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転職を繰り返すアラサー「ゆとり世代」の働き方
ゆとり世代はなぜ転職を繰り返すのか。この興味深い問いを投げかけたのは、『ゆとり世代はなぜ転職をくり返すのか?』の著者であり、教育社会学者の福島創太氏。
「ゆとり世代」というと「マイペース」とか「長続きしない」など、上の世代からネガティブに捉えられることが少なくありませんが、こうしたステレオタイプをもっていると彼らの行動を正確に読み解くことはできません。
そもそも「ゆとり世代」は本当に転職が多いのか、という疑問も含めて、福島氏の調査と見解をたよりに、ゆとり世代と転職について、探っていきたいと思います。
ただし、だからといって、一般的に言われているように、彼らが「わがまま」で「自分勝手」で、「我慢が苦手だから」転職が多いというわけではありません。
結論をいえば、「少子高齢化社会の到来」と「企業間競争のグローバル化」という社会構造の変化が転職市場に影響を与えたからだと福島氏は述べています。
その結果、「できるだけ早く自立し、入社した会社の支援を受けることなく、自らキャリアを作り上げていける人材が求められること」になりました。
より具体的な変化として、「自立したキャリアを実現すべく」、就職活動が「自分探しを前提とした」ものとなり、キャリア教育として「やりたいことを聞かれ続ける」ようになりました。
そして、「彼らが社会によって誘導された『自分らしいキャリア』を求めた結果、転職者が増えているのが実情なのだ」そうです。
前者は「不満に思っていることから逃れるため、あるいはそのときの瞬間的な希望のために転職」します。後者は「常に成長できる環境に身を置いて、キャリアアップをしていきたい」と考えている人たちです。
「ここではないどこかへ系」は「ずっとこのままでいいのか」「やりたいことが見つからないままでいいのか」という不安を抱え、「意識高い系」は「この会社にいていいのか」「人材としての価値を高められているのか」という不安を抱えています。そうして転職を繰り返す人も少なくないということです。
それに対して、福島氏は「その選択のメリットだけではなく、デメリット、リスクについても考えて冷静に判断してほしい」、「若い世代にとって一番大きなリスクとは、『スキル形成のチャンスを失うリスク』」と主張しています。
「ゆとり世代」の働き方を読み解くポイントは、乱暴に若者論や世代論で片付けないようにすることです。同時代の社会構造の変化に影響を受けているのはたしかですが、「ゆとり世代だから」と言って、性格や人格を決めつけてしまうと本質を見失います。
大事なのは、社会構造の変化を見ていくことです。当然ながら、「少子高齢化」と「グローバル化」は全世代に影響を及ぼします。その点、ゆとり世代がもっとも敏感に反応しているといえます。今後はさらに「AI化」の波が押し寄せ、これまでの常識が次々と崩れ去っていくことが予想されます。よって、「ゆとり世代」の働き方が自分の常識と異なるからと言って拒絶するのではなく、そこから得られるものがあれば、どんどん吸収していくことが大事なのではないでしょうか。
「ゆとり世代」というと「マイペース」とか「長続きしない」など、上の世代からネガティブに捉えられることが少なくありませんが、こうしたステレオタイプをもっていると彼らの行動を正確に読み解くことはできません。
そもそも「ゆとり世代」は本当に転職が多いのか、という疑問も含めて、福島氏の調査と見解をたよりに、ゆとり世代と転職について、探っていきたいと思います。
「我慢が苦手だから」転職が多いのか?
ゆとり世代はたしかに転職が多いのです。福島氏は「東洋経済オンライン」において、総務省統計局「労働力調査」(2016年)の統計をもとに、「25~34歳が77万人と最も多く、転職者全体の4分の1を占め」、「転職市場における30代前後、いわゆるゆとり世代の存在感が依然として大きいことが統計から読み取れる」と述べています。すなわち、「転職市場の主役はアラサー世代(ゆとり世代)」ということです。ただし、だからといって、一般的に言われているように、彼らが「わがまま」で「自分勝手」で、「我慢が苦手だから」転職が多いというわけではありません。
結論をいえば、「少子高齢化社会の到来」と「企業間競争のグローバル化」という社会構造の変化が転職市場に影響を与えたからだと福島氏は述べています。
社会構造の変化が転職を増加させた
「少子高齢化」によって「1人ひとりの人材ができるだけ早い段階から戦力として育つことを社会が求める」ようになりました。そして、「企業間競争のグローバル化」により企業は経営環境が厳しくなり、人材を育成する投資余力が奪われ、かつてのように「一人前になるまでの育成の機会を提供することが難しくなった」のです。その結果、「できるだけ早く自立し、入社した会社の支援を受けることなく、自らキャリアを作り上げていける人材が求められること」になりました。
より具体的な変化として、「自立したキャリアを実現すべく」、就職活動が「自分探しを前提とした」ものとなり、キャリア教育として「やりたいことを聞かれ続ける」ようになりました。
そして、「彼らが社会によって誘導された『自分らしいキャリア』を求めた結果、転職者が増えているのが実情なのだ」そうです。
ゆとり世代の2タイプ:「ここではないどこかへ系」と「意識高い系」
「日経ウーマン オンライン」では、福島氏の見解をもとに、ゆとり世代の2つのタイプにフューチャーして記事をまとめています。その2つのタイプとは、「ここではないどこかへ系」と「意識高い系」です。前者は「不満に思っていることから逃れるため、あるいはそのときの瞬間的な希望のために転職」します。後者は「常に成長できる環境に身を置いて、キャリアアップをしていきたい」と考えている人たちです。
「ここではないどこかへ系」は「ずっとこのままでいいのか」「やりたいことが見つからないままでいいのか」という不安を抱え、「意識高い系」は「この会社にいていいのか」「人材としての価値を高められているのか」という不安を抱えています。そうして転職を繰り返す人も少なくないということです。
それに対して、福島氏は「その選択のメリットだけではなく、デメリット、リスクについても考えて冷静に判断してほしい」、「若い世代にとって一番大きなリスクとは、『スキル形成のチャンスを失うリスク』」と主張しています。
「ゆとり世代」の働き方から学べること
こうした「ゆとり世代」の働き方から、ゆとり世代以外の世代は何を学ぶことができるのでしょうか。「ゆとり世代」の働き方を読み解くポイントは、乱暴に若者論や世代論で片付けないようにすることです。同時代の社会構造の変化に影響を受けているのはたしかですが、「ゆとり世代だから」と言って、性格や人格を決めつけてしまうと本質を見失います。
大事なのは、社会構造の変化を見ていくことです。当然ながら、「少子高齢化」と「グローバル化」は全世代に影響を及ぼします。その点、ゆとり世代がもっとも敏感に反応しているといえます。今後はさらに「AI化」の波が押し寄せ、これまでの常識が次々と崩れ去っていくことが予想されます。よって、「ゆとり世代」の働き方が自分の常識と異なるからと言って拒絶するのではなく、そこから得られるものがあれば、どんどん吸収していくことが大事なのではないでしょうか。
<参考サイト>
・『ゆとり世代はなぜ転職をくり返すのか? キャリア思考と自己責任の罠』(福島創太著、筑摩書房)
・東洋経済オンライン:ゆとり世代の転職が絶えない「本当の理由」
http://toyokeizai.net/articles/-/196235
・日経ウーマン オンライン:ゆとり世代の転職 特徴的な2タイプと不安の正体
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/031400060/101600071/
・日経ウーマン オンライン:やりたいことがなくても幸せに働ける○○がある人生
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/031400060/101900073/
・『ゆとり世代はなぜ転職をくり返すのか? キャリア思考と自己責任の罠』(福島創太著、筑摩書房)
・東洋経済オンライン:ゆとり世代の転職が絶えない「本当の理由」
http://toyokeizai.net/articles/-/196235
・日経ウーマン オンライン:ゆとり世代の転職 特徴的な2タイプと不安の正体
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/031400060/101600071/
・日経ウーマン オンライン:やりたいことがなくても幸せに働ける○○がある人生
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/031400060/101900073/
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