社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
東京都「地震危険度」ランキング
北米、太平洋、フィリピン海、ユーラシア、4つの大陸プレートが沈み込む日本列島。世界で起こる地震の発生件数のうち、約1割が日本で起こっているほどの地震大国なのです。北海道から沖縄まで、国内で地震の起きない地域はありません。東日本大震災が記憶に新しいですが、日本人はつねに地震という自然現象と折り合いをつけながら生きてきました。
東京都では「東京都震災対策条例」に基づき、昭和50年からおおむね5年ごとに地震に対する都内各の地域危険度を公表しています。2018年2月に、最新データが発表され、話題となっています。今回は都内の最新「地震危険度」についてのお話です。
都内の市街化区域5,177町丁目それぞれの危険度が示され、そのうち最も危険度が高いとされたのは荒川区町屋4丁目でした。実は前回の調査でも、荒川区町屋4丁目はワーストトップ。この地域では木造住宅が密集おり、狭い路地も多く、消防車が入りにくいのが原因のようです。
東京23区では皇居を中心に、東を城東、西を城西といいます。調査では荒川区をはじめ、足立区、墨田区、江東区など、城東エリアの危険度が高く、5や4の評価を受けている地域が多いのです。いずれも、古い木造家屋や狭い路地が原因と考えられます。一方、同じ区内でも都市計画などが見直され、開発が進んでいる地域の危険度は低くなっています。
また、住宅密集地となっている中野区や杉並区の地域もランクインしています。中野区や杉並区は、東京都のベッドタウンとして人気の高い地域。都心まで30分ほどという立地も魅力となり家屋が密集しているのです。こうした人口密度の高い地域でも地震危険度は高くなっています。
都内全域で見れば、前回の調査よりも建物倒壊の危険性は約2割減、火災の危険性は約4割減りました。南関東では、今後30年以内にマグニチュード7程度の地震が起きる可能性が約70%といわれています。東日本大震災を機に防災の意識が高まり、耐震、耐火を意識した建物の建造や、都市開発が進んでいる成果といえるでしょう。
例えば、古い木造住宅の密集地の場合であれば、火災の危険性が高くなっている可能性があります。実際に火災が起こった場合、避難先をあらかじめ考えておくことで、実際に被災した際も迅速な行動をとることができるのです。
忘れたころにやってくるのが地震。これを機に、地震への備えを見直してみてはいかがでしょうか?
東京都では「東京都震災対策条例」に基づき、昭和50年からおおむね5年ごとに地震に対する都内各の地域危険度を公表しています。2018年2月に、最新データが発表され、話題となっています。今回は都内の最新「地震危険度」についてのお話です。
地震危険度の最も高いエリアは?
危険度の調査は「建物倒壊危険度」、「火災危険度」、「災害時活動困難度」を総合して判断しています。「災害時活動」とは聞き馴染みのない言葉ですが、避難や消火、救助、救援などを指します。危険度は都内で震度6強の地震が発生した場合を想定し、5段階の評価をつけています。都内の市街化区域5,177町丁目それぞれの危険度が示され、そのうち最も危険度が高いとされたのは荒川区町屋4丁目でした。実は前回の調査でも、荒川区町屋4丁目はワーストトップ。この地域では木造住宅が密集おり、狭い路地も多く、消防車が入りにくいのが原因のようです。
東京23区では皇居を中心に、東を城東、西を城西といいます。調査では荒川区をはじめ、足立区、墨田区、江東区など、城東エリアの危険度が高く、5や4の評価を受けている地域が多いのです。いずれも、古い木造家屋や狭い路地が原因と考えられます。一方、同じ区内でも都市計画などが見直され、開発が進んでいる地域の危険度は低くなっています。
都内全域で見れば危険度は減っている
城西エリアでも危険な場所は数多くあります。風情のある街並みが人気の新宿の神楽坂などをはじめ、古い家屋や老舗が並んでいる地域は、火災の際の危険性や区画整理がされておらず道幅が狭いなど、危険度が高いのです。また、住宅密集地となっている中野区や杉並区の地域もランクインしています。中野区や杉並区は、東京都のベッドタウンとして人気の高い地域。都心まで30分ほどという立地も魅力となり家屋が密集しているのです。こうした人口密度の高い地域でも地震危険度は高くなっています。
都内全域で見れば、前回の調査よりも建物倒壊の危険性は約2割減、火災の危険性は約4割減りました。南関東では、今後30年以内にマグニチュード7程度の地震が起きる可能性が約70%といわれています。東日本大震災を機に防災の意識が高まり、耐震、耐火を意識した建物の建造や、都市開発が進んでいる成果といえるでしょう。
危険度を知ることの重要性
こうしたランキングが発表になると、つい自分の地域は安全か危険かという情報で一喜一憂しがちです。しかし情報を活用するためには、住んでいる地域の危険度を冷静に見つめ、なぜ危険度が高くなっているのか原因を理解し、いざというときにどう行動すべきなのか、日頃から考えておく必要があります。例えば、古い木造住宅の密集地の場合であれば、火災の危険性が高くなっている可能性があります。実際に火災が起こった場合、避難先をあらかじめ考えておくことで、実際に被災した際も迅速な行動をとることができるのです。
忘れたころにやってくるのが地震。これを機に、地震への備えを見直してみてはいかがでしょうか?
<参考サイト>
東京都都市整備局:地震に関する地域危険度測定調査
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/home.htm
東京都都市整備局:地震に関する地域危険度測定調査
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/home.htm
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
“社会人学習”できていますか? 『テンミニッツTV』 なら手軽に始められます。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
ヒトは共同保育の動物――生物学からみた子育ての基礎知識
ヒトは共同保育~生物学から考える子育て(1)動物の配偶と子育てシステム
「ヒトは共同保育の動物だ」――核家族化が進み、子育ては両親あるいは母親が行うものだという認識が広がった現代社会で長谷川氏が提言するのは、ヒトという動物本来の子育て方法である「共同保育」について生物学的見地から見直...
収録日:2025/03/17
追加日:2025/08/31
日本の弾道ミサイル開発禁止!?米ソとは異なる宇宙開拓の道
未来を知るための宇宙開発の歴史(7)米ソとは異なる日本の宇宙開発
日本は第二次大戦後に軍事飛行等の技術開発が止められていたため、宇宙開発において米ソとは全く違う道を歩むことになる。日本の宇宙開発はどのように技術を培い、発展していったのか。その独自の宇宙開拓の過程を解説する。(...
収録日:2024/11/14
追加日:2025/09/02
より良い人生への学び…開かれた知、批判の精神、学ぶ主体
「アカデメイア」から考える学びの意義(4)学びの3つのキーワード
私たちにとって「学び」はどんな意義を持つのか。学びについて考えるべき要素は3つあると納富氏はいう。さらに、「学びは生きる場所」でもある。今生きている人と対話をする。先人たちと書物を通じて対話する。そのことで、自分...
収録日:2025/06/19
追加日:2025/09/03
天平期の天然痘で国民の3割が死亡?…大仏と崩れる律令制
「集権と分権」から考える日本の核心(3)中央集権と六国史の時代の終焉
現代流にいうと地政学的な危機感が日本を中央集権国家にしたわけだが、疫学的な危機によって、それは早い終焉を迎えた。一説によると、天平期の天然痘大流行で3割もの人口が減少したことも影響している。防人も班田収授も成り行...
収録日:2025/06/14
追加日:2025/09/01
世界は数学と音楽でできている…歴史が物語る密接な関係
数学と音楽の不思議な関係(1)だれもがみんな数学者で音楽家
数学も音楽も生きていることそのもの。そこに正解はなく、だれもがみんな数学者で音楽家である。これが中島さち子氏の持論だが、この考え方には古代ギリシア以来、西洋で発達したリベラルアーツが投影されている。この信念に基...
収録日:2025/04/16
追加日:2025/08/28