テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2017.11.18

白髪を抜くと増えるのは本当?

 鏡を見ながら髪をとかしていると、白い毛が一本……。とくに若い世代にとって、白髪の発見は、年齢や老いを感じ、少なからずショックを受けるということもありますよね。ある程度年齢が進めば、1本や2本の白髪は気にならなくなるものですが、本数が少ないうちは、過剰に意識してしまうものです。

 みなさんは、白髪を見つけたとき、どうしていますか?「白髪は抜くと増える」なんてことも言われますが、実際はどうなのでしょうか?

白髪を抜くことで発生するリスク

 まず、白髪を見つけたときにやってしまいがちな「抜く」という行為。いまいましい老いの象徴を根こそぎ取ってしまいたい…毛根から抜いてしまえばしばらくは生えなくなりますから、1カ月は顔を合わせなくていいなら白髪を抜いてしまえ、という気持ちもわかります。

 そこで「白髪は抜くと増える」というウワサの真相が気になりますが、実は白髪は抜いても増えることはありません。そもそも、白髪が生える原因は、メラニン色素をつくる働きが衰えです。髪の毛に色をつける、メラニン色素が供給されなくなれば髪の毛に色がつかないため、白いまま生えてくるというのが白髪のメカニズム。抜くことで増えることには繋がりません。

 ならば全部抜いてしまえと思うかもしれませんが、毛を抜くという行為には別のリスクが伴います。毛を抜くことで、毛穴周辺の皮膚や毛細血管に傷がつき、毛嚢炎など、頭皮の炎症を起こす可能性があります。また、髪の毛を作り出している毛母細胞が、毛を抜くことでダメージを受け、髪の毛が生えてこなくなることもあるのです。つまり、白髪を抜く行為は、白髪を増やす以前に、髪そのものを薄くしてしまうというリスクに繋がっていたのです。

白髪が生まれる5つの原因

 白髪が増えてしまう原因として、次ぎの5つが代表的な理由としてあげられています。

1.老化による酵素の減少
2.栄養不足
3.生活習慣の乱れ
4.ストレス
5.病気や副作用

 とくに若いうちの白髪は、過度なダイエットなどによる栄養不足や、不規則な生活による自律神経の乱れ、仕事やプライベートの生活から受けるストレスなどがあげられます。最近白髪が増えてきたと思う方は、私生活を見直すいい機会かもしれません。充分な栄養と、運動、規則正しい生活は、白髪の発生だけでなく、健康の維持にも繋がります。

気になる白髪への正しい対応は?

 それでも、一度生えてしまえばなかなか改善されることのない白髪。どうしても気になってしまいますよね。抜く以外の方法で目立たなくさせるにはどうしたらいいのでしょうか。

 まずひとつあげられるのは、白髪を抜くのではなく、根元から切ってしまうことです。抜くのとは違い、白髪が再度顔を見せるまでのスパンは短くなりますが、毛根そのものを死滅させてしまうよりはいいでしょう。

 また、髪の毛を染めるという手段もあります。生え際の白髪はどうしても気になりますが、髪の手入れをすることで気分も明るくなります。

 しかし、どれだけ若く、美しい人でも、いずれ年老いていくことは、人間が生物として生きている限り逃れることのできない定めといえます。逆に、年齢を重ねれば重ねるだけ、生まれてくる魅力もあります。白髪は、自分が人生の長さだけがんばって生きてきた証と思い、大切な体の一部として、ともに生きる気持ちも必要かもしれませんね。

<参考サイト>
・スキンケア大学:白髪・若白髪の原因と対策
http://sp.skincare-univ.com/article/003876/
http://www.skincare-univ.com/article/003871/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
「学ぶことが楽しい」方には 『テンミニッツTV』 がオススメです。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,300本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

“死の終りに冥し”…詩に託された『十住心論』の教えとは

“死の終りに冥し”…詩に託された『十住心論』の教えとは

空海と詩(4)詩で読む『秘蔵宝鑰』

“悠々たり悠々たり”にはじまる空海『秘蔵宝鑰』序文の詩文。まことにリズミカルな連呼で、たたみかけていく文章である。このリフレインで彼岸へ連れ去られそうな魂は、選べる道の多様さと迷える世界での認識の誤りに出会い、“死...
収録日:2024/08/26
追加日:2024/11/23
鎌田東二
京都大学名誉教授
2

国家は助けてくれない…「三田会」誕生への大きな経験

国家は助けてくれない…「三田会」誕生への大きな経験

独立と在野を支える中間団体(6)慶應義塾大学「三田会」の起源

中間集団として象徴的な存在である慶應義塾大学「三田会」について考える今回。三田会は単に同窓会組織として存在しているわけではなく、「公」に頼れない場合に重要な役割を果たすものだった。その三田会の起源について解説す...
収録日:2024/06/08
追加日:2024/11/22
片山杜秀
慶應義塾大学法学部教授
3

日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化

日本の根源はダイナミックでエネルギッシュな縄文文化

日本文化を学び直す(1)忘れてはいけない縄文文化

大転換期の真っ只中にいるわれわれにとって、日本の特性を強みとして生かしていくために忘れてはいけないことが二つある。一つは日本が森林山岳海洋島国国家であるというその地理的特性。もう一つは、日本文化の根源としての縄...
収録日:2020/02/05
追加日:2020/09/16
田口佳史
東洋思想研究家
4

国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題

国の借金は誰が払う?人口減少による社会保障負担増の問題

教養としての「人口減少問題と社会保障」(4)増え続ける社会保障負担

人口減少が社会にどのような影響を与えるのか。それは政府支出、特に社会保障給付費の増加という形で現れる。ではどれくらい増えているのか。日本の一般会計の収支の推移、社会保障費の推移、一生のうちに人間一人がどれほど行...
収録日:2024/07/13
追加日:2024/11/19
森田朗
一般社団法人 次世代基盤政策研究所(NFI)所長・代表理事
5

謎多き紫式部の半生…教養深い「女房」の役割とその実像

謎多き紫式部の半生…教養深い「女房」の役割とその実像

日本語と英語で味わう『源氏物語』(1)紫式部の人物像と女房文学

日本を代表する古典文学『源氏物語』と、その著者である紫式部は、NHKの大河ドラマ『光る君へ』の放映をきっかけに注目が集まっている。紫式部の名前は誰もが知っているが、実はその半生や人となりには謎が多い。いったいどのよ...
収録日:2024/02/18
追加日:2024/10/14