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DATE/ 2018.03.18

東京都「地震危険度」ランキング

 北米、太平洋、フィリピン海、ユーラシア、4つの大陸プレートが沈み込む日本列島。世界で起こる地震の発生件数のうち、約1割が日本で起こっているほどの地震大国なのです。北海道から沖縄まで、国内で地震の起きない地域はありません。東日本大震災が記憶に新しいですが、日本人はつねに地震という自然現象と折り合いをつけながら生きてきました。

 東京都では「東京都震災対策条例」に基づき、昭和50年からおおむね5年ごとに地震に対する都内各の地域危険度を公表しています。2018年2月に、最新データが発表され、話題となっています。今回は都内の最新「地震危険度」についてのお話です。

地震危険度の最も高いエリアは?

 危険度の調査は「建物倒壊危険度」、「火災危険度」、「災害時活動困難度」を総合して判断しています。「災害時活動」とは聞き馴染みのない言葉ですが、避難や消火、救助、救援などを指します。危険度は都内で震度6強の地震が発生した場合を想定し、5段階の評価をつけています。

 都内の市街化区域5,177町丁目それぞれの危険度が示され、そのうち最も危険度が高いとされたのは荒川区町屋4丁目でした。実は前回の調査でも、荒川区町屋4丁目はワーストトップ。この地域では木造住宅が密集おり、狭い路地も多く、消防車が入りにくいのが原因のようです。

 東京23区では皇居を中心に、東を城東、西を城西といいます。調査では荒川区をはじめ、足立区、墨田区、江東区など、城東エリアの危険度が高く、5や4の評価を受けている地域が多いのです。いずれも、古い木造家屋や狭い路地が原因と考えられます。一方、同じ区内でも都市計画などが見直され、開発が進んでいる地域の危険度は低くなっています。

都内全域で見れば危険度は減っている

 城西エリアでも危険な場所は数多くあります。風情のある街並みが人気の新宿の神楽坂などをはじめ、古い家屋や老舗が並んでいる地域は、火災の際の危険性や区画整理がされておらず道幅が狭いなど、危険度が高いのです。

 また、住宅密集地となっている中野区や杉並区の地域もランクインしています。中野区や杉並区は、東京都のベッドタウンとして人気の高い地域。都心まで30分ほどという立地も魅力となり家屋が密集しているのです。こうした人口密度の高い地域でも地震危険度は高くなっています。

 都内全域で見れば、前回の調査よりも建物倒壊の危険性は約2割減、火災の危険性は約4割減りました。南関東では、今後30年以内にマグニチュード7程度の地震が起きる可能性が約70%といわれています。東日本大震災を機に防災の意識が高まり、耐震、耐火を意識した建物の建造や、都市開発が進んでいる成果といえるでしょう。

危険度を知ることの重要性

 こうしたランキングが発表になると、つい自分の地域は安全か危険かという情報で一喜一憂しがちです。しかし情報を活用するためには、住んでいる地域の危険度を冷静に見つめ、なぜ危険度が高くなっているのか原因を理解し、いざというときにどう行動すべきなのか、日頃から考えておく必要があります。

 例えば、古い木造住宅の密集地の場合であれば、火災の危険性が高くなっている可能性があります。実際に火災が起こった場合、避難先をあらかじめ考えておくことで、実際に被災した際も迅速な行動をとることができるのです。

 忘れたころにやってくるのが地震。これを機に、地震への備えを見直してみてはいかがでしょうか?

<参考サイト>
東京都都市整備局:地震に関する地域危険度測定調査
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/home.htm
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