよう! 狩りガール
http://kari-girl.com/hajime/
・日本ジビエ振興協会
http://www.gibier.or.jp/gibier/
・農林水産省 鳥獣被害の現状と対策
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/attach/pdf/index-72.pdf
・農林水産省 鳥獣被害防止に向けた取組事例
http://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/pdf/h271001_meguji_jirei.pdf
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