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DATE/ 2017.09.25

青森は神奈川の2倍!水道代は地域によってこんなに違う

 日常生活で、私たちが何の気なしに使っている水。使うごとにかかってくるのが「水道代」ですが、実はこの水道代、地域間によって格差があるのはご存知でしょうか? 

水源などの地理的要素で“格差”が

 これを大きく取り上げたのは、2015年に発売された『週刊女性9月29日号』の「全国の平均水道料金を一挙公開、各自治体によってこれだけ違う!」という記事です。同記事では20立方メートル当たりの月額で、都道府県別の平均ランキング表を掲載していますが、最も高い青森県の4445.4円に対して、最も安い神奈川県は2042.9円。2倍以上の差があることが判明しました。

 この水道料金の“格差”は、なぜ生まれるのでしょうか?それを説明しているのは住宅情報サイト「SUUMO」が運営する「SUUMOジャーナル」の「知っていますか? 水道料金が地域により最大8倍も違う理由」と言う記事です。この記事では事業体ごとの水道代料金を紹介しており、最も安い山梨県・富士河口湖町の835円に対して、北海道・夕張市が6841円にも及ぶ(20立方メートル当たり)と大きな格差が生じていると紹介しています。理由として挙げているのは大きく地理、歴史、社会という3つの要因があるとしています。

 まず地理的要因です。これは水源に近いことやダムなどの施設がある場合、運営コストが一気に下がることになります。続く歴史的背景は水道が敷設した時期によって、インフラの老朽化などを整備するための状況などが発生するケースがあります、そして社会的要因は、最も分かりやすい人口密度や水道自体への需要と供給のバランスとなっています。

 簡潔に説明すれば、水源豊富な川などが近くにあり、なおかつ多くの人々が住んでいる場所は安くなる傾向がある一方、過疎化が進み、それと同時に雪などの影響を受けやすい東北・北海道地方は高めに設定される傾向があるようです。

同一県内の中でも6倍以上の差が

 なお同一県内でも格差があることを知らしめた研究があります。新潟大学大学院現代社会文化研究科・中村康一氏が発表した『水道料金の地域間格差に関する研究』では、新潟県内の各市町村における格差を調べています。2009年度における10立方メートル当たりの家庭用1ヶ月料金では、佐渡市では560円から3580円と、最大6.39倍もの格差がついていると記載されていました。

 佐渡市の場合、いわゆる「平成の大合併」によって佐渡島の中で佐渡市以外にも両津市、相川町、佐和田町、金井町、新穂村、畑野町、真野町、小木町、羽茂町、赤泊村がありましたが、2004年に佐渡市に統一されました。それ以前、各自治体で設定されていた水道料金の名残が残っているとされています。また「料金の統一にあたっては、現在よりも料金が高くなるところの住民の理解を得ることが難しい」とも触れています。

 なお、冒頭で取り上げた全47都道府県の平均価格は3196.2円。皆さんの家庭がこの数字より高い場合、もしかしたら“水道格差”を考えてもよいのかもしれません。

<参考文献・参考サイト>
・全国の平均水道料金を一挙公開、各自治体によってこれだけ違う!
http://www.jprime.jp/articles/-/4676
・SUUMOジャーナル:知っていますか? 水道料金が地域により最大8倍も違う理由
http://suumo.jp/journal/2016/03/07/107101/
・水道料金の地域間格差に関する研究:新潟大学大学院現代社会文化研究科 中村康一
http://dspace.lib.niigata-u.ac.jp/dspace/bitstream/10191/27178/2/h25zik75.pdf
(10MTV編集部)